50の節目、伊勢神宮

50歳は、なんだか自分の中でずっしりと。

人生100年時代の折り返しだからかもしれないし、還暦まであと10年だからなのかも
しれない。更には幼い頃の50歳のイメージが、初老の婆さんだったからかもしれない。

孔子は「50にして天命を知る」なんて素敵なことを言ったけど、仕事はまだまだ
足りないところは多いし、プライベートでは子育ての悩みがてんこ盛り。高齢の
親もあちこちイタイと言い出してるなど、心配を挙げればキリがない。

そんな50の節目に、伊勢神宮に行ってきました。

事の発端は

中高6年間、同じ部活で飽きるほど一緒に居た4人組がありまして。卒業してからも
このメンバーで飲んだり遊んだり旅行したりしながら今に至ります。

今年のお正月、たまたま集まれた3人で飲みながら50の節目だからどっかいこうよ、となり。
とはいえ、それぞれの居住地は東京神奈川静岡兵庫と、東西へ長く散らばっておりまして。
結果、全員の真ん中あたりに位置する「伊勢神宮」に白羽の矢が当たったワケです。

五十鈴川にて

相変わらずテキトーな面々が、飲みの席でノリだけで決めたような旅。その場にいなかった友人には
「行くから空けといて」と勢いだけで事後報告するという失礼っぷり。

圧倒的佇まいたるや

早朝の参道

50の節目やら久々の4人旅やらで何がメインなんだか分からないのだけど、伊勢神宮は
圧倒的に素晴らしかったな。

もう、ところどころに神様がまつられていて、荘厳・神聖・厳格という、一言で言い表せない
空気。早朝参拝では、神様に仕える人たちが行進している姿を写真厳禁の中見守りながら
背筋がピーンとするような気持ちになったり。

20年に一度神様がお引越しをする式年遷宮の話を聞きながら、ここを守るために何千年もの間、
想像もつかないくらいの神事の数々を行っているんだなと。

これまで、いろんな神社やお参りには行ったことがあるけれど、伊勢神宮は別格オブ別格の
神レベル。ってホントに神なんだけど。

これ、うまく言い表せないので訪れて雰囲気味わってくださいませ。

気が置ける仲なんだか、置けないんだか

13歳の頃からの付き合いである4人組は、お互いの両親も良く知ってるし、これまでの
人生の嬉しいことも悲しいことなどの「パーソナル年表」はだいたい把握している。

それなのに、普段は全く連絡すら取らないし、お互いの誕生日もろくすっぽ覚えていない。
口を開けば揚げ足を取り、嫌がらせまがいのちょっかいを出すという、気が置けるんだか
置けないんだか、もはやよく分からない。

それでも、数年ぶりに集まると、昨日の会話の続きみたいに話が始まるし、何十年も前の
部活ネタを、今日あった出来事みたいに語っては涙が出るほど大爆笑したり。

元気に歩ける足腰とまだ丈夫な胃袋、あとちょっとだけ自由になるお金があることで、
豪華な個室の特急に乗れたり、美味しいものを食べ尽くしたりなど、若い頃にできなかった
スタイルの旅を存分に満喫。

伊勢牛、美味しかったなー
手ごね寿司
赤福氷、氷の中に赤福が入ってます!お腹イッパイなのに一気食い

「この年にして、全員で集まれたことが良かった」もはやそれに尽きるかと。

かつてティーンエージャーだった私たちは、いいことも大変なことも沢山経験してきた
結果、当時の時分には有りまくって余りあるほどの自意識過剰な自分や未完成の
己に対する不安や葛藤みたいなものが年齢と共に削ぎ落されるという副産物を獲得。

若い時は闇雲に走っていたけど、この年齢に到達したからこそ見える景色を味わっています。

次はどこに行こうかな。早くも出雲大社だとか台湾だとかテキトーな候補ばかり挙がってます。
きっとこのメンバーだと、ある日突然何かの勢いで決まって、その場にいない人に
事後報告がなされると思うと、今からちょっとオッカナイのです。

6月10日 ニホンコン

追記:帰りはそれぞれの新幹線に乗り込むべく、また会おうねもないまま
さっさと駆け足で改札を抜けていくという、あっさり且つ失礼な別れ際(笑)

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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