西果てにて春の行楽。

おはこんばんちは。飯塚です。

日本はゴールデンウィークなんですね。

実は祝日が多い日本。アイルランドでは祝日はとても少ないと感じます。

とはいえ、夏休みは長すぎる気もしますが。相殺すると日本と同じくらいなのかなぁ…。

目的でもない限り都会には行かない我が家。

実は私達も二週間前のアイルランドの春休み、イースターホリデーでした。

日本大使館に子供達のパスポートを受領するため首都ダブリンに子連れで初めて行きました。

片道三時間のドライブ、せっかくだし一泊二日で動物園やお城にも寄ろうと緩く計画。

出発前、なんとなくあるツイートが目に入りました。

その内容は

子供の頃、家族旅行が嫌いだった。家族旅行に行くと父親は一人でどんどん先を歩き、何かあると両親は喧嘩ばかり。家族旅行で楽しい思い出なんかない。覚えているのは両親の喧嘩、そして早く帰りたい、という自分の気持ち。

このツイートに、わかる、うちもそうでした。わたしだけじゃなかったんだ、家族旅行嫌いでした、などのコメントが続き。

あー、なんとなくわかる。

うちの親は喧嘩はしなかったし家族旅行は楽しかったけど、子供のころの嫌な瞬間の記憶の残り方に妙に納得してしまい。

しかもこれって恐らく親は喧嘩なんて覚えてなくて、むしろ旅行に連れて行ってやった、みたいな思い出なんだろうな。

子供と親の記憶違い。

夫も私も短気なので気をつけなきゃ、などと思ったのでした。

旅は楽しく。

天気予報は二日とも良さげ。ラッキー!

出発の朝は気合いを入れて本気朝ごはん。

日本人なら胸焼け必須なアイリッシュブレックファーストで腹ごしらえ。

トースト、卵、ソーセージ、豚の血で出来たブラックプディングというソーセージなどが揃った肉満載な朝ごはん。サラダやフルーツはないし要求すると嫌われますので日本人は注意が必要です(経験者)。

荷物も積んだ、ダブリンに向けてレッツゴー!

長距離ドライブが嫌いな子供達、

あと何分?って何回聞いてきただろう。

平坦な高速の道は車窓の景色は牧場ばかり。

出発から三時間近くつき、ナビを起動して今日のお宿、友人の家から最寄りの駅の駐車場に車を停める。

都心の動物園の駐車場は小さいらしい。

駐車券を取りに行った夫は不機嫌そうに車に戻ってきた。

「この駐車場はスマホにアプリをダウンロードしてそこからしか支払いができないらしい!俺みたいにスマホを持たない人間はどうすりゃあいいんだ?とにかくダウンロードしてくれる?」

えー、そんな面倒くさいのか。

駐車場のアプリを検索しても全く見つからない。

おかしいな、券売機にQRコードあるか見てこよう。

これ普通にコイン使えるじゃん。アプリの支払いは割引きの話だよ。

ヤバいな、田舎者の夫は都会の駐車場の券売機にすらテンパってる。

車に戻って夫に、

「お金普通に使えるじゃん。テクノロジーの問題じゃなくてあんたの問題でしょ」

お互いぶつぶつ文句言いながらも、喧嘩はしないように。

Twitterの誰かの苦い思い出は私にはいい忠告だ。

やっと全員で車を降りて駅に。

チケットを買い、プラットフォームで電車を待つ。二年ぶりの電車に乗る男児二人の興奮は既にピーク!

運悪く電車は遅れているようで30分近く待つ。反対側のプラットフォームしかない小さな駅。

男児達はプラットフォームを繋ぐ橋を渡ったり少し走り回る。

ずっと車に乗っていたのでエネルギーが有り余っているのだ。

頭のいい人、どうか子供のエネルギーを電気に変換できる機械を開発してください。

電車に乗り、家族で座れるシートを見つける。

家族でこんな風に電車乗るのは3年半前の日本以来

車窓の景色はアパートや住宅地。またどこもかしこも建設ラッシュ。ニュースでは聞いていたけど、なるほど。素人目にもわかる。

都会の住宅事情、我々の住まいとは違いすぎる。

都会人の休日1日体験。

駅から動物園へは徒歩20分。通り抜ける公園の桜が満開!チューリップが綺麗!芝生でピクニックを楽しむ人達。

いいなぁ、ここならお花見できるじゃん!

初めて来たダブリンの憩いの公園。

晴れてて気持ちいい!

