ちょっとだけ寂しい春。

おはこんばんちは。飯塚です。

季節による日照時間の違いが顕著な北ヨーロッパ。

冬至辺りは朝8時半でもまだ薄暗く、夕方4時には日暮れだったのが、最近は朝7時過ぎには明るくなり日の入りも6時過ぎに。

季節の移ろいを特に実感できる今日この頃。咲き始めた花々に蜂も飛び回っています。

庭の木に飛び回るクマバチ。

本来なら庭に置いていた蜂の巣箱もまた忙しなくなっていたはずなのにな、と想いを馳せたり。

残念な事に我が家の庭に住み着いていた蜂さん達の巣箱は昨夏、我が家の庭から撤退しました。

蜂が我が家に初めて来た時の事を書いたのは2年前。

それ以来、蜂は我が家の庭の住人でした。忙しなく働く蜂達、真冬以外は常に巣箱の周りを飛び回っていました。

2020年6月8日、蜂が我が家に引っ越してきた瞬間。

旧女王一家のお引っ越し後、巣箱ともお別れ。

昨夏は新しい女王蜂が巣箱内で確立されたらしく、

古い女王蜂とそのご一行様が旅立ちにも運良く立ち会えました。

この日も2年前同様、暖かく天気の良い日で。
土曜日だったのですが、洗濯物を干したりしながら子供達と庭でのんびりとくつろいでいました。
そしたら突然、蜂の大騒音がして。
ほんの5分くらいの出来事。週末、たまたま子供達と庭にいて良かった。
この自然の奇跡的瞬間に立ち会えて、久しぶりに心が震えました。実はこの二週間後、この蜂さん達の巣箱が我が家の庭からお引越しをしていなくなったのですが。

念願の養蜂、夫は続けたかったけれど。

蜂と触れ合わずに養蜂業は出来ません。

蜂の様子や、餌の状態を見るために箱を開けると蜂に総攻撃される。
面白いのが、蜂の巣箱により性格も違うらしく、彼の両親の家の庭に置いていた巣箱の蜂達は穏やかなタイプ。
箱を開けてあれこれしてもあまり刺してこない。
ただ、我が家の蜂箱の蜂達はひとたび箱を開けると総攻撃を仕掛けてくる。

たまに開けて様子を見なければいけません。

もちろん頭からしっかりと宇宙服みたいな防護服は着ても、完全にガードするのは難しいらしく。(というより、中古の服だからあまり性能が良くない)

蜂箱を開けてチェックする間に煙を焚いて蜂たちの攻撃を防ぎます。息子1号、防護服もなくお手伝い中。

夫の手も腕もパンパンに腫れ上がり、アレルギー反応が見られ始めました。
アナフィラキシーが悪化すると最悪の場合死に至る。趣味の養蜂ごときで命を落とすわけにはいかない、と養蜂は諦めることに。
そこへ、運良くご近所の養蜂家さんが蜂箱を回収してくれる事に。蜂箱から採れるハチミツは後日貰うことになりました。

さて、違いがわかるかな?

昨年末、そのハチミツが届けられました。
二種類のハチミツ。

透明のと濁ったの。
さて、では食べ比べよう!
お店のと家のハチミツ二種類。
男児達、張り切ってブラインドティスティングを。

一番わかりやすいのは濁ったの。
口当たりはザラザラしてる。ひとたび口に含むと花の香りが広がります。こんなにも強い花の匂い、味わった事がなくてビックリ。
見た目はお店のと変わらない透明のハチミツ、これも実は瓶を開けた匂いもお店のとは違うし、口当たりはなめらか。
3つ見事に正解!

ミツバチが庭にいる音は好きだったので蜂が飛び回らない春はなんだか物足りないしハチミツを取り出す作業など見たかったな、など心残りは多少ありつつ、本物の味を味わえるだけでもありがたい。
蜂さん達、自然の恵みをありがとう。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。