6年前の今日はParisでした

ボンジュール、ニホンコンです。

今日はパリからお届けです、ってウソ。見え透いたウソ。

6年前の投稿が、SNSであがってきた。6年前こんなことしてましたよー的に、
その時パリで撮ったものがポンポンと。

SNSでは自分でもわすれがちな思い出をポーンと教えてくれたりして、当時の気持ちや空気などが
ぶわっとこみ上げてきたりするのです。

今日はパリの話でも。

なんでだろう、「北京に行きました」っていっても「ふーん・・」っていう反応なのに、
「パリに行ってきました」っていうと百発百中「い~な~~~」って言われる。

こういうとき、中国語学習者はチェ、となるのだ。

6年前の今ごろは、パリの展示会に居ました

新聞ひとつとっても、フォントやイラストがとても素敵。家族新聞の参考に、と最近まで保管していました。

知人の仕事のお手伝いというのが正しいか。展示会に参加しておりました。

え?中国語ですか?と言われますが、現地では英語要員。英語はすごい達者なワケでは
ありませんが、社会人になってから猛勉強の末、少し獲得した言語です。

でもフランスは町でもビジネス界隈でも「フランス語優勢、英語劣勢」という珍しい土地柄。
(ちなみに現地では中国語も使いました、という言語環境)

実は、四十路超えて初めての欧州。

若かりし頃は、「美味い、早い、安い、言葉通じて便利」とばかりに、結局中国ばかり。
あと何都市で全省制覇!と息巻いていた当時の私、バカバカバカ!

一言で言うなれば、もうすべてが美しくて目新しくて衝撃的。

ここからはエッフェル塔もルーブル美術館も見ていない身ですが、自分が感じたフランス・パリです。

LOVEスーパー!

スーパーはやっぱりその土地を色濃く反映。さすがは酪農大国、チーズ一色でした。

冷蔵庫なんて端から端までチーズ棚。しかもおどろくほど安い。なんだろう、
すんごい例えが貧祖ですんませんが、日本人の漬物みたいな感覚なんだろうなあ、と。

日本に帰ってきてから、同じ種類のチーズを見かけるのですが、3倍くらいの高さ。
「いいもんね、また行って買うんだから」って思っていたら6年が経ってしまいました。

圧倒的に街並みが美しい件

ちょっとまって!フツーに馬って!

歩いているだけで素敵な場所、写真を撮るだけで、今でいうところの「映える」のは
パリならではかと。

朝もいい、けど夜はまた静かでいい。ギラギラした蛍光灯が皆無で、すべてが
ぼんやりとしたオレンジ色の白熱灯で統一されていて、なんか美しかったな。

なんだろう、街自体が成熟しているとでもいうのか。余計な飾り立てをせず、
新しくなろうとせず、今のパリがそれ以上にならなくても全然いい、と街が、
人が受け入れているような気がしました。

そういえば、地下鉄の駅に広告がほとんどないことにも驚いた。

あれ?何も視界に飛び込んでこないや、と。日本なんてこれでもかー!!っていうくらい、
まばゆい広告で溢れかえっているというのに。群衆のアイキャッチをつかもうなんてことを
ハナから思っていないといわんばかりの薄暗い地下道。

多くの人を魅了するパリだというのに、トーキョーとは少し
違う消費文化があるんだと思われます。

日本と、アジアと何が違うのか。

滞在中、英語で道を聞くと「何それ?」と知らん顔をするお姉さん。片言のフランス語で
言い直すとちゃんと答えてくれるという妙なフランス語贔屓にも驚いた。

また、黒人の人は間違いなく私を見て「ニーハオ」という肌の色比べみたいなのにも遭遇。
その初めての体験に「うわあ、これがアジア人扱いされるってやつか」と思ったり。

中華圏では微塵も感じることがなかった新しい経験を、いくつもさせてもらいました。

その度にガツーンとなる感じ。それは私の中にある概念とは「圧倒的に違うもの」に
触れると毎度ビリビリします。

この感覚は、「そうそう、世界はまだ広いんだ!」と、己の小ささを知り、
メディアや本で知ったような気分になっていた自分に冷や水をかけるかの如く。

ああ、私はやっぱりこのいいもそうでないもひっくるめて、世の中の「ちがい」を
感じたくて移動してるんだわ、そうに違いない。と確信めいたものさえ覚えてくる。

強烈だったのは、「ストライキ」。

しょっちゅう何かのストで、交通機関が止まったり学校が休校になったりすると聞いていたけど、
ホントに帰国日にストライキがあるらしいとの情報が。

当日はバス、タクシーなどの交通機関がストップ。治安の悪いエリアを避け空港までいける
地下鉄の旅ルートをホテルのフロントのお兄さんと相談していると

「どうせストだから、もう一泊していったら?15%オフにするよ」と、
あっけらかんと声を掛けてきたホテルのオーナー。聞くと

「だって、ここ、フランスだもん」だと。

「いいえ、日本人は帰国日には定刻に離陸する飛行機に乗り、到着した翌日10時から
打ち合わせが入っているんです」としか返せなかった。

すごいな、働く、働かないの主導権が、組織じゃなくて労働者にあるという。
こういうこと、日本で暮らして日本で働く私は、微塵も考えたことがなかったな。

街の様子や、ストライキや、フランスの人の話から私の中で思ったのは

ここフランスは、全体が6割くらいで暮らしているような感じがします。
そこで生じる不便や苦労も、「ま、6割だからね」みたいな感じで、頑張らない。
そこに住む全員がお互いの6割を許容しながら、ゆるやかに回っているように見えました。

違うかもしれないけど、急に出てきた6年前のパリ写真で感じたのは、こんなことでした。

欧州、きっと他の国も素敵なところが沢山あるはず。いってみたいなよその国。

1月25日 ニホンコン

追記:あまりにパリがよすぎて、帰国してから1か月は、夜寝る前にスマホで
「パリ、アパルトマン、購入」と、検索し続けていた私。アホだ。

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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