到着した動物園。

やっぱり混んでるなぁ。とにかく凄い人だかり。

繁忙期に来てしまった私達。

時計は2時。空腹が身体を支配する。

レストランの表示を見つけて入り並び、ピザを注文。

20分かかると言われ、夫は子供達を連れて園内を見に行き、私は番号札を持ち席を取る。

お昼時間は過ぎているので、空いてるテーブルが多いものの、番号札を持ちながら待ちくたびれている人多数。

店員の姿はほとんど見かけない。

嫌な予感。

子供達と夫が席に来た。子供達、興奮混じりに、

「ナマケモノがいたよ!全然動かなかった。」「オランウータンも初めて見た!」

などと言う。

「お腹空いたー、ピザまだ?」

「まだ来ないんだよね、結構かかるよ、これ。さっき30分も待ってるって怒っているお客さんいたから。」

赤児を抱きながら注文した場所をなんとなく見に行くと、私の番号札のピザがもう出来てる。

ただ、運ぶ店員が見当たらない。今、アイルランドはどこもスタッフ不足が社会問題になっている、とはよく聞くけどこの事かぁ。

夫を呼びに行き、ピザを持って来てもらう。2枚を4人であっと言う間に平らげて、いざ園内へ。

早速、象を発見。私達の近くの動物園には象がいない。

子供達、ほぼ初めて見る象。大きいね、結構いっぱいいる。

象のうんち、大きい!
うんちばっかりある!
男児はうんちが大好きです。

ペンギン、トラ、ライオン、サル、レッサーパンダ。
我が家から近い動物園で既に見ている動物には反応が薄い我が子達。

おカピは初めて見たね。

出産ラッシュの春。猿の赤ちゃんの可愛いことよ。うちの赤児とどっちが可愛いかな?毎回こんな話してる。

たぶん野鳥の親子です。2羽の雛達、大きくなっってねー。

我が家の近くにも住むアザラシ。

ボートからはたまに見かけるけど、動物園の水槽の中から泳いでる姿が見えるのはまた全然違う。しばらく水槽前に貼り付く。

水中のアザラシが見えるのが動物園のいいところ。

園内をほとんど見つくした頃、野生のリスが私達の近くの木を登る。
「リスだ!」
ダブリンの住宅地には結構いるらしいリス。そういえばイギリスに留学していた時もリスはあちこちにいた。

私達の生活圏ではほぼ見かけない。田舎にはあまりいないのかな?

息子2号、動物園で見たので一番良かったのはリス、とか言い出すんだろうな。

子供の思い出は大人の意図通りではないのが常。

歩くことができない我が子達。

電車の時間に合わせてまた駅まで歩く。

今回改めて気付いたけど、うちの子達、真っ直ぐ歩く事が出来ません。

プシュ!などと言いながら銃で撃つふりをし両手を広げて竹とんぼみたいにクルクル回りながら走るの、やめてー!

田舎でのびのび育っている男児達、都会では規格外。
ご迷惑をおかけしてすみません、おのぼりさんなんです。しばらく都会には来ませんので。

ま、日本も一緒ですね。

東京なんて本当に人の混み方が違うから道ゆく人のマナーが良い。田舎の人は横に広がって歩くアレ。

私らすっかりそっち側。気をつけなきゃ。

ちなみにこの日の私の歩数は18000歩。ここ最近の新記録。やっぱり都会の生活って歩くよなぁ。

私の今の田舎生活で頑張ったところで15000歩超えることはほぼない。

早くまたジョギング再開したいなぁ。

セレブな友人宅で子供達を虜にしたもの。

宿泊先の友人宅は会員制ゴルフクラブの中にあるアパート。

ゲートには守衛さんもいてセキュリティーがしっかり。
美しい芝生に点在する彫刻。スプリンクラーの水がキラキラ。

お金持ちの世界に迷い込む田舎者家族。

子なし友人夫婦は弁護士と医薬品の研究職。家自体は広くはないけど二人だからちょうどいい。
スパやプールジムも使い放題なのだそう。優雅な生活、羨ましい〜。

夫の親友。日本にも来たことあり、食べ飲み放題の店に入って10分でビールジョッキ2杯飲んだら店に追い出された!といまだに恨んでいます。確かにおかしいよねぇ。

子供達はこの別世界に大興奮。

中庭の池にはおたまじゃくしが。
男児達、おたまじゃくし取りに夢中。興奮しすぎて夕飯もろくに食べずに外に出たがる。

この黒い小さいのがおたまじゃくし。

暖房がついた家の中、暖かいを通り越して暑いし乾燥している。

朝4時半に目が覚めてしまいぼんやりしていると、同じく朝早く目が覚めてしまった息子2号がムズムズ。

早々と着替えてまだおたまじゃくし遊びをしたいんだそう。
クジラやイルカがたまに見える生活をしているけど、動物の大きさは関係ない。珍しい物だけが子供を夢中にさせるのだ。

