その人達の胸の内は。

おはこんばんちは。飯塚です。

連日ウクライナのニュースを見ています。

10年前、鉄道で旅したポーランド、ブタペストからキエフ、キエフからモルドバ。

賑やかだった駅のホームや静かな車内が今は別世界。

車窓の景色をぼんやり眺めた旅がいかに平和だったか。

子供や赤児を抱えて電車に乗り込む女性達。極寒の中で長距離を歩き、やっと電車やバスにたどり着く。

ブタペストからキエフの夜行列車で撮った朝焼け

あまりの過酷さに言葉も出ません。

現時点で200万人の避難民だそうですが、まだまだ増えるはず。

今は近隣諸国が受け体制をしていますが、時期を見てヨーロッパ各国に行くことに。

アイルランドにも2週間でウクライナから20万人の避難民受け入れが始まります。

寄付もスーパーや自治体などあちこちで実施されています。

今、缶詰や水、オムツや日用品の寄付の品々を積んだトラックがフェリー乗り場で渋滞中。トラックはフェリーでフランスに乗り込みそこからポーランドまで陸路で運ばれるのだそうです。

学校でもケーキセールイベントを実施。上級生クラスの生徒たちが家から自家製ケーキやクッキーなどを持ち寄り、それを全生徒、先生が買うのです。

売上金はウクライナに寄付、という仕組み。

我が息子はまだ低学年なので小銭を握って登校し、チョコチップクッキーを買って食べたんだ!と話していました。

また、新聞に載っていた寄付の仕方でウクライナ内のAirbnb に宿泊予約をする、というのもありました。

個人宅でやっている宿に宿泊予約をし、カード支払いをする。

宿泊費をオーナーに寄付するのです。

コメント欄には「もちろん泊まりには行かないからお金をどうぞ使ってください。」と残すのだそう。これは特定の人にしか行かないお金ではありますが世界中から寄付が可能です。

毎回悩ましいのはどこに寄付すれば有効に使ってくれるのか。

また寄付金の何%が運営費なのか、とか。

と同時に、捻くれ者の私は今回疑問に思うこともあります。

確かにウクライナには、寄付も避難民受け入れもするべきだと思う。

でも、なぜ、シリア、アフガニスタンの避難民は受けれ入れず、ウイグルの迫害やアフリカの飢餓を西側諸国は無視し続けるのか。

これってやっぱり、白人至上主義あるよね?

私自身、この国では差別をされる側のアジア人だからなのか、余計にこの点に疑問符がつくのです。

ヨーロッパの人ってさ、ちょっと偽善者じゃない?

白人しか助ける気ないよね。

去年のアフガニスタンだって、タリバンに乗っ取られて大混乱してたじゃん。

あれだって救済するべきなのに、移民受け入れよう、とかなかったよね?
きっと台湾が中国に乗っ取られてもウクライナに対する救済措置を欧米諸国はしないよね?

