7歳児の挑戦やいかに。

おはこんばんちは。飯塚です。

こちらは学校が終わり夏休みになりました。来週からは毎年恒例のスイミングキャンプが始まるしで、学校の送り迎えはなくなるけれど忙しくなる。

ちなみに夫はセーリングレースに出るために1週間不在。友達と四日間セーリング三昧な日々を過ごしている。

これは何を意味するかというと、私も1週間自由時間がもらえるという事。

夫、友達と海でヒャッハーな日々。私も自由時間もらうつもりだから全然平気です。

さぁ、どこ行こうかな、せっかくだからパリやロンドン辺りにまた行きたいなー。日本に住むお友達のみなさん、ヨーロッパ旅行をする際はぜひご一報ください。合流して楽しみましょう。(本気)

日本の小学校に行きたくない子をその気にさせて。

息子達、春に18日間日本の小学校の体験入学しました。

五年生の長男は今回で3回目、一年生の次男は二年前に幼稚園にちょっと通ったことがあり。

基本的に英語しか話さない子が日本語をアウトプットするのは日本にいる時だけ。幼稚園で言いたい事もうまく伝えられず歯痒い思いばかりだっただろう。先生達に気遣っていただき友達とも遊べて「楽しい」もありながら「チャレンジ」の方が強かった。

小学校に体験入学は全然乗り気ではなかった。

日本の小学校大好きな兄が加勢して説得し、ランドセルを購入し「形から入り」その気にさせた。

学校初日は4月14日、一年生は前週に入学式をしたばかり。慣れてないのにそこに「体験入学」の子が入っても子供達はなんのこっちゃ、なんだろうな。

初登校、緊張からのストレスでトイレに数分篭る次男。「お腹痛いから行きたくない」あー、またこれか。

日本に行く前や年末のドイツ旅行の嬉しい行事も興奮しすぎてお腹痛くしたり嘔吐する人なのだ。「はい、大丈夫、学校行ったらお腹痛いのは治りますから行きますよ」私は気にせずに連れて行く、慣れって大事よねー。

学校に着き、教頭先生に挨拶をし、すぐ担任の先生に引き継がれる。下駄箱で靴を履き替え、教室に。

アイルランドの学校(病院も)靴の履き替えなどしないから下駄箱はないのです。

クラスで紹介されて席につく。

ほんの少しだけ廊下から教室の様子を見せてもらった。

ふと横を見ると隣のクラスの廊下で男の子が一人肩を震わせ目を真っ赤にしながら泣いている。

どうしたのだろう、まさか一年生で廊下に立たされているの?

私がうろたえながら男の子を見ているところで先生が通りかかる。

「新一年生で先週から始まったばかりなので毎年この時期はまだ慣れない子は泣くんです。教室で泣かれると他の子も気になってしまうので廊下でしばらく泣かせます。私たちが構いすぎるのもよくないので隣にはいないようにして離れたところから様子を見てしばらくして落ち着いたら教室に戻すようにしています」

男の子に聞かれないように囁くように説明してくれた。

そうだったのか。

男の子は心配そうに見ている私に気づき

「なんだよ!見ないでよ!おばさん!」

とでも言いたげに睨みつつも溢れ出る涙を必死に手で拭う。

プライドがあるもんね、ごめんね、じろじろ見ちゃって。慌てて私は目を逸らしその場から離れた。

幼稚園なら先生は泣く子に付き添ってあげるんだろうな、でも小学生はハードル上げないといけないのか、新しい場所はいつだって試練だ。

昼間は日本の友達と、放課後はアイルランドの友達と。

下校時間に学校まで迎えに行くと、先生が子供達を整列させていた。

一年生の最初の2週間は途中まで集団下校なんだそう。

驚くのは小学校に併設されている学童保育に行く子供達の列。家に帰る子よりも学童保育に行く子供達の方が多いのかもしれない。今時、専業主婦は希少なのだ。この点アイルランドも同様。チャイルドケアが高額なので子供が小学校に行くくらいで仕事をする人は多い。

初日を終えた息子に様子を聞く。

「うん!楽しかった。給食美味しかったから全部食べたよ。」

よしよし、無事に乗り切ったか。あとはこのまま続けられたらいいな。

アイルランドでDuolingo という語学サイトでひらがなとカタカナはマスターしておいたのは良かった。始まったばかりの小学校、まだ「勉強」らしい事よりは「塗り絵」や「迷路」などやっている。

普段算数や英語のスペリングをやっている息子には日本の最初の一年生の授業は楽勝でしかも宿題がないのだ!給食は美味しいし最高じゃないか!

お友達もできて毎日まずまず楽しんでいるようだった。

クラスにも毎日泣いている子がいるらしく、普段滅多な事では涙を見せず冷静な次男は先生の手を焼いてはいないらしい。

ま、そうだろうな。この子は赤子の頃から泣かないし周りをよく見て改善策を見つけるのが上手く要領がいい。

夕飯はお寿司と焼き鳥、最高!そりゃ日本に居たくもなりますわ!