朝ごはんをいただき、出発。

お世話になりました、ありがとう。

パスポートを受け取り、いざ観光へ。

大使館の予約時間を逆算時早めに家を出て、都会へGO。

スマホを持たない夫のため、ナビは専ら私のスマホナビ。
もうスマホなしではどこへも行けない身体になってしまった。便利なテクノロジーは人間を無能にする。

大使館で無事パスポート、また小学二年生の教科書もいただきました。

大使館隣のスーパーで。田舎男児達はこのエスカレーターに大興奮。何度も乗り続けて大喜び。

よし、ミッション完了。

さあ、都会を脱出。夫は早く市内を出たくて仕方がないのです。

田舎に行く道すがら観光に。

お昼は高速沿いのハンバーガー。

チーズバーガー、食べかけですみません。

いい加減、日本と比べるのはやめた方がいいのはわかってる。でも、日本のサービスエリアって凄いんですよ。日本人の食の欲求以上の供給が半端ない。

アイルランドは、ハンバーガーか、ピザか、フライドチキンか。
以上。

文句言う人はサンドイッチ持って来て。

今はあちこちにわらびが生えてる。帰ったらわらび で蕎麦食べよう、などと内心思いながらハンバーガーを食べます。

さて、来ましたよ。

お城です。

このお城は昔ケルトオタクの友人(大学時代の先輩、そして会社員時代の取引先)が来た際にまだポンコツドライバーだったわたしの恐怖の運転で来た事があります。

Rock od Cashel という場所です。

男児達は初めて。

丘の上に建つ立派なお城、遠くからもよく見えて大興奮!

到着すると赤児は空腹、車内でご飯を食べさせねばなりません。夫と待ちきれない男児達はお城へGO。

満腹になった赤児を連れて後を追うも、入場口が混み過ぎだし全然進まないので私は散歩をしながら待つ。
男児達はお城を走り回って楽しかったそう。

眺めもいいし、天気良くてよかったねー。

じゃ。次行ってみよう!

また、道中にある洞窟ですよ!

到着し、入場料を払うと、あと5分でツアーが始まるという。
洞窟の入り口で待つと、前のツアーのグループが出てきた。

地下の洞窟。

Mitchelstown cavesという場所です。

急な階段を下るので、落ち着きのない男児達に、ゆっくり行くように声を掛けながら歩く。
今まで見たことがない地下の広くて暗い天然洞窟。映画でしか見たことない世界。男児達、これは好きだよね。
約1時間のツアー、思っていた以上に見応えあり大満足。

さて、帰りますよ。

なかなか充実した二日間でした。子供達も久々の家族旅行は楽しかった様子。

喧嘩もほぼしてないし上出来じゃん。

1時間の運転で家路に着き到着は17時過ぎ。

夫よ、長い運転お疲れ様でした。

男児達の行動はいつも予測不能です。

家に着くなり男児達は庭に駆け出す。
主導は7歳児。

シャベルで穴を掘り洞窟を作るんだそうだ。すごいなぁ…そういう思考なのか。

大きな洞窟の中には部屋があって宿題もそこでやる。

大人は入場禁止。

ねぇ、ガイドさんの説明ちゃんと聞いてた?あの洞窟は天然で出来たもので人は掘ってないんだけどなぁ。

ま、いっか。

この二人、翌朝はまさかの5時半起きで穴掘りをしたのでした。

都会に住んだら穴も掘れない。田舎暮らし、最高!

男児達は家族旅行で新しいインスピレーションを受けたようです。

都会は合わない、なんて事は元々知ってたけど、改めて田舎暮らしが合っているのだ、我が家には。
竹とんぼみたいに走り回り、穴も掘り放題。

そのうち伝説の洞窟も出来るかも。

私はちょっとだけ外食の夢を見たけど幻で終わりました。

次にダブリンに行くのはいつだろう。

子なしで行けるのか、また家族旅行になるのか。

その前に、今回取ったパスポートで日本に行かなきゃ。

子供達のパスポート、子供達は5年

東京や仙台をちゃんと歩かせられるのか不安だけど。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。