娘っ子、日本の幼稚園体験記。

おはこんばんちは。飯塚です。

早いもので日本の一時帰国から戻って1か月経ちました。春の一時帰国、大好きなわらび は時期を逃してしまい、3回だけいただきました。通常だと10倍は食しているのでなんとも物足りない…。

ちょこっとだけ見つけたわらびでお蕎麦にしました。

日本で日本語話さなかった3歳児、ただ今日本語ブームです。

英語しか話さなかった娘は最近日本語ブーム。

「ぼくも食べるー」

「ぼく、これできるよ!」

「ねぇ、ここで着替える!」

簡単な会話はこんな感じ。

彼女の日本語のお手本は二人のお兄ちゃん、というわけで主語が「ぼく」なのはご愛嬌。

そういえば、息子1号が3歳の時も、私の日本語を真似していたので主語は「あたし」だったし、アンパンマンの影響で一時期は「オレ様」なんて時期もあった。当時バイキンマンの大ファンだったのですよ。

我が家の公用語は「英語」日本語は私から話しかける時くらいで子供達の会話も私へのレスポンスも殆ど英語。

息子1号は幼い時期に日本語のアニメばかりを見せていたこともあり日本語結構話せる子だったのだけど。

息子2号はそれこそ2022年に一時帰国した時に初めて日本語を話すようになったくらい。

当時は幼稚園体験入園などしてなくて、近所の公園に通っていたのだけれど、2023年の一時帰国では近場の幼稚園に体験入園ができ彼の日本語力に限らず大きな成長を見られて凄くいい機会でした。

当時まだ2歳だった娘も朝はちょっとだけど遊べたりしたので園の先生に

「次回はMちゃん、お待ちしてます」

と言っていただきました。

2023年10月、こんな感じでちょっとだけ遊んで帰るのが日課になっていた。

3歳児、日本の幼稚園に行ってくれるのか?

そんなわけで、日本一時帰国の数ヶ月前にまた幼稚園の園長先生にメールをし、三週間の預かりを承諾していただいた。

アイルランドでも昨年9月から幼稚園に行っている3歳児、トイレも問題なくできるし、なんといってもお転婆だし幼稚園気に入ってくれるはず。

事前の挨拶と手続きでは先生から

「じゃあMちゃん、ママはここで待ってもらって一緒に中を見てこようか?」の声がけに殆ど躊躇なく着いて行き良き前兆はあった。

本人は事態をあまり理解していないけれども。

幼稚園に行く初日、朝ご飯を食べて着替えて、なぜか出かける、みたいな感じだったのだろう。

園に着き、「おはようございます!」挨拶をし、ママも一緒にいて欲しい、と心細げに私の服を掴む。私が

「だってここはプレスクールだもん、ママは居られないんだよ。アイルランドのプレスクールだってママはいないでしょ?」

と諭すと、「あぁ、そういう事なの?」と理解した表情をした。

入り口では一人の女の子がニコニコしながら近づき、早くも一緒に遊びたそうにしている。そのまま園庭に走っていく。良かった。

最初の二日間だけの午前中保育が問題ないためその後は給食つきの2時までの預かりに。

帰りは

「It was sooo much fun!! ホンット楽しかった!!」なんて笑顔で話してくれる。そっか!やっぱり楽しいよね!

迎えに行くとたいてい着替えていて何回かは幼稚園の服を借りていた事も。二度も着替えるくらいに外で思う存分水遊びに興じていたらしい。幼稚園の先生からも

「今日は全身濡れてしまって着替えていたら裸になって走り回ってたので慌てて洋服を着せました」

なんて楽しそうな報告を聞き、ホッとした。

毎日幼稚園で作る給食も喜んで食べていたようだしこれはいい滑り出しだ。安心した。

家にいるより友達と遊んだ方が楽しいよね。

一つだけ、思い描いていたのと違ったのは娘から出てくる言葉は全て英語だという点。

担任の先生も笑いながら様子を話してくれる。

「風が強くて花吹雪みたいに花びらが舞い上がってたんですよ。そしたらMちゃん、オーマイガー!!とか言って凄く嬉しそうでずっと興奮してました。私もそのうちオーマイガー!って言いそうです。」

幼稚園に咲いていた桜。

体験入園の担当先生も笑いながら2年前にお世話になった息子の事を回想しつつ娘を観察していたようだ。

「お兄ちゃんのH君は英語の方が得意で日本語は苦手なのに、英語は話さないでずっと日本語で話そうとしてましたよね。Mちゃんはまた個性が全然違いますね。でも私達の日本語は殆ど理解してそれに英語で返して「私のいう事わかって!」って主張してるの面白いですよ」

「ですよねー、私としては日本語話すのを期待してますけど変わりますかね。まさか「あんたが英語話してよ」スタンスになるとは思わなかったです」

幼稚園に受け入れていただいて本人も楽しんでいるならそれに越した事はない。

本当は日本語を話してくれるんじゃないか、と期待していたけれど、幸せに過ごせればそれでいいのだ!