学校から帰るとパソコンに向かい、アイルランドの親友ピーターとオンラインゲームをする。ゲームをしながら話したい時は私のスマホでピーターのお父さんにWhatsAppで電話をして話している。

8時間の時差、アイルランドは朝でイースターホリデー中だから学校に行く必要はないからピーターはフリータイム無限なのだった。やっぱり英語の会話は饒舌。日本語はまだまだ使いこなせないのだから当然だ。

昼間は小学校で友達と遊び、夕方はたまにピーターとゲーム、お兄ちゃんのお友達が来たら一緒に遊んでもらうことも。

いいんじゃないか、結構楽しい毎日みたいで私はホッとしていた。

友達家族と水族館にも行けたし。

寝る前に息子達は学校であった事、新しい環境にきて思う本音をポツリポツリと話す。

あれほど小学校に来たくない、と抵抗していた子が

「日本の小学校の方が楽しい。運動場も体育館も大きいしたくさん人がいて楽しい。先生も校長先生も凄く優しい。給食は比べられないくらいに日本がいい。あとは宿題ないの最高すぎ!」

へー、ポジティブな反応でよかった。宿題は何やら一年生には6月からは出るらしい。アイルランドで毎日宿題に嫌気がさしているから日本での宿題免除は嬉しいよね。

「これで日本の小学校にピーターとカヘル、レイティンが居たら最高!文句ないよ」

なんてアイルランドの友達を思い出してもいた。

また、ある時は

「今日はね、二年生の先生に廊下で話しかけられたの。先生はね、「きみは日本語以外の言葉も話すの?英語を話せるの?」って聞かれたから「ぼくは英語が上手で日本語はあまり上手くない」って答えたんだ。そしたら先生は「え?英語は日本語より上手なの?その歳で二つの言葉を完璧に話すなんて頭いいね!」ってビックリしてたよ」

と誇らしげに報告してくれたり。

兄弟揃って「学校の人は皆ぼくの事知ってて声をかけてくれる」

と嬉しそう。日本の学校だとお客様扱いでチヤホヤされて楽しいんだろうな。

いつも遊ぶお友達も出来て順調で「アイルランドに帰りたくない」なんてこぼす日々。

教室に通う最終日は学校まで迎えに行った。

クラスで一番仲良しになったK君、学校からの分岐点で

「Hくーん!アイルランドに行っても元気でねー」と叫びながらずーっと手をぶんぶん振ってくれていた。わりといつも冷めている息子もずっと後ろを振り返りながらちょっとずつ歩みを進めて帰る。

「あの子がお友達なんだね?仲良く出来てよかったね。また来たら会えるといいね」

転勤族が多い仙台。私の中心地に近いこの地区は転勤族の割合が高いと聞くから二年後会えるかどうかはわからない。

アイルランドの運動会、保護者は呼ばれません。

子供達の小学校最終日は運動会。学校では運動会の練習を連日しているという。

息子の体操服はアイルランドで着ているサッカーのユニフォームでいいかと思っていたけれど、運動会もあるならやっぱり体操服必要だね、となったりして急遽購入。

運動会、子供達は張り切って運動着で出かける。私達が観にくる事を楽しみにして。

アイルランドの運動会、親は招待されないので日本の運動会はもっと「特別感」がある。

全学年の徒競走をやり、高学年はリレーを、そして各学年毎に踊り系の発表がある。

子供達はずっとその練習を学校でやってきた。

一年生は「チェッチェッコリ」に合わせた踊りと玉入れだった。「チェッチェッコリ」ってアイルランド人知らないだろうなー。なんで日本でこんな多用されているんだろう。

調べたらガーナの曲なんですって。

おしりふりふりダンス、可愛いなぁ。ついこの間まで幼稚園児だった子達だもん、まだ「可愛い」って言えるよね。

3クラス対抗の玉入れは惜しくも2位。

一生懸命走った徒競走も2位だった。

全てが終わり、先生に挨拶をして記念写真を撮り、さよならをする。

仲良くなったK君は別れに涙を流していたらしい。仲良くしてくれてありがとう。

一年生体験入学18日間、とても良い経験になりました。

息子に

「運動会の練習とか学校で何回もするの、どう思う?」

と聞いてみると

「たくさん準備して大きな形にして家族に見せるの、ぼくは楽しかった。アイルランドの運動会より楽しい!」

とのことでした。

最後は寄せ書きもいただき、本人も「また来たいな、またみんなに会いたいな」とモチベーションになるのはありがたい。

可愛い一年生、今は宿題も出ているのか。廊下で涙していたあの子は今は笑顔で登校しているのだろうか。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。

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