そうだ、羊をしゃぶしゃぶしよう
ニーハオ、ニホンコンです。
羊をしゃぶしゃぶしてきました。
昨年3カ月間、毎日ガッツリ中国語学習をした案件がありました。のちに
受講生2名は華麗にも海外事業部に移動となり、ゼロから中国語を始めた1人は
講師の予想を超えた爆伸びを見せ、春から上海に赴任。
もう一人は台湾に出張三昧という日々を送っているという、ある意味、
その研修は人の人生を思い切り変えたものになりました。
久しぶりに講師陣と受講生、全員で近況報告がてらご飯を食べようということなり。
待てよ、このメンバーならなかなかの「ガチ中華」に行けるじゃないか!と
羊のしゃぶしゃぶ「涮羊肉(shuàn yáng ròu シュワンヤンロウ)」のお店に。
東北地方の郷土料理である、羊のしゃぶしゃぶ。北京の名店「東来順」の支店が
池袋にあるのです。
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待ち合わせよりも少しだけ早く行ってスーパーを。皆にお土産を、と物色する。
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マーラー王子ってなにこれ!しかも説明読むと「しびれるわ辛いわ」らしい。
でも食べたことがないので、今回はお気に入りのピーナッツと、緑豆菓子や
棗(なつめ)などを買う。ここも当然のようにレジはオール中国語、駅前留学です。
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今日の参加者である中国人の先生に店内で偶然会う。「わー小蘇打!懐かしい!」
というんだけど、何これ?!
「薬を飲むときに胃が荒れないように一緒に飲むんです」と説明してくれたけど、
余計「何これ」感が強まる。(後で調べたら重曹でした)
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やってきました東来順。北京では冬の風物詩といわれ、王府井の店で食べた感動を
今でも覚えている。
ただ、ここ予約のハードルがかなり高い。まずネットに乗ってるお店の
電話番号がことごとく違う。掛けても掛けても日本在住の中国人のお宅に
掛かるという、電話トラップ。おかしいでしょ、これ。
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何軒か間違い電話をし、電話の一般中国人にすんごい迷惑がられて私めちゃんこ謝って
「私予約したいだけなのに」と不思議に思いながらもようやく正解にたどり着く。
が、かなり高い確率で電話口のスタッフは日本語が話せません。時間、人数、名前、
電話番号など、中国語の練習になりますが、「あれ?私違う世界の扉開いた?」と
一瞬自分の居場所が分からなくなる。
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お店の中はキレイです。ただ、すんごい忙しそう。
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これこれ!待ってました!羊のしゃぶしゃぶは、ちょっとこんな感じの変わった
鍋で食べるのです。ちょっとおしゃれというか、中華らしからぬというか。
そもそも涮羊肉は、豚肉を食べないイスラム教の方向けのハラールフードでもあり、
その歴史は、元王朝時代の、それこそ名前しか知らないチンギス・ハーンとか
フビライ・ハーンが野戦料理として食していたとも言われています。
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こちらのお肉、「国家級非物質文化遺産」なんだと。すごーい。
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円卓、このお鍋、もうテンションが上がること、上がること。
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そう、この涮羊肉、何がおいしいかって、この濃厚なゴマダレです。自分でとってきた
胡麻やパクチーやネギなどの薬味を入れて、それにつけて食べるのですが、
これが本当に美味しい。お行儀が悪いのですが、食べ終わってもお酒のアテとして
箸でちょいちょいすくっては舐めていたほど。
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この人、オーナーさん。皆中国語で話しかけていたんだけど、ここで私
「さあ、突然ですが問題です!この中で誰が中国人で誰が日本人でしょう?!」
とオーナーに向かって聞いてみる。
オーナー、間髪入れず
「あそこの彼女だけが中国人であと全員日本人!すぐわかるから!」と。
はい、もう少し中国語勉強します。
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ちなみにそのオーナー、私たちのお鍋みて「やだやだ全然違うじゃない!」
「ハイハイ、これはホントは肉が先だからね!肉のエキスで野菜食べるの!」
「火鍋じゃないんだから、そんなグツグツしない!とっとと取る!はい肉入れる!
ハイ!もうあげて!」と体育会系のような指南を受ける。
「ゴマダレは少しでいいからね!」「タレ300円だから薄まっちゃうとまた
頼まなきゃいけなくなるからね!」「まあ、頼んでくれてもこっちは全然
いいんだけどね!」とひとりでガンガン巻くしてたてくる。
私たち「すいません!ハイ、食べます!」という、部活のように慌ただしく食べる。
しゃぶしゃぶは忙しい。
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入れ替わり立ちかわり来る店員さんとおしゃべりをしたり、上海に行く話や世界規模の
展示会をアレンジしている話、台湾出張の土産話を聞いたりなど、中華ビジネスが
モーレツな勢いで動いている様子がよく分かる。
個人の訪問ビザが解禁されていない現在、私みたいな一介の講師なんざが渡航できる
術がなく、のどから手が出る通り越して、内臓全部でそうな勢いで行きたい。
(どなたかお供してほしい方いませんか?割と働きますYO)
ついこの間までは、まったく違う仕事、部署に居ながらも、ご縁あって中国語や
私と関わってくれ、人生のハンドルを思い切り切って海外に飛び出していった若者たち。
小説かドラマを見るような展開に、驚きながらもそのたくましい姿に感動すら覚える。
彼らのその人生の1ページに関われたことを、ちょっぴり嬉しく思ったり。
この日のメンバーは、翌日からはまた、それぞれの中華世界に戻っていく。
その日まで、全員根性愛情人情友情の全てを駆使して頑張りましょうか。
まずは自分の目の前に迫りくる怒涛の4月を乗り切る予定。頑張ります。
3月20日 ニホンコン
余談ですが、池袋界隈の本格派中華は、味も接客も(笑)クセが強いのですが、
行きたい!と手を挙げるモノ好きな友人も出てきました。今年は「あなたの
しらない世界」じゃないけど、中華扉を開く会を開催しよかなと。