逃亡記録。

おはこんばんちは。飯塚です。

日本はWBCで盛り上がっていたようですね。野球が存在しないアイルランドでは話題にはならないのですが、数年前に新聞で大谷選手のことが取り上げられていたことがあります。

ちなみにアイルランドも先週土曜日にラグビー世界一になりました。

息子は「日本は野球世界一!アイルランドはラグビー世界一!」と喜んでいます。

なんだ、うちからシルビアの家、けっこう近い!

予定より2時間遅れてロンドンのガトウィック空港到着。ヨーロッパのハブ空港のヒースローよりは小さく、今回お世話になるシルビアの住まいからは電車で30分。

こんなに近かったのか!?

「うわー、久しぶり。やっと会えたー。何年振り?9年振り?あまり変わってないじゃない!」

から会話は途切れる事がない。電車に乗り、シルビアの家へ。

「それまでは家をシェアしてたんだけど、2年前にいまのアパートの部屋を買ったのよ。小さいけど一人ならちょうどいいサイズ。もう最近家賃の高騰止まらないから買ってよかった。こうして友達も呼べるしロケーションも悪くないしね。」

家賃や家の価格高騰問題はアイルランドでも今に始まった話ではない。

上がり続ける家価格。ホームオーナーが賃貸をやめて家やアパートを売りに出すと住民は追い出される。新しい家は見つからず定職につく人ですらホームレスになる危険性を孕んでいる。

この住宅問題、新聞やニュースで常にトップ項目に出るほど。イギリスも似たような状況らしい。

とにかく、需要と供給が全然釣り合ってない。

ちなみに数年前に見かけたショッキングな空室情報、ダブリンでシェアベッドルーム(一人部屋ではなくシングルベッドが二つ置かれた相部屋)で一月一人€500というもの。€1を140円換算で70,000円。プライバシーもないこの住居にこの値段って⁈と愕然とした。

最近日本で「海外だとこんなに給料良くてこんだけ稼いでます」みたいなニュースが出回っているみたいですが、家賃も日本の数倍で物価高だということをお忘れなきよう。

駅から徒歩10分でシルビアの家に。荷物だけ置いて腹ペコなお腹を満たしに行く。

9年振りの再会で始めはクラスの誰がどうだったか、なんて話題から現状の私達の話に。

シルビアはセカンダリースクール(日本でいう中高)でスペイン語とフランス語を教えているのだそう。朝は早く、帰宅も夕方遅い。

イギリスに10年住んでいたお兄さんはイギリス生活が合わなくて2年前にスペインに移住したけれど、シルビアは今イギリスの永住権を取る準備中なんだそう。

試験(イギリスの歴史や法律など)にパスし、お金も日本円で40万くらい位かかる。

このイギリス永住権を取るのがいかに困難かはイギリス在住日本人の友人から聞いた事があった。

イタリア「ピザ」日本「寿司」イギリス「フィッシュ&チップス」アメリカ「ハンバーガー」の共通点は?

シルビアが案内してくれたピザレストラン。

店の入口付近にはウーバーの配達員が3人待機していた。

オーナーはイギリス人だけれどシェフは皆イタリア人らしく店に入るとイタリア語で会話をするシルビア。

住宅街のピザ屋、金曜日の夜はさすがに満席。とはいえ10分ほどの待ち時間で席につけた。

シルビア「イタリア人はパスタは家で調理するけどピザは作らないのよ。生地を捏ねたり寝かせたり手間はかかるしピザ窯なんてないしね。ピザは美味しいピザ屋に行くのが一番」

なるほど!ピザは日本の寿司、イギリスのフィッシュ&チップス、アメリカのハンバーガー的立ち位置なのか。国を代表する食、家では作らない説。メキシコのタコスも確か屋台の食べ物。家で作らないんだろうな。

メキシコの屋台で食べたタコス

私「そういえばナポリのピザは€3で食べ切れないフルのサイズのピザで信じられないくらい美味しくてビックリしたなぁ。あの値段であのクオリティの物って世界中にもなかなかないよね。イタリア、一カ月くらい旅したけどシルビアと一緒だったらたくさん美味しい物食べられたんだろうな」

シルビア「そんなにイタリアいたんだ?ナポリのピザ、安くて美味しいよね!案内したかったな」

シルビアオススメの辛口サラミのピザとナスとスモークマスカルポーネのピザをオーダーしてシェア。

生地はモチモチ、ソースはトマトの甘みが効いて二種類のピザ、絶品。

ナスとスモークチーズ、合うな!

