民以食為天(食をもって天となす)

食べることに並々ならぬ情熱を傾ける中国の人と中華料理。
民以食為天(食をもって天となす)という言葉があるように、「食べることが何よりも大事」
なのです。

中国の人の挨拶でよくある「吃饭了吗?(chī fàn le ma)」の「ごはん食べた?」は
「食べて今日も生きながらた?」の生存確認だったと言われています。

おなか一杯食べられるようになった現代でも使われているけれど、大勢で食べる中華料理は
知ってる人も知らない人も「まず一緒に食べよう」と、食事を大切にしています。

事実、日本では「仲の良い人と食事する」だけれど、中国は「食事した人と仲良くなる」のです。

店内、豪華です。

この日、友人が企画してくれた中華ナイト、まさかの友人が風邪っぴきで不参加。
というワケでメンバーは「はじめまして、はじめまして、二度目まして、私」の4名。

いいんです、これぞ中華式。「まず食べよう」の精神が満ち満ちてくるのです。

とはいえ、初めましてでもディープ中華にも付き合ってくれること自体、好奇心の塊でしかない。
実際、訪れたスーパーでも難易度高めな食材にもガッツで挑み、小瓶サイズさえあれば
発酵して白濁した豆腐も買っていきそうな勢いだった。

火鍋食べましょう

右上から時計回りにミルク麻辣(でも辛!)、白湯、トマト、あと忘れたけどおいしかった

中華のいいところはワイワイしながら食べられるところ。なぜかお玉は人数分あるのに
取り箸がナイ!ので全員直箸!そのままスープに箸つっこんで食べるスタイル。

ビールは2種類。青島ビールでも「常温、冷たい」があり、うっかりタッチパネルで
気づかず1杯目は常温ビールを注文していた!が、そんなのもモーマンタイで乾杯!

常温ビールは中華アルアル。医食同源の彼らはとにかく体を冷やすことは万病の元だと
信じているので、今でもビールは常温を好む人もいる(都市部ではキンキンビールも出てくる
ようになった現在)。

18時に予約したのに、入店したら店内はほぼ満席!みなさん何時から鍋つついてるんだ?

ちなみにこちら、朝6時まで営業してますが、それでもさっさと回転させて儲けよう根性で
「きっかり90分で追い出される」塩サービス、もとい、たくましい商売魂。

我らテーブルも60分経過したところで「ラストオーダーです!」と言われる。こういう時だけ、
全然アバウトでなく、すんごいキッチリな中国。

毎晩7時から始まるといわれる変面ショーを観たくて来たことを伝えると、無線越しに
確認してくれ、「今着替えてるから!」と舞台裏の様子を伝えてくれた。

変面ショー。お客さんは見慣れているのか、さして興味がないのか、大騒ぎもしない。
物珍しさ満載の我ら日本人テーブル(特にわたし)は拍手喝采のきゃあきゃあ。

行ってみたかったお手洗い。女優ミラーと謎に置かれているダイソンのドライヤー!
しかもコンセントのところ、よーくみて!取られないように鍵ついてるから(笑)。

この中華っぽい「どうだ、高級なドライヤー置いているでござる!」と店自慢と、
「高いんだから絶対取るなよ!」という目いっぱいの警戒心がダダもれています。

さあ、飲みなおしましょう

二件目に選んだのが東北料理の「千里香」。

看板にある「延辺風味」というのは北朝鮮の国境付近の延辺エリアの料理のこと。
中国にいる少数民族、朝鮮族の人の料理なので、冷麺だったりキムパだったりと
韓国料理も入り混じる、特色のある場所です。

東北といえば羊肉。羊肉串(ヤンロウチュワン)を食べながらワインをいただく。

このお店、何が面白いかって、自動回転する焼き器がテーブルにあり、ぐるぐると
焼くのを見ながら飲んで待つという、ちょっとしたBBQスタイル。

この右の粉、辛そうだけどひとっつも辛くないという謎

中国人の部下がいるという友人オットさん。働き方や考え方が全く違うのを日々感じているそうな。
日本人の働き方と中国の人の働き方や、コミュニケーションの取り方、仕事の進め方や
上司への提出物などすべてが違うことを、うなずきながら聞いたり、思うことを話したり。

友人奥様は学生時代、ロシア語を専攻。ワインの話や最近行った韓国のごはんの話などの
美食家っぷりに、いつか大阪鶴橋ナイトを実現したいと今から期待しているところ。

いろんな話をしながら、ワインが進むこと、進むこと。ああ、初めましてなのに
楽しすぎて話したりない&また一緒にご飯食べたいしと、いろんな感情がないまぜに
なりながらこの日は解散。

初めましても二度目ましてもどんな方とでも「まず食べよう」の中華精神。
食べるから話せるし、話せるからその人のことが知れる。食を囲むってやっぱりいい。

最後に

中華は奥深い。食べ合わせなんてもんが存在するんだから。

こちら、中華食べ合わせ一覧表。複雑すぎてよくわからないけど、「生魚と牛乳」なんて
食べるかーい!だし、「すずめの肉と梨」「タニシとキクラゲ」なんてそもそも
手に入るかーい!です。

食為先、まず一緒に中華食べましょう。

11月21日 ニホンコン

追記:ちなみに、またもや今回の写真を撮ってくれたのは二度目ましてのカメ吉さん。
帰りの電車で子育て話とおいしいもの話の途中でタイムアップ!続きはオススメの
中央アジア料理で羊肉食らいながら話しましょう!

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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