受験生の母です

ニーハオ、ニホンコンです。

先週書いた麻辣湯に、思いのほか行きたい!との声が多数。

先に申し上げておくと、あれは巷で「ガチ中華」と呼ばれるもので、
日本でありながら全く日本人の好みとか一切考えていません。

調味料や油の量、全てお隣中国の「まんま」なので、美味しい OR NOTの
判断も異なるかと。

SAKRA.JPを書いて&読んでいて思うのは、私の日常は誰かの非日常、
あなたの日常は私のワオ♡、同時に私の美味しいは誰かのマズイ
にも繋がるかと。それも含めて楽しんでください。

さて、今日は全く違う話でも。

(茅ヶ崎に住む義父が激励に。お守りをくれ、酔って、歌って帰りました)

受験生の母です

1号が高校受験です。ちなみに、今日が受験一日目。ワオ!

高校受験までの学習スケジュールは慣れたけど大変。
中学入学の少し前から塾に通い、入学後は19時から授業、
およそ22時頃帰宅。

このスタンダードが変わって欲しいと願いながらも、現状塾ナシで
高校受験に立ち向かうのはかなりハードルが高く。

知識とは、学びとは、賢さとは、と壮大なテーマで考え始めると
キリがないのです、やるしかない精神で走り続けてきました。(1号が)

1号の中学。屋根にある時計は3年くらい壊れていて毎回時間を見てドキッとする、はよ直して!

3日間の連戦

我が家が住むエリアの県立の高校受験は、MAX3日間の長丁場。
スケジュールはこんな感じ

Day1: 学科試験、Day2: 面接、Day3: 特色試験という激ムズ試験。

おそらく、1の学科試験だけで合否を出すには差が付きにくく、
2の面接が追加されたかと。それでも差が付きにくい学校は
3の特色検査でふるい落とす、という作戦かと。

くせ者は3日目の特色試験。別名、科目横断型試験と呼ばれています。

音楽&数学など2科目の要素が入った問題がずらり。
100点満点でいくつかの項目があるのだけれど、先日持ち帰って
きた模試の中で、英語ならばと少し解いてみたらば・・

どうやら「エレベーターの原理」の話。3機のエレベーターの、動きを
計算して答えなさいという「英語による数学の問題」だった!

パッと見で答えられる気がしない。途中で放り投げて

「マークシートだよね?私だったら全部①にマークして25点取る!」

と、言う母に、1号冷たく。

「これ、8択だよ。少なくて6択」と。ガーン。じゃあ0点だ私。

40点取れたらじゅーぶんとも言われるこの特色試験、1号曰く、
最後まで考え抜いてどんだけ粘れるか、を見られてるんじゃないかと。

ふーん、と聞きながら「セーフ!この時代の15歳じゃない!」って
思ったのナイショ。

この長丁場と難易度、もはや科挙のごとし!

科挙とは

中国の隋時代に始まり、1300年続いた中国の官吏登用試験制度。
論語をはじめとする膨大な書物の暗記や詩の作成が試験。
倍率は最高3000倍、70歳の受験生もいるという壮絶な試験。

しかもその制度が終了したのが1清朝末期の1905年。壮絶な科挙の
名残なのか、中国では幼稚園での論語の暗唱などがスタンダード。

科挙と高校受験を同じ括りにするには乱暴かもしれないけれど、
両者ともに必死なのは同じ。

ぐるっとヤシの木が生えている中学の校舎。

自由を尊重するフリ、前のめりでコケそうに

高校受験、大変でしょ、と言われますが、全然。むしろ楽しみでした。

進路と人生は自分のもの、後悔しても間違っても100%自分で決める
自律の一歩がここにある思っていました。

思っていました、が!

中学入学直後は、母自身が前のめり気味。彼女の成績がどこまでも、
何なら天までをも伸びるかも!とめくるめく暴走妄想幻想の数々。

かたや娘はそんな母の重い思いなんざ華麗にスルー。噛み合わなさすぎる
エネルギーのぶつかり合いにに、母も消耗し、最後に根負けする。

そして

「ああ、私は主役じゃないんだわ」という、至極当たり前のことに、
ようやく気づく母ワタシ。

誰だよ、間違っても自分で決めてほしいなんて、もはや丸大食品の
CM「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」の続編かよ!と
己で己を突っ込みたくなる。

うざい母このうえない。

結局、1号は志望校も併願校もさっさと自分で決め、その選択の
意外さに「へー」と思いながら「ぎゃー!定期代!」と胸の内で
叫びました。

教訓:子どもは思ったより大人。むしろ親が子ども。

もはやゲーム

初めての受験。そのシステムも興味深いことこの上ない。
それはもはやクイズダービーか競馬のごとし。

まず内申と呼ばれる中学の成績も重要。対象になるのは
中2の後期と中3の前期の9教科の成績の合計点。

しかも中3前期は成績は、なななんと!2倍になるから皆必死。
クイズダービーの司会者、大橋巨泉の「さらに倍!」声が
聞こえてきそうな

志望校の出願形式も不思議。まず、県立高校の出願が終わったら、
「倍率ドン!」と、大橋巨泉の掛け声と共に(ウソ)各高校の
倍率が出て出願状況が分かる。

その倍率を見て、3日間に限り志願変更が可能。志願変更最終日に
「最終倍率ドン!」が出るのだけれど、これがまあまあ動く。

1号の志望校も倍率が微増。1号の学校は英語の試験得点が「さらに倍!」
の2倍。もう、はらたいらさんに全部あげるから合格さしてくれ!

おみくじで前途を占う。末吉と小吉はどっちが良いほう?今だ謎

15の春

冒頭にも書きましたが、今日は科挙、もとい受験一日目。

こんな時代のこんな時期、熱も出さず無事に試験会場で着席できれば
御の字。

どんな結果になろうとも、3年間走り続けたこと、進路を自分で決めて
立ち向かったこと。更に言うならば親がちょろちょろと視界に
ドロップインするで、スルーしたり歯向かっては己を貫いたことに
成長の二文字しか出てこない。

何より、母である私も「おんぶおばけ」顔負けの距離感で見守っていたのが
「親という字は、木の上に立って見守る」と言われるように、少し離れた木に
よじのぼり、遠くからヤッホーと声を掛ける程度の距離感を取れるように
なった?よーな。

高校受験への道のりは、子供のみならず、親も成長させてもらいました。

がんばれがんばれ受験生。そして、小中高大、すべての受験生母に
サムズアップのグッジョブを送ります。

受験生中心で動いていた1年、2人でよく遊んでました、ありがとう

2月15日 ニホンコン


ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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