キューバ🇨🇺を想う。

おはこんばんちは。飯塚です。

先週バレンタインでしたよね。

ここで私は毎年「アイルランドのバレンタインは男性から女性に花束やプレゼントをあげる日です。日本のバレンタインは日本独自のものでお菓子会社の陰謀ですよ」

と言い続けていたけれど。

なんと小学校一年生の甥っ子はクラスの女の子からチョコレートをもらったらしく、同じ学校のうちの子が帰宅するなり興奮気味に報告してくれました。

密かに想いを寄せる人にチョコレートを渡すのは世界的にありらしい、事をこの場を借りて修正させていただきます。

春の花、プリムローズがあちこちに咲いてます。

日本はオリンピックで湧き上がっているでしょうけど。

我が家は私も夫もスポーツに無関心すぎてオリンピックもサッカーのワールドカップもほぼ素通り、観戦したことない生活をずっとしていました。

私に関して言えば人生でスポーツをまともに観たことは記憶にないくらいで。

夫はラグビーだけは観ます。

ですが、今季は冬季オリンピックを観ています。で、我が家は専ら日本チームを応援してます。日本は昔からスキー、スノーボード、フィギュアスケートも層が厚いですよね。

アイルランドはスキーもスケートもできない国。

冬に極寒ではなく雪もないので基本的にウィンタースポーツできません。というわけで冬季オリンピックは全然盛り上がらない。

一応「アイルランド」代表選手はそれぞれの種目で出場してはいます。

ですが、彼らのインタビューを聞くとアメリカ訛り、フランス訛りだったりで、アイリッシュな英語ではない。

要は選手の住む国の選考に漏れた方が親や祖父母のアイルランド国籍を利用してアイルランド枠としてオリンピックに出場している。

というわけで、元々メダルを獲得するポテンシャルも低い。ニュースにも殆ど取り上げられないのが実情だし世間話でも誰も話題にしないです。

子供達は日本チームを応援しながら「世界の超人技」を堪能できるオリンピックを楽しんでます。

太陽を殆ど見ないと南に逃げたくなる。

天気は相変わらずで、やはり雨ばかり。

更に追い討ちをかけるように世界の日照時間がアイルランドはワースト4位だという事を知り、普通に納得しつつ若干落ち込みました。

一月から続く雨…。どこか暖かくて太陽が出ているところに移住したくなる。アイルランドに住む日本人で弱音を吐きあってます。

そんな時にふと見たニュース。

キューバが困窮していて停電が続き海外からも渡航禁止になっている、と。

アメリカからの圧力とベネズエラの影響でエネルギー資源が入らないのだとか。

食べ物も薬も日用品も一般市民に行き渡らない、と。停電のため水も出ない。

キューバはずいぶん前にも貧困率が上がり日常の食品も手に入らない、という新聞記事を読んだ記憶がある。

旅した地はずっと気にかけてしまう。

ウクライナが侵攻された時にはキエフの記憶が蘇ったように。

タイムトラベル感満載だったキューバ

私がキューバに行ったのは2013年1月、当時アメリカと国交はなくカナダから入国しました。

アメリカと国交がないキューバ、パスポートにキューバのスタンプがつくとアメリカに入国できない、なんて理不尽な事情があるため、入国の際にはパスポートに「入国した紙」が挟まれる。キューバを出たら紙は破棄していい、という事。

極寒のカナダからトロピカルなキューバ。

唯一私が行った社会主義国。

昔に映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」とかチェ・ゲバラの青春時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」は大好きでした。

街を歩けばチェ・ゲバラがあちこちに。絵になる男、カリスマ性あるってこういう人の事言うのよね。

チェさんはあちこちにあります。カッコ良い。

観光地では音楽も聴こえたし、たまたま話したキューバ人に

「日本人?UAっていう女性歌手いるよね?彼女キューバに来た時に会ったよ。あの人有名人なの?」

なんて話聞いてびっくりしたり。

レストランやパーで生演奏。お姉さんスタイル抜群だね。

先進諸国とは全く違う。まだまだ色々アナログで時間が止まっているような感じはあった。

馬車は現役な国、キューバ。

物は溢れてない。道もボロボロだけど暖かいし野菜や果物は採れるから食に困らなくてのんびりしているような雰囲気。

町のお店。

確かに貧しさは顕著に感じたし、インターネットはネットカフェに行かないと通じず、宿探しは事前にできない。

社会主義国だけれど「医者や頭の良い人はアメリカに亡命している」などと言われていた。

民泊が栄えていて現地人は民泊で稼ぐのだ、という現実を現地で知り、バスターミナルに行くと宿の写真を持った家主たちが旅行者を待ち構えていた。

民泊のお部屋は素敵でした。

その場で交渉して泊まる、という不思議なスタイルの旅は面白みもあった。

民泊の朝ごはんが最高に美味しくて旅行者同士で「キューバの朝ごはん最高!」なんて話題で盛り上がった。

ここで問題なのはキューバ人は英語をほぼ話さず、旅行者はスペイン語を話す必要がある事だった。スペイン語を全く知らなかった私には大変不便で誤解もたくさんあったし、それに懲りて南米でスペイン語を学ぶ事を決意した。