などとアイリッシュの夫に問う訳です。

夫は説明します。

そうだよ、平等じゃないよ。

だってイスラム教の人はやっぱり来てほしくないからね。

あの人達、やっぱり違うじゃん。

それにさ、シリアやアフガニスタンから来る移民は女性や子供は殆どいないんだよ。

TVは女子供写すけど実際に難民のボートの映像見てみなよ。男ばっかりだよ。

あの辺りから来る移民はほぼ20代、30代の男性。

あの人達は紛争難民じゃない。

もっといい人生を送りたい、ってヨーロッパに来るんだ。

もちろん、その気持ちはわかるけどさ。

来たところで市民権もないし仕事もない。言葉も話せない。だから孤立する。

それで犯罪を犯すんだよ。実際移民がいるエリアは犯罪率は上がっているんだから。

そんな人に来て欲しくないだろ。

でもウクライナ人は違うんだよ。

あの人達はある日いきなり国を乗っ取られそうになって避難してる。

でも、今回は男はいないんだ。18歳から60歳の男は国に残って戦わないといけない。

今回の避難民は女性。お母さんが子供達を引き連れて避難してる。

息子やお父さんと生き別れて。

独身の若い男性移民だと何されるかわからないから受け入れたくない。

でも女性と子供達なら自分達の生活に危害が及ぶ可能性は低い。

だからヨーロッパ諸国は受け入れるんだよ。

そして今やプーチンはわかりやすい敵。独裁者。その被害者に肩入れするのは当たり前でしょ。

と。

なるほど。
確かにね。

私、わりとドキュメンタリーが好きでBBCの移民のドキュメンタリーシリーズを一時期観ていたのです。

シリアやアフガニスタンから来た若い男性、撮影クルーが追う人は真面目で人生を応援したくなるようなひたむきさがありました。

ただ、そんな人達でも集団でいるとやっぱり怖いな、治安悪くなりそうだな、我が家の周りをうろうろされるのは嫌だな、と思うのです。

モロッコのシェフシャオウェン。街が全部青色。モロッコは男性同伴での旅をお勧めします。

また、モロッコやチュニジア、インドを旅した時に強烈に違和感を抱いた現地男性の女性蔑視感。

特に、憧れの国だったモロッコで不快指数が高すぎて10日間、一緒に旅したスイス人のマリーナと、

「なんでモロッコ人男性はこんなに嫌な人ばっかりなんだろう。モロッコは女性が自由に歩けないし、レストランやカフェも女同士で行けないなんて気の毒すぎる。モロッコ人に生まれなくてよかった」

みたいな話をよくしました。

旅したくらいでその国をわかった気になり悪口ばかり言うのは失礼かもしれません。

でもね、インドやモロッコの男性、女性旅行者へのセクハラが酷すぎるし、女一人旅は心を鬼にして現地人男性を蹴散らさないとやっていけない。文句くらい言いたくもなる。

もちろん、女性に優しい人や親切な現地人男性もいました。

ただ、残念ながら親切な人や良い人は自分から女性旅行者には近付いて来ない。

女性旅行者に自ら話しかけてくるのは残念ながらほぼセクハラ目当て、とあえて言い切ってもいいくらい。

わざと女性蔑視的な嫌がらせをしてきたり、触ったり。後をつけてきたり。

セックス、セックス、セックス…と呟きながらずっと後をつけられて寛容になんてなれる訳が無い。

また、彼らに冷たい態度を取ったり無視すると更に私に憎しみの眼差しを向け、大声で罵られたりしました。

富裕国から旅ができる人間への嫉妬なのか、女のくせに一人で自由を謳歌していることが許せないのか…。

インドやモロッコの男性からの“先進国の女への憎悪”のような感情は根が深く、女性旅行者はストレスが溜まっていき、宿やレストランで知り合った欧米旅行者の男性陣に「こんな酷い目に遭ってる」という話をします。

すると男性旅行者も「マジで中近東の男ってどうしようもねぇなぁ」としか思わず、あからさまに地元男性を見下し始めます。

もうこうなると完全に負のループで地元男性は更に欧米人旅行者に憎悪しか抱かず嫌がらせをする。

こういうの、ヨーロッパでもアフリカでも南米でもなかったんです。

きっと日本でも韓国でもタイでもない。

モロッコとインドで起きた現象。

そんな人達と日々戦ったので、2015年にシリアから難民がヨーロッパに大挙して押し寄せた時、興味深くニュースを見ていました。

中近東の男女差の感覚を身につけた成人男性はヨーロッパの社会でどう順応するんだろう。

あの調子でヨーロッパにいたらまず受け入れてもらえないよね、と。

結果的にはイギリスがEUから抜け、ヨーロッパ諸国で移民排斥や極右政党が支持されるようになり。

ドイツに住む友人も、2015年以後に近所に移民シェルターができ、暇を持て余した中近東の男性が町を彷徨き始めたため、治安が悪くなったと嘆いていました。

近所のスーパーは度々強盗に遭い、彼女もジョギングに出られなくなったと。

私達の住む世界は単純ではない。

人類皆兄弟とか人間は皆平等だとか、今どき子供にだっていう気にもならない。

私も中近東の若い男性5人とウクライナ人の女性と子供5人、どちらか隣人に選べと言われたら迷わず後者を選びます。

ただ、欧米に移民排斥と拒否された人達やアフリカの内戦で住む家を追われている人達は、ウクライナ人だけが温かく迎え入れられているニュースをどんな気持ちで見ているのだろう、とも思うのです。

それは海で溺れている黒人、中近東の人には助けが来ずにウクライナ人にのみ浮き輪が投げられるような感覚なのかもしれない、と。

これを機に、彼らは更に欧米諸国に憎悪を抱きそうでそれも怖い。

2週間前に突如として難民になったウクライナの人達が1日も早く安心して暮らせる環境に落ち着く事を祈ります。

と、同時にアフリカやアフガニスタン、ウイグルの市民の人々も一日でも早く報われますようにと、子供達にはその現実や今私たちがいかに恵まれた暮らしをしているか、も話しています。

インドのケララ州。魚取り網です。実は南インドではセクハラはほとんどされていない。北インドと南インドは別世界。南インドは楽園。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。