日本の小学校体験入学ーご挨拶編ー

おはこんばんちは。飯塚です。

先週から始めました、日本の小学校体験入学の回顧録。先週では3週でレポートと書きましたが、早くもその予定は変更です。

おそらく5週にかけてになるかと。

今週は体験入学に至る手続き諸々の話です。

仙台のお役所仕事はとても温かい。

仙台に着いた翌朝、早速区役所の指定された部署へ。パスポートを持って窓口の方に声をかけるとすぐに所定の用紙が差し出される。

お役所、とはいえにこやかに説明してくださった男性職員。

「アイルランドからですか。体験入学は初めてですか?」

「はい。コロナの影響で四年ぶりの帰国で。体験入学、希望者の方は最近でもいますか?」

「そうですね、さすがにコロナ禍はなかったですけど、夏くらいから増えてますね。帰国出来て良かったですね。お子さんにはいい経験ですよね。楽しまれるといいですね。」

「はい。ありがとうございます」

今回の帰国でこの時以外にも何回か行った仙台区役所。職員の方々とにかく対応が丁寧で温かくて。毎回とてもいい気持ちになれたのでした。

いざ、夢の小学校へ!!

帰宅して学校に電話連絡をし、その日の午後児童が帰ってからのタイミングで挨拶出来ることに。

マスクは親子共に忘れずに、と。

予定時間に合わせて息子1号と家をでる。

前回の投稿で、私が息子の体験入学をさせたいから、と書いたけれど、実は息子自身も長年ずっと夢に見ていた日本の小学校体験入学。

彼は物怖じしないし人見知りしないタイプ。好奇心も旺盛。

我が家から小学校は道をまっすぐ徒歩5分。その道をスキップのような足取りで駆ける8歳児。

小学校に着き受付で名乗ると、先程電話対応してくださった教頭先生と息子のクラスの担任の先生が出迎えてくださった。

教頭先生は担任の先生を紹介し、担任の高橋先生が教室を始め学校を案内。

担任の先生は若い男性教諭。

爽やかで飄々としている。

男性の先生というのがまた息子には嬉しいらしい。アイルランドの学校、男性教諭を見かけることは稀。息子の学校にも女性教諭しかいない。

そのことを先生に話すと逆にとても驚かれた。

息子「ぼく、男の先生初めて!」

と喜びを素直に表す男児に微笑む先生。

私の母校、6年間通った小学校。とはいえ、私のいた頃の面影は皆無。

完全に立て替えた校舎、体育館、プール、校庭、全て当時と位置も変わっていて、いわゆる

「懐かしい〜」という感情は沸かない。

ただし、教室の作りなんかは昔とあまり変わっていない。日本の学校の教室の方がシンプルだなぁ、と息子と話す。

息子の学校は教室も先生のデスクも教材がたくさんあるし、黒板ではなく、コンピューター画面がスクリーンに出て授業をしているのだ。アイルランドの方がハイテクかもな。

先生も子供もお互い驚きの連続。

体験入学児を受け持つのは初めてらしい高橋先生。説明しながらも逆にアイルランドの学校事情にも興味を示しているようで、面白がりながら相互に話をする。

私「学校に送り迎えしているので一人で登下校するのが嬉しいみたいです」

先生「えー、そういうのが楽しみなんですか!」

私「クラスは何人なんですか?」

先生「32人です。」

私「この子の学校は一学年15人くらいで、同じ教室で2学年一緒に勉強するんですよ」

先生「日本でも分校とか地方の学校みたいな感じなんですね。小さい学校なんですね。そっかー、じゃあ授業のしかたも違いますよね。」

息子が楽しみにしているのは学校給食。

配膳台は昔からあまり変わってない。

私「いつも変わり映えしないサンドイッチのお弁当なんで給食が楽しみなんです」

先生「そうですか。好き嫌いはありますかね?二年生だと結構残す子も多くて。ちょっとずつ食べられる種類を増やそう、みたいな段階なんですよ」

献立表が貼ってある。

私「うわ、いいなあ。ミネストローネだって。魚のフライもあるよ。私も給食食べたいくらいだわ。」

息子「毎日違うメニュー良いな。魚のフライ大好き!楽しみ」

日本の小学校の施設の充実ぶりはすごい!

そのまま、理科室や家庭科室、図書室、音楽室を案内。プールも少し覗いて見えた。

二年生は使う機会がないのが残念、理科実験室。
こちらも使うことはないけれど、家庭科室。「ここで料理するの?」と息子は驚き。
図書室あるなんて羨ましい。アイルランドの小学校にはバスの移動図書館がたまにきてくれるそうです。
たくさんの楽器がある音楽室

息子「うわー、いろんな部屋がある」

私「アイルランドの学校ってこういう教室ないんですよね。自分の教室で全てやるみたいで教室に色んな教材がごちゃごちゃあるって感じで。」

先生「え、こういう教室、ないんですか?」

私「プールもないですよ。プールある学校ってあるのかな、聞いた事ないです。」

息子「プール凄い。いいなぁ。」

先生「プールは夏だけだからもう入れないけどね」

やっぱり施設が充実している日本の学校。前から感じていた事を改めて実感させられる。

息子もとても楽しそうだ。

数日で持ち物全て揃えなければ!

時間割表をいただき、登下校時間を聞き、最後は持ち物を確認。

ノート、鉛筆、消しゴム、赤ペン、体操着、この辺りは普通。

マスクもするように。息子はアイルランドでマスクを着用したことはない。

赤青鉛筆、下敷き、上靴、鍵盤ハーモニカ、防災頭巾、掃除用エプロンと三角巾、ハンカチとティッシュ。名札。

これらはアイルランドでは学校に持って行かない。いや、でもハンカチとティッシュって本当は必要だよな、などと改めて思うけど。

下敷きも日本だけの物かなぁ。

先生「今月は避難訓練ありますし防災頭巾揃えて頂きたいのですが。」

息子「防災頭巾って何?」

先生「これだよ。椅子で座布団で使えるんだけど地震の時はこれを頭に被って逃げるんだ」

私「地震はアイルランドにないんですよね。地震あったらこの子凄く驚くかもしれません。」

先生「えー、地震ないんですか!じゃあ、ちょっと大きいのあったら怖いですかね」

必要な物を全てメモ。どこで売ってるかわからない物も多い。とりあえずAmazon検索だな。

最後に保健室の先生から保険料、また実務の先生からは給食費の話で終わるかと思いきや、学校のLINEアカウントと繋がるように、とのこと。

コロナで始まったらしいシステム。サイトに毎朝アクセスして体温や体調を登校前に連絡しなければいけないらしい。

帰る間際に体育館を見に行くとバスケットクラブの子達が練習中。

先生が声をかけると児童達は先生と談笑しながら私と息子を誰だろう、と詮索している。

先生、ご多忙の中、ご丁寧に1時間以上も学校紹介していただいた。

先生「では13日朝にまた受付にお越しください。」

私「お忙しいところありがとうございました。来週からよろしくお願いします。」

帰り道、息子の足取りは更に軽快。

「ぼく、あの先生好き。」

「そうだね、すごく感じの良い先生じゃない。お兄さんって感じの先生だね。良かったね。」

その日のうちにほとんど全てをAmazonで注文、便利な世の中だな。ノートや文房具は週末に文房具店で揃えた。

さあ、いよいよ体験入学が始まるのだ!

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。