日本の小学校体験入学ー初日編ー

おはこんばちは。飯塚です。

息子1号、昨年10月に日本の小学校体験入学しました。その初日編です。

朝、リビングに降りて行くともう朝ごはんを食べている息子達。

今日は息子1号小学校初登校。

私も朝ごはんを食べて準備。

実家の朝ごはん。子供の頃からすじこが常にあった。実家ご飯が帰国で一番美味しいと再認識。

初日は持ち物が多い。ノート類や筆箱、箸箱、水のボトルはリュックに。

鍵盤ハーモニカ、上靴、防災頭巾、体操着(アイルランドで使っているサッカーのユニフォーム)、エプロンは手提げ袋に入れて私が持つ。

いざ、出発。

行ってきます!

下の子二人は私の両親が面倒を見てくれる。

マスク着けてくか。本当は外でマスクしなくても良いらしいけど、皆さんやってるからな、仕方ない。

ランドセルを背負った子達に混じって交差点で青信号を待つ。

交通安全の旗振りをする方に

「おはようございます」

のご挨拶。

初登校の背中。ドキドキ。

受付で担任の先生を呼ぶ。

後期の始業式のため本日はスーツ姿の先生。

アイルランドの学校の先生の正装は見たことない。始業式も入学式もないアイルランドの学校。

時間まで空いている教室で待機。

鍵盤ハーモニカで遊んでみる。トゥインクルトゥインクルリトルスターを弾いていると、先生が教室に入ってきた。

「あれ、凄く上手じゃないですか!クラスの子達より上手いですよ。二年生はまだドレミを覚えてるような段階なんで。」

「本当ですか!良かった。たまに遊んで弾いたりしてるだけなんですけど。」

我が家の隣はピアノの先生。遊びに行く息子達、何度か教えてもらったり、うちにあるおもちゃの鍵盤遊びが役に立ったようだ。

「これから始業式ですがコロナのため二年生は教室でスピーカーから聞くことになります。ではそろそろ行きますか。」

教室の前に着くとクラスの子達が好奇の眼差しで廊下を覗き込んでいる。

空いている席に座るはずの転校生が来たのだ。

紹介の一部始終、私は後ろのドアから観察させてもらう。

先生が息子をクラスのみなさんにご紹介。

「S君が3週間だけみんなと勉強することになりました。S君は外国から来たんだけど、どこの国から来たか当てられるかな?」

元気な回答があちこちから

「アメリカ!」

「オーストラリア!」

「中国!」

「イギリス!」

「ニュージーランド!」

「カナダ!」

まぁなかなか出てこないだろうな。と見ていると

しばらくして

「アイルランド!」

息子が、オッというリアクションと共に嬉しそうに頷く。

先生も

「あ、今正解でたね!そうです、アイルランドから来ました。」

子供達、

「ヘェ〜」

と改めて声を出す。アイルランドって言われてもなんのこっちゃだよね。

大人ですらだいたい似たような反応なんだから。

先生「S君に何か質問はありますか?」

ハーイ!ハーイ!ハーイ!

先生から当てられた子

「好きな食べ物はなんですか?」

うわー、めちゃめちゃ日本人っぽい質問だわ、と外国暮らしに慣れると改めて思い、笑ってしまった。

アイルランドでこの質問は出ない。

何人兄弟ですか?

とか、

好きなスポーツはなんですか?

とか、

ペットは飼ってますか?

だろうか。とりあえず食べ物のことは聞かない。

「当ててみて」と照れ笑いする息子。

「わかさぎ!」し、渋い。

「ドラゴンフルーツ!」そんなん、食べんのか、普通?

「ハンバーグ!」あ、良かった普通のだ。

「カレー!」うんうん、日本人好きよね(アイリッシュはあまりカレー好きじゃない、というか美味しいの食べたことないだけ)

「ししゃも!」小学校二年生でししゃも好きなの?

「ラーメン!」息子が嬉しそうに頷く。

「マグロ!」とでると、息子はそれに指を指す。

皆さん、「ヘェ〜、マグロ好きなのか」などと口々にする。

嬉しげな息子と無邪気に反応する二年生、可愛いな、面白いな、いつまでも見ていたい光景。本当ならビデオに撮りたい。スマホのビデオをオンにしておけばよかった、と今は思う。

ここで始業式が始まった。スピーカーから校長先生の話が始まる。

一年生は学校に慣れる頃でしょう。後期が終わると進級しますし、また新入生がきますよ。六年生は今期で小学校最後です。

まだまだコロナが収束してない中の学校生活、消毒や手洗いをしっかりしましょう、など。

また生徒代表のスピーチが続く。

校歌の伴奏が流れた。

懐かしい!まだ歌えるな。まさか、卒業して30年以上経ってこの曲を聴く日が来るとは夢にも思わなかった。

始業式が終わり、私も教室を後に。

帰り際に職員室に寄り、保健の先生に保険料を、事務の先生に給食費を支払う。

事務の先生が「息子さん、体験入学楽しめるといいですね。担任の高橋先生は学校の中でも休み時間に児童と遊ぶ先生なんですよ、良かったですね」

「そうなんですか。息子は先週のご挨拶の時から高橋先生好きみたいです。楽しめると思います。」

手続きを終えて学校を出るタイミングでちょうど体育の授業をしていた。

初日だけは校門前に迎えに行く。と先生には告げておいた。

時間になり、息子2号を歩かせ娘をベビーカーに乗せて校門前で待つ。

友達が私達を見つけて取り囲む。

男の子達「S君走るの速いねー。ぼく追いつけなかったよ」

私「そう?確かに速い方かな。サッカーやってるしね」

女の子「ヘェ〜、弟と妹いるんだ。良いなぁ。」

女の子「赤ちゃん髪の毛クルクルして可愛いねー」

二年生、まだまだ無邪気で可愛いな。この子達がクラスメイトなんだね。

先生と友達に囲まれて満面の笑みで息子が出てきた。

あぁ、楽しい時間を過ごしたんだな。

先生「スポーツ得意なんですね。足速いですね。」

私「そうですね、身体を動かすのは好きですね」

先生「色々初めてでちょっと戸惑う感じはありましたけど、慣れると思いますよ。給食もよく食べてましたし大丈夫そうです」

そうだろうな。アイルランドの学校と違うから確かに一つ一つが驚きだろう。でも、実はそんなに心配してなかった。

優しい先生と友達に温かく迎えてもらい、幸せだな。

帰宅しておやつを食べ、宿題をやる。

給食が感動的に美味しかったと熱弁。本当はおかわりをしたかったけど、食べるのが遅くて他の子達に食べられてしまった事が悔しいらしい。

そうだな、食べるの遅いからもうちょっと早く食べなきゃダメだよね。

来る前はそれこそ不安と期待で複雑な心境だったけど、あまり心配しなくても大丈夫そう。

長いようで短い3週間、楽しめますように。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。