言葉の力を信じてる
ニホンコンです。
感動することが、ここ数日で立て続けにありました。
その中で、やっぱり言葉の持つ力と、それを放つ人の思いってものを
目の当たりにしました。

同級生が結婚しました。なんと結婚式参列なんてン十年ぶり。ご祝儀ビンボー!時代は
通り越して、今は「お金払ってもいいから祝いたい」もの。
さすがこの年の結婚式、仕事の付き合いもとっても多く、政治家やら大手企業の重役
などが唸るようなスピーチをしていく中、同じテーブルの「新婦の旧友」のスピーチとなった。
「そうそうたるVIPの中で自分がスピーチをするのは・・」という出だしで始まったスピーチは、
彼女の決して出しゃばらない、たおやかな性格をよく表していたけど、手紙を持つ手が小刻みに
震えるのを見て、その緊張のほどがうかがわれる。
ゆっくりと始まったスピ―チは、学生時代の出会いから始まる学び舎での思い出エピソード。
会場が全員彼女のスピーチに引き込まれていくのが分かる。
それは、会場の中でも彼女しか知らない、学生時代の景色をありありと伝えてくれたり、
近くにいる親友だからこそ見える、彼女のウィークポイントや取り扱い方法など、
愛情たっぷりに伝えてくれたから、というのもある。
それよりも、何の奇のてらいもなく、カッコつけることもなく、何の脚色もない
「そのまんまの思い出」と素直な彼女の思いを言葉に乗せていたことが何よりも良かった。
スピーチは本が出ているくらい、技術だの話術だのと言われるけど、そんなものは
あっさりと飛び越えるくらいの、ピュアで、正直で、着飾らない言葉たちに、会場は
飲まれ、私を含む誰も彼もが、割れんばかりの拍手をしました。

もうひとつ。2号の部活では、練習以外に、月曜の夜に有志で集まって練習会をしている。
通称「夜練」。
2年近く続いた夜練も、先日がラストとなった。そんな夜練を見て下さっていた卒業生の
保護者のお母さんに、ありがとうを伝える時間を設けた。スピーチはゴネにゴネられただけど、
この人ぞと思う2人のお母さんにムチャ振りをする。
当日の朝急遽決めた仕切りだったけれど、スマホのメモにしっかり書き溜めて、
それを読み上げてくれた。伝えたい思いの丈が山ほどあったんだろう。その場で
パッと言えるほどの熱量や時間ではなかったことが容易に想像がつく。
涙ながらに話す姿と、彼女たちから紡ぎだされる言葉の数々。結婚式と同様、
本当に心からの言葉だったことが、会場の涙を誘いに誘っていた。
2人に共通するのは
「スピーチは得意ではない」と謙遜気味だったこと。後者に限ってはニホンコンに
お鉢が回ってきそうになるくらいゴネられたのだけれど、後から「本当に自分じゃなくて
良かった」と胸を撫でおろしたほど。
いずれも、得意ではない、というだけに、すっごくすっごく考えたんだろう。
だからこそ、最後の最後で出てきた言葉、その純度たるや、もう誰にも叶わないくらいの
真っ直ぐな思いで、人の胸を打つんだと思った。
本を読んだらちょっと素敵なスピーチはできるかもしれない。今やAIに頼んだらそれっぽい
スピーチができるかもしれない。
でも、そうじゃない、「その人の言葉そのもの」こそ、届けるべきものなのではないかと。
言葉の力を信じてる。
私の中で、ダブル優勝のスピーチを聞いた数日間。まだ思い出しては感動してます。

7月15日 ニホンコン