辛口サラミは想像以上に辛い。辛さに弱いはずのイギリス人はこれを食べるんだろうか?

ピザ2種類を半分に切ってシェアした。手前がナスとマスカルポーネ、奥がスパイシーサラミ。ちなみにヨーロッパの人は料理をシェアすることはほぼありません。

私「うちは月一くらいで自家製ピザ作るんだけどさ、生地とか結構美味しいと思ってたけど、やっぱりちゃんとしたところには敵わないわ!こっちの方が断然美味しい」

シルビア「えー、そうなの?自家製も美味しいでしょうよ?」

私「いや、やっぱりこの生地の食感はうちにはないなぁ。生地だけで食べても美味しいよね、これ」

シルビア「うわー、ジュンコが私の街に来て一緒にピザ食べてるとか夢みたい。ね、写真撮ろ!マルコ(お兄ちゃん)とママに送る!」

マルコとは私も数回会った事がある。

普段自撮りとか全くしない私が久しぶりにした、満面の笑みで。

イタリア風リンゴケーキが再現できなかった訳。

「どうするー?もう一軒行く?あ、でも家で飲もうか。ジントニックがある。朝ごはんは何がいい?あなたの好きなリンゴのケーキ焼いたんだよ」

シルビアのリンゴのケーキといえば、最後に会った時にレシピを聞いたら全ての材料の計量がなぜかグラム、でもカップでもない、1人分ヨーグルトカップ、と言われ、

「ねぇ、ヨーグルトカップって何?ヨーグルトって言ってもたくさん銘柄あるしそれぞれサイズ違うじゃない?どの銘柄か指定してよ」

と聞くと、

「え?そんなの知らない。普通の一人分のヨーグルトカップよ。1番一般的なの選べばいいじゃない。」

と言われて、その話題は終了。よくわからないまま「一般的らしいヨーグルト」を買い、それで材料全てを計量してリンゴケーキを焼いたらとんでもない代物が出来上がった。

ベチャベチャの生地。焼き時間の問題なのかと思い、ずいぶん長めに焼いてみてもそれは解消されなかった。

そのレシピは紛失し、その数年後、新聞で似たようなレシピを見つけ、やっと再現できたのだ。

新聞のレシピで作るイタリア風リンゴケーキ。材料にヨーグルト、オリーブオイルが入っているにがイタリア風。

その話をインスタにアップすると出るわ出るわ、ヨーロッパに住む日本人から

「あ、私の友達もヨーグルトカップで計量する!」

「フランス人の友達もヨーグルトカップで計量する!」

なるほど!ヨーロッパの計量スタンダードだったのか、と。

シルビア「あれ、そうなんだ。ちゃんと銘柄指定してあげればよかったのかな。いつもテキトーに作ってもあれは美味しくできるんだけどなぁ」

手慣れた人のテキトーと初心者のテキトーは全然違うんだよね。

帰宅して少し飲んだらシルビアはもうお疲れ。

毎朝6時起きの金曜夜は疲れが溜まってます。11時にはもうベッドへ。

リビングのソファはダブルサイズベッドに変身。

かなり寝心地良いな。

快適ー。

あ、でもなんか慣れないな、この感じ!子供と添い寝をしている生活。

久しぶりの1人寝、9年振り?うわ、なん、これ、眠れない!

元々不眠症系。結局2時くらいまで寝付けず。

イギリス大満喫記録、次回に続きます。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。