幼稚園の先生方の

「私も最近Mちゃんに釣られて英語話しちゃいます」

という報告を苦笑いで聞く。

それでもお風呂でちょっとだけ歌ってくれた

「タンポポ、タンポポ、ふー、ふー」

タンポポの綿毛の歌を覚えて帰ってきたのはちょっと感動。インプットはされていたよう。

転勤、一家離散、単身赴任、子供の気持ちはついていけないのかも。

幼稚園は楽しい、おじいちゃんとおばあちゃんの家も快適なんだけど、なんだかやっぱり違う。

生活のリズムができた3歳児は疑問を感じだしたようだった。

私のお父さんはこれからずっといないのかな?なんで急にお父さんがいなくなって英語を話さないところに来たんだろう?

お父さんに会いたいな、

あとやっぱりアイルランドのアルバ(先生の名前)の幼稚園に行きたいな、

友達のソフィーと遊びたい、

最初は「初めての幼稚園」が珍しくて楽しかったのが、慣れだしたらホームシックに。

急に日常から切り離され英語の通じない世界にいつまでいるのかわからず不安にかられているのだ。

家から幼稚園までの徒歩五分の道のり、

「I miss daddy. I want to go home, not here. I want to go to Ailbh’s preschool 」

泣きべそをかきながら歩く。

そっかー。そうだよね。今日は帰ったらお父さんに電話しようか。

とか

いや、でも幼稚園におたまじゃくしいて楽しいじゃない?

とかいい含めて宥めるけれども。

近所のお寺のお庭にもおたまじゃくしがいました。アイルランドではなかなか見られない。

幼稚園に着いて私が帰るのが嫌らしい。

また駄々をこねて私にまとわりつく。私も花粉症が酷すぎて瞼を腫らして涙が止まらない。違う理由で二人揃って泣いてる。

泣く子を振り切って私は幼稚園を出る。先生からの

「大丈夫です。ママがいなくなると泣き止んで遊びますから」

という言葉で、このまま大丈夫かなぁ〜、とは願っていたけれど。

それにしても、子供が新天地に馴染まない、好まない、って大変だなぁ。転勤族の人、どうしてるんだろう。なんて考えたり。

一度スイッチが入ったホームシック、改善策はもう「帰る」しかないのだろうか。

まだ元のルーティンが安心するお年頃。

最初の数日は楽しみながら幼稚園に行っていたのが、気づけば毎日泣きべそかきながら登園するように。

いや、私もアレルギー反応が酷くて実はアイルランドに戻りたいくらいなんだけど。

幼稚園の給食も次第に食べなくなり、先生からも

「お昼までは楽しく遊んでいるんですけど、午後は先生の部屋に来ている時間が増えてきたんですよね。日本の思い出が「嫌な幼稚園」になるよりは「幼稚園楽しかった」にした方がいいと思うので最後の週は午前中の保育にしていただいていいですか?」

そうかー、やっぱり9時から2時は長いかー。

アイルランドの幼稚園、9時から12時30分。本人の中でわかるんだろうな、午後の時間の長さが。

という話を幼稚園の先生にも話した。

最後の数日は

「あと3日だけ行ったらおしまいだよ!そしたらアイルランドに戻ってアルバがいる幼稚園に戻ろうね!」

発言で、「やった!アイルランドに帰れるの?じゃあ頑張る!」とモチベーションにもなり。

確かに息子2号の初幼稚園も最終日には「やり切った感」があった。

幼子が言葉の不自由なところで過ごすのはストレスはいかほどなのか。

そういえば年末、家族でブリュッセル、ドイツ、アムステルダム旅行行った時もこの子は初日からずっと

「帰りたい」を連発して、帰宅したらとにかく嬉しそうではあった。安心したんだろう、まだ日常が一番なんだよな。

お父さんに会いたい、アイルランドに帰りたい3歳児、15日間の幼稚園生活、無事完走。

最終日はお友達になってくれたYちゃんとも記念写真を撮り、ママにも挨拶、先生にもお礼を言い

「また帰ってきたらお世話になります」と笑顔で幼稚園を後にした。

息子2号の幼稚園は当時5歳半だったし、まだ幼い娘と比べることは出来ないけれど。

日本語に対するアプローチは全然違っていたけれど、なぜかアイルランドに戻ってきてから日本語を話しているし、いい体験と刺激になったはず。

大きなチャレンジ、よく頑張りました。

受け入れてくださる幼稚園には感謝しかありません。

アイルランドに戻ってビニールハウスに枝豆植えました。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。

おしらせ

6月1日でSAKRA.JP、5周年! 
6年目に突入しました。いつも見てくださりありがとうございます。
引き続き時に役に立たない日々のことをお楽しみください。