ネットはない、言葉が通じないキューバなのに自分の中で嫌な記憶はあまりない。

野球好きなキューバ人からは

「日本は野球が強いよね!」

と声をかけられた。

野球少年は道端にたくさんいました。

社会主義国のお店というのは不思議なもので例えば電化製品店も見たこともない中国製の商品一種類しか品揃えはない。

選択肢ゼロ。

他国に溢れる日本製の商品、例えばToyota 、Nissan SONY、Panasonic 、Nintendo、Shiseidoなど皆無。誰も知らない。

街には当たり前にクラシックカーが溢れてそれは景観のひとつではあったけれども、新車が入らないから昔の車を走り続けるしかないだけだったり。

一人旅をしていると街で地元男性から揶揄い気味に

「チナ!チナ!」

と声をかけられる。中国人、という意味だけど、言い方があからさまにバカにしていて本当に不快でこれだけは嫌ではあった。

そんな中で出会った小学生くらいの集団はアジア人が珍しいからか、笑顔でワッと私を取り囲んだかと思うとスペイン語でワーワー話しかけてきた。

野良孔雀。そういえばタンザニアの街中にも野生の孔雀いたな。

呆気に取られている私を見て一人の女の子は他の子達を制しながら

「この人はスペイン語じゃなくて英語じゃないと通じないわよ!」と言い、英語で私に

「どこの国からきたの?」と聞いた。

「日本だよ」

と言うとパッと表情を輝かせて他の子達に「この人日本から来たんだって!」

と訳してくれた。可愛らしい少女達が眩しくて写真を撮らせてもらった。

街中ですれ違う成人男性よりもよほどマナーがよくて、気分が明るくなれた。

宿で出会う人も観光客同士の会話も楽しかったけれど、ハバナの夜のレストランは寒い冬から避難してきたカナダ人男性とキューバ人女性カップルばかり。たった一人で食事をする私は完全に浮いていて居心地が悪かった。店内の男女の雰囲気は今でも覚えているのに、自分のテーブルにどんな食事か載っていたのか、その記憶はまるでない。

キューバと言えばモヒート。暑い気候にミントの酒は合うな。

旅行者と一風違う「欧米人男性」はほぼ長期滞在のカナダ人男性。キューバ人の彼女(愛人?)を連れて街を闊歩していた。

「キューバ女はいいよ。物価は安いし冬は毎年こうしてキューバに滞在するんだ」

なんてニヤけながら自慢げに語る。日本がフィリピンで悪評高いけれど世界はこんなふうに出来てんのね、と白けたり。

道端で売ってたプリン、美味しかったです。

観光地という事もありところどころで日本人旅行者に出会い、久しぶりに日本語で会話もできた。

日本人男性とは半日ハバナで一緒に観光し「チャイナタウンがあるから中華食べましょう!」と教えてもらえたのも貴重な体験。

チャイナタウンは本当に世界中にあるんです。

ハバナのチャイナタウンで日本人旅行者と夕ご飯食べました。チャイナタウンはとても小さいです。

日本人グループの男性陣とはビーチ沿いのカフェでお茶をした。

「あの、アニータって知ってますか?青森の役所勤めの男騙して横領したみたいな事件の人」

「あー、なんとなくは覚えてますけど結構ニュースになった人ですよね」

「俺ら、昨日クラブで飲んでたらアニータに会ったんすよ」

「え〜、どんな風に?」

「僕たちの日本語の会話が聞こえたみたいで、向こうから声かけてきたんです。『日本人ですか?アニータ知ってる?』って。で、知ってる、って言ったら『ワタシ、アニータ』だって言うんですよぉ〜」

「え〜!よくわかんないけど凄い!」

「男と一緒でしたけど、俺らと話したそうでした。日本が懐かしいみたいな感じで結構まだ日本語話せましたよ。めちゃくちゃ面白かったです。『アニータワルクナイ!』って言ってましたよ!」

基本的に日本語の会話に飢えていたのでこれは爆笑した。

「『ニホンダイスキ』とも言ってました。そりゃそうすよね、男騙して金ガッポリ横領したんだから」

「アニータ俺らにお酒ご馳走してくれました!」

なんだ、君たちすごい土産話をキューバでゲットしたな。正直ちょっと羨ましいぞ。

ちなみにアニータはチリ人です。キューバにバカンスに来ていたらしい。

街中で売っていたケーキ。食べてはいません。

2013年はメキシコ、カナダ経由で旅行者で賑わっていたキューバ。渡航禁止となれば更に経済的な打撃もあるはず。

パンとケーキの店。

アメリカを敵に回すと怖いのですね。世の中はそんなふうにできている。私達はその世界でため息をつきながらただ生きるしかないのか。

ハバナにはお土産の屋台もたくさん出ていた。

またいつか再訪したい国です。

キューバの人達に平和な時が戻りますように。

田舎町はこんな感じ
建物も木も景観がどこも素晴らしい。
ビーチも綺麗です。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。