雪辱を晴らす。

おはこんばんちは。飯塚です。

日本の一時帰国から三週間経ち、周りからは

「日本どうだった?楽しかったでしょう。アイルランドに戻ってきたくなかったんじゃない?」

と言われ続けた日々でした。

まさか私から

「いや、アイルランドに戻って来たかったくらいです。日本というか私の地元に戻ると毎回アレルギー反応が出て目は開かないし瞼は爛れて、身体中痒いし不快を通り越して住めないレベルなので。アイルランドにいると健康になるのでそれが一番。アレルギーは本当に無理すぎます」

という延々と続く愚痴が出てくるなんて予想してない。

仙台ってね、過ごしやすくて良いところなんですよ。私はアレルギー反応起こすけど(涙)

私の老後の選択肢から「仙台に住む」はなくなったのだ。ほんの少し絶望的な気分になる、別に仙台に住みたかったわけではないけれど。

年々悪化するアレルギー反応、以前はアイルランドに戻れば、すぐに痒みは消えたのにいまだに背中だけ、ピリピリ刺す痛痒さが消えず先日また薬を購入。その回復の遅さで加齢を痛感させられたり。

こっち来て二週間以上経ってるのにまだ痒い。また薬を買いました。

夏の野外イベント20℃超えてほしいけど。

アイルランドがいい、とは言いながらも毎日気温は低めで15℃くらい。一応衣替えはするけれど、この国では夏でも「冬用のフリースやトレーナーは必須」。

日本みたいに「きっちりな衣替え」できないのも、なんだかなぁ。

ホント、冴えない国なんだよ。

そんな寒さの中で先週日曜日に開催された、村の岬のお祭り。

イベント会場はこちらです。

去年「岬の船着場の修繕費を稼ぐ」名目で初めて開催されたお祭り。

灼熱の太陽だった昨年は、天気を味方につけたおかげで成功に終わった。

お天道様が成功の鍵と言い切れる野外イベント。毎日スマホの天気予報をチェックする夫。

それでなくとも毎日太陽が顔を出さない日が続く。この天気予報だと昨年の暑さが見込めない事はわかっていた。いいんだよ、とにかく雨さえ降らなければ。

昨年は悔しい結果に終わったイカダレース。

夫と息子二人はイカダレースの話が毎日止まらなかった。手作りイカダレース、イカダ作りは夫が仕事の合間にコツコツと続けていたらしい。

昨年は同じチームだった息子二人、昨年のレースで敗退した際に息子一号は

「来年からは年下の子とはチームは組まないで同じ歳の人とだけチームになる!」と怒り狂いながら宣言した苦い思い出。

ちなみにお世辞にも強いとは言い難いサッカーとバスケのチームに所属している息子一号、試合も負ける確率が俄然多いのだけど、そこではあまり「悔しさ」を見せないどころか、

「あー、良く動けて楽しかった」

みたいな呑気さがある。こんなに闘志がなくて大丈夫なんだろうか、全然負けず嫌いじゃないのね、と母は心配になり

「ねぇ、試合に負けて悔しい!とか次は絶対に勝ちたい!」みたいな感じってないの?」

と聞いたことがある。

「サッカーもバスケも勝ちたいとは思うけど、それより楽しくやれたらいいかな、と思う。でもボートとかセーリングは負けたくない!気持ちが全然バスケとかと違う」

という事だった。そうか、本人の中で棲み分けがあるのね、とやっと理解できた。

バスケはアイルランドではマイナーなスポーツです。常にメンバー不足。

今年は精鋭を揃えました。

イカダレースの日が近づき、息子達は別チームになりそれぞれチームメイトを召集。

夫の渾身のイカダは息子一号のチームに。

息子1号チーム。双子君の友人と地元のボートクラブに所属している友人をリクルートした。

お祭りの一番最初のイベントは子供達のイカダレース。子供達はそれぞれスタート地点で出発を待つ。大勢の観客に見守られて。小さな村のレース、だいたい知り合いや友人、親戚の子供が出ているのだ。

位置について、よーい、どん!は英語で On your marks, Get set, Go!!

