繋がる世界。

おはこんばんちは。飯塚です。

5月、新緑が眩しい今日この頃。

アイルランドは天気さえよければ最高の季節と言ってもいいかもしれません。

晴れて気温も上がり、日に日に日照時間が長くなり誰もが活発さを増します。

アイリッシュは夏が大好き。
夏休みどこ行く?という話題で持ちきりです。

ラジオは三年ぶりの音楽フェスの話題を報じています。

まだ夏の予定は決まっていない我が家。

さて、どうなることか。

あれもこれも高くなった。

ロシアがウクライナを責めてから、2カ月以上が経ちました。

ニュースも新聞もコロナからウクライナ情勢に急変。

エネルギー資源の高騰や小麦粉などの供給不安から物価の上昇が止まりません。

私は週に一度、車で15分の町に買い出しに行きます。

たいてい同じ品を毎週。

またトイレットペーパーやシャンプー、調味料などはストックが切れる前に買うのですが、昨年までは一回につき€100前後だったのがここ最近では毎週€130になる。ほとんどの商品が値上がりしているのです。

今週の買い出しは少なめ。

食べ物は30セント、物によっては€1の微妙な上がり方。ただ、大量に買うと合計金額で、あれ?こんなにする?と。

顔見知りのレジの店員さんも

「今までレシート要らないって言ってた人達がレシート欲しがるようになったの。で、会計終わってからレシート見直すのよ。スタッフが間違えてると思うのよね、金額が今までより高くなってるから。私達は間違えてないのよ、商品が値上がりしてるんだから」と。

ホンット、よくわかる!私も最近は毎回、え?これ、おかしくない?って支払いの時に金額二度見してレシートをやっぱり確認しています。

この流れ、しばらく続きそうですね。

まさかあの時にこの変化が起こるとは予想もできず。

ロシアがウクライナ侵攻してからウクライナ避難民の報道がしばらく続きました。

侵攻が始まった頃はまさかヨーロッパ西果ての田舎の村に変化が起こるなど予想も出来ませんでした。

それが、アイルランド政府がウクライナ避難民受け入れを表明し、全国各地で避難民割り当てをしている、とニュースや新聞で聞くようになり。

4月初旬、基本的に車しか通らない道に大勢の女性と子供達が列をなして歩いているではないですか。

見慣れない人達に住民の関心は集まり。

小さな村では噂話は光の速度で広がります。

村の外れにあるホリデービレッジにウクライナ人120人が住み始めたらしい、と。

このホリデービレッジ、村の中心地から2km位離れていて、施設内にゴルフ場、ゴーカート、テニスコート、プール、ゲームセンター、レストランなども備えています。

宿泊施設は一軒家タイプ。キッチンも付いているのでホテルよりは避難民家族の生活に適している。

人口5000人の村に120人の避難民。

よそもの集団はやはり目立ちます。しかしほとんど女性と子供達。

男性は国に残ってお母さんが子供達を連れてここまで来たのか…。

新聞やニュースの日々の報道を知れば知るほど、かける言葉が見つからなくなる。

アイリッシュとウクライナ人、同じ白人とはいえ、どこか見た目が違います。

美女の産地として有名なウクライナ。

二度見、というよりはずっと見ていたくなるような超絶美女率が高い。

村唯一のスーパーに、今まで見た事ないモデルみたいな美女集団が謎の言語(ウクライナ語)話していて、静かな村が華やいでいます。

スーパーではウクライナ人数人を雇用もし始め、英語が堪能なウクライナ人スタッフが同じく避難民のお客さんに通訳しながら買い物対応する姿が見られます。

私もウクライナを旅した際に実感しましたが、ウクライナ人は英語が基本的に苦手。

建設業の友人の職場にもウクライナ人が配属された物のの、英語が出来ないので仕事を教えるのも大変なのだそう。

新聞でもアイルランド各地に来たウクライナ人が言葉に苦労しながら生活を始めている、と報じられています。

近所のスーパーでウクライナ人用の食品も売り出し始めた。東欧では一般的な餃子的な冷凍食品。今度私も買ってみよう。

学校にも変化が。

4月初旬には、7歳の息子1号が学校帰りに興奮気味に

「僕のクラスにウクライナ人の男の子が来るんだよ!イースターホリデー明けに転入するんだって。」

あぁ、あそこに住み始めたウクライナ人の子供が来るんだな。

ウクライナに二年住んでいた夫は

「英語話せないかもしれないなぁ、優しくして迎えてあげるんだよ」と言う。

息子も「先生もそう言ってた。あと戦争とか爆弾みたいな事は言ってはいけない、って言われた。」
そしてイースターホリデー明け。

ウクライナ人の男の子が入って来たかと思ったら、連日新しいウクライナ人が増え続けるではありませんか。

毎朝、校門前に見慣れない親子が集まるのです。
幼稚園も同様に連日新しい子が増えています。

子供達の話を聞くと、新しい子達のほとんどはウクライナ語しか話せないようです。

それでも子供達は一緒に遊ぶのだそう。

幼稚園も同様に連日新しい子が増えています。

英語を話せない子達には先生達はスマホの翻訳アプリを使って対応。

先生達にも大きなチャレンジです。
息子1号のクラス、イースターホリデーが明けて数日で17人だった生徒数が24人にまでなりました。7人ものウクライナ人が来たのです。

元々小さな学校。

三学年が1つのクラスにいたのですが、急に人が増えた事で、クラス編成も変わる事に。

ニ学年編成にする、というニュースに息子1号は大喜び。
新しいクラス編成だと息子1号の仲良し男児達と同じクラスになるのです。

息子の話によるとクラス再編成、更に異言語の生徒増加に伴い新任教諭も配属されたとの事。

田舎の小さな学校にとって、言語の異なる生徒が一気に増加する事は大変なはず。

新しい制服に身を包んだウクライナの子供達は笑顔で学校に来ています。

また、ホリデービレッジから学校と幼稚園の送迎は地元のボランティアさんたちが車を出して対応。

そうだよなぁ、歩けない距離ではないけど、歩道もなくカーブが続く道を子供達が歩くのは危険すぎる。車で学校に来られているなら安心。

西果ての小さな村に起きている、大きな変化。

そしてこれはおそらくヨーロッパ中で起きている事。

突然国を追われて新天地で生活を送る人達が少しでも心の平安を取り戻せますように。

そんな思いで、多くの人達が避難民受け入れに携わっています。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。