母との香港~26年の時を経て~

ニーハオ、ニホンコンです。
母と年イチの遠足、今年は香港に行ってまいります。

去年の遠足は

思えば昨年夏、コロナも明けて少し遠出ができるようになった母と、思い切って
海外に出てみるか!ということで近場の台湾に。

とはいえ7月の台湾、湿気も多く、日本と同じくらいの暑さ。その中で冷たい
かき氷やら油っこい料理やらをかっ食らい、とどめの鼎泰豊(ディンタイフォン・
台湾の有名な小籠包やさん)で「トリュフ入り小籠包」なんてのを頂いたら
やっぱり具合も悪くなる。

台湾で一番高いと言われる展望台に急上昇し、母の具合急降下。

「ああ、うちのお母さん、台湾でいちばん高い場所でいちばん具合悪くなってるー」

と、くれても要らない「ダブルいちばん」を受賞し、慌ててホテルに戻り、母を休ませる。

でも数時間寝たら割と回復し、その夜はランタンを飛ばしに郊外に行くという、
なかなかの元気さを見せた母。

さて、今年は


懐かしの香港に。思えば1999年の夏、まだ香港で働いていた私を尋ねに、父と母が
訪れてくれました。一緒に中国・深センまで移動してマッサージを受けたり、
夜ご飯を一緒にしたりしたのだけれど、覚えているのは海鮮料理屋さんにいた
「すごいハグキが印象的な店員のおじさん」だけ。

どのホテルに泊まったかの記憶もなかったが、母が書き溜めている旅ノートに
しっかり残っていた。しかしビジネスで来ていたのか!と26年越しに知る(笑)

今でも「ハグキのおじさん」のキーワードだけで涙がでるほど笑えるという、
唯一にしてサイコウなんだかサイテーなんだか分からない思い出がある。

あれから26年。もう様変わりしすぎているであろう香港を「眺めにいく」という
遠足に出かけてきます。

せっかちの星に住まう母からは、相変わらず早い段階からYoutubeで現地情報が送られて
来る。eSIMはコレがいいだの、事前予約が必要だので、1カ月前には成田エクスプレスの
チケットが送られてくる。しかも速達で(笑)

もう明日明後日行くんじゃないか?!の勢いで日々連絡が来るので、スーツケースも
出していない自分としては、気ばかり焦るのだ。

さて、御年81歳の母、好奇心は人一倍強く、胃袋も私なんかより丈夫で早朝の空港で
ソフトクリームを食べちゃう人なのだが、いかんせん足腰は自分ほど強くない。

「そろりそろり」程度の歩みで母が進むことを考えて旅せねばと思っている。

さて、どんな旅になるんだか。私が懐かしさのあまり母置き去りにして
暴走せぬよう、自分こそ「そろりそろり」の心持ちで動こうと、一週間前になって
ようやく心に誓ったりするのです。

9月30日 ニホンコン

追記:香港は帰国後も幾度か渡航。いつか仕事で香港に戻ると誓って数年後、
MALICE MIZER(マリスミゼル)というビジュアル系バンドのメンバーだったGacktが
ソロで活動するとなった第一弾のシングル、「Anotherworld」の撮影スタッフで
1週間行っていたのがいい思い出。

映画みたいな構成ですが、朝から夜中まで毎日撮影していたあの頃を、映画みたいに覚えてます。


ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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