こっちの水も甘かった。

おはこんばんちは。飯塚です。

気がつけばもうすぐ8月。

夏休みも折り返しあと1ヵ月となりました。

しっかりと夏を満喫してます。

私の子供時代の夏休みの思い出といえば、山中湖。

実家は仙台で宿泊業を営んでおり、夏休みは掻き入れ時。両親はこの時ばかりは休めない。

夏休みに家族旅行が出来ないため、我々兄弟は母方の実家の東京や伯母のいる千葉の我孫子市で過ごすことが多かった。

数年に一度は従兄弟達と山中湖の貸別荘で過ごしカブトムシを採ったり、夜は花火をしたり。

山中湖や河口湖、大人になってからも何度か行きましたが、私にとっては子供時代の夏休みの思い出の場所。

いつか自分の子供達も連れて行きたい大好きな場所。

去年の最高の思い出、今年も再び。

先週は湖でボート泊の家族旅行をしました。

ちなみに先週もボートの事を書きましたが、今回のは夫所有の安物ボートではありません。

夫のお金持ちの友人所有の立派なボート。ソファーにキッチン、トイレとシャワー、ベッドスペースも二つある、快適に寝泊まりできるボート。キャンピングカー的な要素を兼ね備えたボートです。

去年もこのボートをお借りして家族旅行したのです。

奥に見えるのはメインベッドルーム。運転席の下にはトイレ、反対側は小さなベッドスペースがある。

あれ以来、子供達は「あのボート旅行楽しかった〜」と、事ある毎に話していて。

7歳児と4歳児の人生で一番楽しかった思い出、と言い切れる旅でした。

またこの夏もボートを借りられる事になっていると夫は話していたものの、実現しなかった場合を考慮し、子供達には秘密にしていました。

先週月曜日、夫が突然、

「水曜日から週末の予定は全てキャンセルしてまたボート旅行に行くぞ!」
と。

男児達は大騒ぎ。

前回お借りしたボート、今回の場所はもっと北に停泊しているのだそう。

前は車で2時間だったのが、今回は4時間以上かかると言う。

長時間ドライブが嫌いな男児達はテンション下がりつつも楽しみの方が断然強い。

興奮が止まらない!

事情がわからない赤児にはストレスばかり!

荷造りは洋服にちょっとしたキッチン用具、水泳道具一式、ライフジャケットなど。

そして、この旅のためにオーダーしたある物も前日無事に配達され。

出発日、朝ご飯は肉満載のアイリッシュブレックファーストで腹ごしらえ。ガッツリ食べて長旅に備えます。

車の上にはカヌーを載せ、オールは車内に積み準備完了。

去年はバックシートに男児二人だったのが今年はプラスワン。

4時間の長旅に耐えてくれ〜。

赤児は割と長いこと寝てくれましたが、目が覚めてもまだ車内。ドライブは終わらない。

お腹も空く。何かと頼りになる息子1号はヨーグルトなど食べさせてくれ、遊んでくれてなんとか4時間半もたせてくれた。グッジョブ、1号!

今回の旅、昨年と同じボート泊ながら色々違いがあり。

間もなく一歳、ハイハイと伝い歩きがしたい動き盛りの赤児を連れての長旅はやはり昨年とは全然違った。

メインベッドルームの鏡にへばりついて遊ぶ赤児。このベッドも高さがあるからここから落ちたら大変。目が離せない。

特に初日は長時間の車運転に痺れをきらしたのか、その後は不機嫌極まりなく、しかもボート内は急な階段がある。

たったの三段とはいえ、硬い床に頭から落ちたら大変。

外のデッキの階段も登ってしまうとそのまま湖に落ちる。

赤児は着心地の悪いライフジャケットが大嫌いで着せるとギャン泣きする。

狭いボート内なのに赤児から目が離せない現実を知り、先が思いやられた初日。

事情がわからない赤児からすれば

「長旅でこんな乗り物に寝泊まりするなんて聞いてないよー!いつ家に帰れるのーー!」

なんだろうな。ええ、大人は自分勝手な生き物ですよ。付き合わせて悪いねぇ。

しかし、翌日からは赤児も兄貴達につられて非日常を楽しみ始め、俄然いいムードに。

ま、初日は4時間半の車がこたえたのよね、そりゃそうだ。

散らかすのが赤児の仕事です。

リラックスしながらもアドベンチャー。

前回は昼間はボートであちこち移動しつつ、夜は同じ停泊場に戻る毎日だった。

今回、初日は別の停泊場に泊まりキャンプサイト周辺を散策できたり、後半二泊は町からすぐの停泊場にボートを停め町歩きを楽しめた。

この木なんの木?

外食したり、ケーキやウクレレ買ったり。

鴨のローストを食べました。お肉の下にはマッシュポテトが隠れています。
食の先進国の日本からすれば、「え?このレベルのケーキ屋で小躍りするの?」なんでしょうけど、田舎の町でこのレベルのケーキ屋は実はなかなかないのだ、アイルランド。店の雰囲気も店員さんも感じ良かった!
シュークリーム、パバロバ(って日本じゃメジャーではない。確かニュージーランドのケーキ)、ブルーベリーのケーキ、ガトーショコラ。どれも甘さ控えめで美味しかった。レモンタルトとコロネも買いたかったなー。またこの町きたら買いに行きます。

