主治医です

昔の写真。昨日のことのようだけど、10年も前!

ニーハオ、ニホンコンです。

医者ではありませんが、我が子限定で、主治医だと思ってます。
そして、我が子を救ってくれたのも、これまた主治医です。

12月の西果て便りにあったエピソード。息子の遠視に気づいて
納得するまで検査をしてメガネを作った、という話。

ああ、我が家にもその昔、納得するまで医療をハシゴした話が
あったことを思い出しました。

昔の写真(画質悪ー)と一緒にどぞ。

1号、鼻涙管閉塞

「びるいかんへいそく」と読みます。知ってます?これ?
目のキワにある、ポッチ(みたいな穴)。あれが塞がっている症状。

うちは、それだったのです。

赤ちゃんの頃からずっと涙目。ウルウルしてて可愛い♡
と言われるけど、少しの結膜炎でも朝起きると大量の目やにブシャ―!!
と、ちょっとふなっしーっぽく言ってみた。

かかりつけの小児科で「鼻涙管閉塞っぽいよね。大変だよ、手術だし」と
言われたものの、どの眼科で相談しても「自然と治る」や「マッサージが
効果的」といって目の体操を教わって終了するのが常。

命に係わる病気でもなく、日常生活は送れるため、突破口も
見つからないまま、娘4歳になりました。

歯医者でいきなり光が差す

見つけてくれたのは、眼科でもなく、専門医でもない
かかりつけの歯医者さん。

診察台で定期健診をしていた先生が

「あれ?この子、鼻涙管閉塞じゃない?!見てみて!
ここの穴塞がってるよ!」

と、歯の検診そっちのけで診察台のライトで彼女の目を当てて
くれる。何科だよここ?

先生は興奮気味に

「僕分かるんです!自分の子がそうだったんで。これ、
手術してくれる先生にたどり着くのがすごい大変だったんですけど、
〇〇大学の先生を見つけて手術してもらったんです!」と。

お!長い長いトンネルの中から、いきなり光が差した!しかも歯医者!

「でももう今は引退されちゃったんでその方はご紹介できないんです」
と残念そうに言う先生。

当時できたばかりのドーナツ屋でもらった帽子。食事の支度時の必須アイテム

本腰を入れて眼科探し

とにかく手術が必要なので、本格的な眼科探しが始まった。

まず近所の眼科、そこでは検査の時に痛がる1号を見て、先生より
「検査できないのでやめましょう、そこまでする程ではありません」
とにべもなく断られる。

次は東京でそのスジの専門と言われる眼科。

「いやー、1歳とかもっと小さければ私がチョンと針を刺して
穴をあけてあげたんだけどねー。4歳だとできないなー。
ま、でもいいんじゃない、生活に支障はないから」とあっさり撃沈。

そこまで言うなら、と諦めかけるが、これが正常という
状態ではない。放置しても、後々いいことはないだろうから、
ここで是が非でも解決しておきたかった。

当時、歯科医の先生とはメールで進捗報告。「頑張って下さい!
僕も調べますね!」と、いつしか謎の同志みたいになっていた。

次の光は、小児科医

もう打つ手ナシ状態。最初に診断してくれた小児科の先生に
これまでの顛末(ほぼ愚痴)を漏らしたところ

「なんだとー?!それはどうにかしないと!」とこれまた
謎の正義を振りかざしてきた。

先生が提案したのは、「子ども専門の医療機関」。難病や
重たい病気などを専門に扱っているため、ここの眼科なら
間違いなく見てくれる、と。

すぐさまウェブサイトを見るものの、さすが小児医療の最高峰。
「眼科専門医の紹介状が必要」と。

また、「なんでこんなハードル上げるの?おかしいよね、届けるべき
医療が届かない!」とこれまた正義感むき出しの先生。

先生「いいよ!何か聞かれたら『この小児科、眼科も見てます』
って言っときな!」

と、紹介状を書いてくれた。えー!大丈夫?!

まあ、最初に鼻涙管閉塞を疑ってくれたのはこのセンセ―。
あながち間違いではない。一蓮托生というか、このプラン、
センセ―道連れだかんね。

「ダメだったら俺がそこの眼科長知り合いだから何とかする!」と、
最後の切り札も出してきた。そこまで言ってくれるなら、もう乗るしかない。

あれよあれよと手術&入院

くだんの病院にドキドキで予約を入れ、ドキドキの割にスルッと通り、
涼しい顔して1号と診察に行く。先生あっさりと

「あー、鼻涙管閉塞ですね、今日これから血液検査しますね。
手術はえーと来月で。あと、全身麻酔なので1泊入院が必要です」

ああ、ようやくここまでたどり着いたと安堵すると同時に、
ファミレスのオーダーみたいなテンポで飛んでくる重ための話にのけぞる。

「あのー、子どもなんですけど全身麻酔ってダイジョブですか?」
と、不安がる私に、先生は鼻で笑いながら

「4歳?全身麻酔は生後1時間の赤ちゃんにもしますけど」と。

ああ、ホント、ここでは彼女の症状なんて、ほんと鼻クソみたいな
扱いなんだろうな、あ、目クソか。なんて一瞬思った。

結局、いろんな周りに助けられた

結果、無事に手術も入院も終わり、長かったビルイカンヘーソク
という言葉に終止符が打たれました。

最初の母の勘は当たったものの、そこから扉を開けてくれたのは
眼科「以外」のお医者さん。専門外でも伴走してくれ、
本気で症状を救おうとするその気概に、心底感動したものです。

持つべきものは、いろんな科のお節介主治医だな。

子どもが小さいうちは、いろんな健康面のトラブルなどが
大なり小なりあって、その度に母は東奔西走しています。

母のミッションは、これまでもこれからも、その勘というか
嗅覚を持ちながら、困ったときにずっとヘルプの手を迷わず
あげること、あげ続けることで解決に向かうんだろうなと。

画質は悪いけど好きな写真。1号の青ズボンは2日でなくなった!

昔の話でしたが、キョーレツに覚えているエピソード。

大寒波が来るらしいとのこと、皆さんも体調に気を付けてお過ごしください。

1月24日 ニホンコン

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

HPはこちら