平和な西の果てで。

おはこんばんちは。飯塚です。

先日はセントパトリックスデーでした。

アイルランド人にとっての大切なお祭りの日。私達も毎年恒例の村のパレードに参加してきました。

夫と娘がパレードに駆り出されて笑える。

揺れない国に住んでいます。

先週、東日本大震災の話を書きました。

アイルランドは地震がない。

火山もない、雪も降らない、夏も猛暑にならない、いわゆるハリケーンや竜巻もない。

強風による倒木で車や家に被害というニュースと最近話題の自然災害と言えば洪水。

特に近年は地球温暖化の影響か降雨量が増え、以前は洪水被害とは無縁の場所も町ごと浸水、というニュースをよく聞くようになった。

家を買うにも洪水が起こるかどうかを考慮する必要がある。

ただ、地震や津波、火山による火砕流、土石流の

「一瞬で全てを失う」

が一般的ではない世界。

東日本大震災の被災地

先週、地震の話を書きながら、自然災害の有無がそこに住む人の価値観の根底にある、というのを改めて考えて。

我が家の11歳の長男も日本の小学校の体験入学で初めてやった「防災訓練」に驚き、初めて手にした防災頭巾を面白がった。

地震がない国で、耐震構造とか、防災訓練なんかない。

自然災害で有名なところだとトルコの地震、中国の四川地方、イタリアのポンペイの火山、アイスランドの火山、ハワイの火山、サンフランシスコの地震、ネパールの地震。

火山の噴火で埋没された南イタリアのポンペイ
昔、四川省を経由してチベット自治区に行きました。

ヨーロッパの主要な大陸は基本的に自然災害とは無縁で穏やか。

遠藤周作の「沈黙」やディズニープラスで配信された真田広之さんの「Shogun」を観ても必ず描かれる、日本人の自然に対する畏怖。

マーティン・スコセッシの映画「Silence 」でも「太陽を崇める日本人にキリスト教は敵わない」と嘆く場面が印象に残る。

「Shogun」では戦の最中に大地震が起こり大混乱に陥る。

地震や火山の自然災害は、それまで築き上げた全てを一瞬で破壊する。

どんなに立派な城も揺れには敵わず津波は町ごと飲み込み全てを失う。

我々人間にはなす術もない。

一方で温泉や地熱の恩恵をありがたがり、魚介類や海藻の恵みで食生活が成り立つ。港に人は集まり海辺は発展する。

自然への畏怖がある国の宗教、文化が欧米と違う。

ヨーロッパの「人を殺さない、生活を破壊しない自然」の中で生活していると、

「人間は全てを支配できる」

などと傲慢になるのではないか、とも思う。人間が地球の頂点にいて全てをコントロールできる錯覚に陥るのは仕方ないのかもしれない。その生活が破壊されることはないのだから。

宗教学者や哲学者が散々説いてきたであろう、人間の価値観、宗教観の違い。

日本にいたら全くわからなかった感覚を、揺れない西の果てにいることで実感しています。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。