スタートの笛がなる。

一斉に海原に繰り出すイカダ達。レース進行のスピーカー音と止まない歓声。

応援の声よ、イカダに届け〜!!

子供達のレース、最年少の子は6歳くらいか。小さな子が必死にパドルを漕ぐのだ。一生懸命だけど、当然上手くはない。

手作りのイカダに子供達はパドルを持って乗る時点ですでに落ちそうなのにスタートしたら漕ぐのに気が取られてバランスは崩れ転覆、海に投げ出されるのはもはやシナリオ通りだ。

バラバラと海上に散らばるパドル。

すかさず大人の救助隊がカヤックで駆けつけはするけれど、ライフジャケットを着けている子供達は慌てず笑顔でぷかぷか浮きながらイカダに戻ったり、岸に泳いだり。

平和なハプニング、微笑ましさに観客席から温かい笑いと更なる声援が。

息子一号のイカダ、精鋭揃いなメンバーだけあってスピードは申し分ないのだけど、初めはコースからどんどん外れて行ってしまう。

「え〜、ちょっとどこ行くの〜!!大丈夫か〜⁈」

と見ているこっちがヒヤヒヤ。

本人達、気付いたのかなんとか軌道修正して先頭のチームに追いついた。

先頭チーム、去年はこのレースで優勝し、今回連覇を狙っている。

息子が赤ちゃんの頃から一緒に遊ぶ幼馴染みで父親同士は親友だ。

並んだイカダはパドルをぶつけ合って妨害合戦。

あ!相手チームの子が一人落ちた!

客席は更に声援と爆笑で湧く。

これで息子のイカダはトップに。

よし!

がんばれ〜!がんばれ〜!

そのままゴール!!

やったー!おめでとう!

勝ったどー!

息子一号とチームの全員、誇らしげな笑顔で陸に上がってきた。

「Fun day」イベントは楽しめたら全て正解。

息子二号チームは転覆し泳いで上がってきて

「転覆が凄く面白くて楽しい!!」

一位じゃなくても存分に面白がっているのだからこっちも大正解!

息子2号チーム、転覆したままずっと海に浸かって遊んでいた。

その後は大人のレース。夫は隣人と友人と参戦。

子供レースより距離長めな大人戦。

笛が鳴り、海原へGO!

夫ボート、速い速い。

ぶっちぎりでトップ!

が、監視ボートが途中で妨害という暴挙に。これこそレースをより面白くする余興、客席から爆笑が起こる。

妨害されてもなんとかそのままゴール!!

この後、4人で組むカヤックリレーでも息子一号は優勝。

息子二号はカヤックリレーで上手いパドル捌きを見せてくれたり。

7歳児、歳上の子達と遜色なくチームに貢献。

娘はお友達とフェイスペイントしたり、賑やかな雰囲気の中でアイス食べて走り回ったりして存分に楽しんだ様子。

アイルランドのイベントといえばフェイスペイントなのだ。
世の中で一番遅い「ダックレース」1位は50,000円くらいの賞金がもらえる。

表彰式でトロフィー🏆をチームメイトと獲得した息子一号、とても幸せそう。

去年の負けがあったからこその晴れの笑顔。

雪辱を晴らし最高の1日になりました。

トロフィー2つメダル合計3つ獲得!!

また来年も栄冠を勝ち取れたらいいな。

来週から良くなりそうな天気予報に期待しつつ我が家の海時間がまた増えそうです。

夫が仕事の空き時間で作った「イカダ」。とはいえ周りから「いや、これ、イカダじゃねーし!!ボートだよね?!」のツッコミ多数。小さな三角のドクロの旗はハロウィンの飾りで買ったものを取っておいた。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。

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