停泊場の町は小さいながらも町も可愛らしく、人々もとにかく感じがいい。

旅行者を歓迎している雰囲気をどこでも感じられ改めて実感するアイリッシュの温かさと優しさ。

10年前、夫と出会う前にアイルランドを一人旅した時にも強烈に印象に残った感覚、今でも変わらない。

前回と同様、夫と息子達は朝ごはん食べた後や昼間も停泊場で1時間半ほどカヌーを出すのが日課。

大きなボートではいけない細い水路をゆったり進み、見た事がないトンボなどを発見したと興奮気味に報告してくれたり。

朝ご飯の後は1時間半のカヌー探検。

セレブの旅のスタイル、ボート旅。

コロナで海外に出られなかった昨年夏。

今年は出会う人がドイツ人、オーストリア人。

ボートをレンタルしているんだそう。これが本来の夏なんだよな、きっと。

ヨーロッパの人は夏休みはしっかり取る。

特にどこにでもいるドイツ人。ボート4艘も貸し切って団体旅、2週間は楽しいだろうなぁ。

レンタルのボートと自家用ボートの人。

我が家のボートも一目でレンタルではないとわかるので、会う人会う人が我々家族を値踏みする目で見るのがよくわかる。

「あんた、若いのになんで高級ボートなんか買えるの?」って、顔に書いてある。

世間話になると夫は「これ、友達のボート借りてるだけだから。」

早々と白状すると、相手は

「あー、なんだ、あんたはただの貧乏人か、」みたいな表情になるのが面白い。

停泊場でも人のボートを舐める様に観察しまくり。
自家用ボートの所有者は殆ど60代以上。リタイアしたお金持ちしかいない。だから我々は目立つのだ。

またアイルランドはボートが高いのでアイリッシュはフランスやスペインなどに渡航して買うのがデフォだそう。

ボートの停泊場。白鳥と戯れる男児二人。

同じスタイルの旅だからこそ、比べられる。

ボート旅行2年目の息子達。

去年は湖にドボンッと漬かるも、冷たくて速攻で上がってきたのが、今回はちょっとクロールで泳いでみたり。

クロールで泳ぐ1号

このために買い出発前日に配達されたリングをボートに繋げ男児二人が乗り、しばらくボートを走らせヤッホー!!も束の間4歳の息子2号が落ちて溺れてしまい。

ライフジャケットを着ていたので浮いてはいたけれど、本人はかなりパニックになりそれを助けたのは息子1号。しっかりと弟を抱き抱えてリングに乗せてくれた。

息子2号はこれでリング遊びは懲りてしまったものの、ライフジャケットの大切さを実感できたからある意味よかった。

この後息子1号が体勢を変えてしまい、息子2号がリングから落ちて大パニックに。私はボートから「大丈夫だよー。ライフジャケットしてるから死なないから!!」と叫んで応援。
息子2号、湖に落ちた後。もう湖には入らない、となりました。

方や、昨年は「TVが見たい〜!」などと愚図り泣いた息子2号。

今年は持って行ったボードゲームのモノポリーをやろうと1号を誘って遊んだり塗り絵をしたり。

釣りの真似事に延々と興じてボート生活をすっかり満喫しているではないか!

魚はたくさん泳いでいるし釣り人もちらほらいました。
停泊場に住み着いている白鳥親子の縄張り争い劇場は見ていて飽きなかった。白鳥はかなり凶暴な生き物だと学びました。

我が家は特に夫がゲーム断固反対派。

こういう時に持って来なくて良かった、としみじみ実感する。

息子1号とトランプで7並べ、とか。皆で昔ながらの遊びをするのも不便なボート生活だからこそ。

三日目には手に入れたウクレレをマスターしたり。

ボートの雰囲気にウクレレの音色は合う。ゆったり感が心地よい。

旅慣れたのか、成長したのか。去年と同じ旅のスタイルだからこそ、子供達の違いに気付ける。

楽しい時間はあっという間。

初日の夜は赤児の事も考慮して三泊でいっか、などと話していたけれど、二日目からは上機嫌な赤児も扱いやすくなり。
もう一泊か二泊してもいいかなぁ、みたいな気分になったものの、天気予報は二日間雨らしく。

子供達に聞くと充分遊んだから帰ってもいいと言う。

という訳で昨年同様の三泊四日旅に。

四日目朝は予報通りの雨。

朝ごはん食べてせっせと荷造り。

全てウエットワイプで拭いて綺麗に元通り。おせわになりましたー!

車に全て荷を積み、4時間半の旅、レッツゴー。
長距離運転、だけれど帰りはちょっとだけ短く感じる。赤児は途中空腹で泣いたけれどもずいぶん我慢してくれて。

見慣れた我が家に着いた時の喜びぶりは半端なく。

男児達は、トンボ採りはやっぱり最高!カヌーが楽しかった、去年のところとどっちがいいかなぁ、などと話が止まらない。

海水の味を知っている息子2号、湖の水は塩の味がしないんだよ、なんて冷静に話すのが笑える。

また来年もいけるかなぁ。

海のすぐ近くに住む私たちだけど、湖の雰囲気はまた違って波がなく、静か。

帰宅するなり夫はアイルランドの家探しサイトでこの湖周辺の家の値段を調べる。他のエリアよりかなり格安なんだとか。我々の住むエリアの半額以下。

「大きな街から遠いし不便だしここは本当に安いなー。全部売っぱらってここ住んじゃうーー?」

もちろん、冗談です。

私は海辺が好きかな。海藻も鯖も獲れるし。

私の子供時代の山中湖みたいに、この子達の夏の記憶はアイルランドの湖とボートになるのだろうか。

既に家の周りの秋の景色に面食らいつつ、夏をまだ楽しむつもりです。

ホリデーから帰ってきたら我が家の周り360度この光景。もう秋ですか…まだ7月なのに。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。