ローマの休日
おはこんばんちは。飯塚です。
こちらは急に寒波みたいなのが来ました。朝起きたら車の窓ガラスも芝生も凍って真っ白に。
街はいよいよクリスマスなムードに。

まだイタリア旅回顧していいですか。
そもそもですが、アイルランドよりイタリアの方が興味ある人多いでしょうし。5年間毎週アイルランドの話していて今更感ありますけど。
アイルランドから飛行機で3時間のローマ、EU圏は日本の国内旅行感覚です。
ローマは2012年に一週間くらい滞在しました。一人旅半分、途中で当時付き合っていた現在の夫とも数日観光しました。
ローマと言えば。やっぱりオードリー・ヘップバーンの名作「ローマの休日」
実は私の夫はオードリー・ヘップバーンもこの映画も知らなかったのです。
全然話が通じなくて。
いやー、当時本当にびっくりしたんだけど、今現在も知らないだろうなぁ、結局観てないし。
「ローマの休日」に出てくる景色は素敵なんですが、やっぱり街は美しい。

またパリやアムステルダム、ロンドンみたいな「ヨーロッパの他の都市」と明らかに違うのは、歩いていると出くわす遺跡。

紀元前からの遺跡の中にローマという都市作りをし、道を開いてビルを建設した、そのダイナミックさに感嘆しつつ
「ローマは1日にしてならず」
ということわざに頷くしかない、この主語は他のどの都市でもなく「ローマ」が妥当だと。

「全ての道はローマに通ず」
なんてのもあるけれど。
ローマ歩きは楽しい。
幸い好天に恵まれたので、毎日20,000歩以上、気の向くままに歩いた。

治安やスリは確かに気をつけたけれど、普通に歩けば危なくない。
治安が悪い、と有名なテルミニ駅周辺は警察やセキュリティの人があちこちにいてくれるのは確実に抑止力となっているはずだしありがたい。
観光立国の首都、どこ行っても観光客だらけで街は賑やか。

「バチカンで25年に一度の聖なる扉が開く」のに合わせて来た友人達。チケット予約もお願いしていたし私もバチカン観光に。
9時に予約していたバチカン美術館へ。
行く前に映画「教皇選挙」を観ました。ついでに「天使と悪魔」「テルマエロマエ」も観たけどね。
バチカンは13年前も行きました。「バチカン」って国なんですよ。ローマの中にある世界最小の国家。
知識としては知っているのに、正直よくわかりませんが。
キリスト教の総本山、だけれど日本人にはピンとこない場所。教皇の事も「教皇選挙」観ても調べても遠すぎる世界で「へー」と理解してない生返事しかできない事を白状します。
自分は13年前に、バチカンとバチカン美術館どちらも行ったつもりでしたが、違いました。
朝から予約して行ったバチカン美術館は初めてで。
息を呑み、目を凝らし、出てくる言葉は素晴らしい、の一言。

ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロをはじめとした天才作家の芸術品が一堂に介した美術館。とにかく建物自体の天井画が圧巻で。

この世界にいる桁外れな天才。その溢れる才能をこんな風に後世に残した奇跡。

パリのルーブル美術館で窃盗事件が起きたばかり。セキュリティは厳しいはずだけれど、ここは建物自体が芸術品で持ち出し不可能なものが多数。

歩いても歩いても続く彫刻、絵画、織物、陶器、壁画、天井画。

聖なる扉の年、観光客はいつにも増しているらしい。
人渋滞で増す疲労。

ホテルで朝ごはんをたらふく食べたけれど、やはり疲れたし休憩したいなぁ、というタイミングで美術館内のカフェに。
マリトッツォとコーヒーでチャージ完了!

観光客はツアーやオーディオガイド聞きながら回る人多数。韓国人ツアー客もずいぶん見ました。日本人ツアーはなく、日本人個人ガイドを連れていた方は見かけました。
実は私もオーディオガイドした方が良かったかな、などと思ったり。
やっぱり作品に解説があった方が俄然楽しめるはず。それなりに予備知識を入れていた友人達から
「山田五郎情報によると…」なんて解説いただき、それだけでも「なるほど!」となりましたけどね。
でも、とにかくエンドレスなのです。ルーブル美術館や大英博物館同様、あまりに膨大な展示物は見ていてもだんだんとありがたみが薄れてきて。
「もう、お腹いっぱい…」

たぶんね、これは2時間区切りで3、4日かけて見るのが正解だと思う、残念ながらそんな事はできないのだけど。
休憩のあとは、「もう疲れたねー」「量多すぎ」「結局覚えてないんだよねー」なんて会話になってました。
あまりの混雑ぶりに人酔いしたのもあり、最後は見るのもおざなりに出口へ。
朝9時に入場し退館時間は2時、5時間滞在。

いざ、バチカンのサンピエトロ大聖堂へ!
美術館を出たら徒歩5分ほどでバチカン、サンピエトロ大聖堂へ。この中の美しさも格別で。

豪華絢爛、という表現では足らないほどに煌びやか。
360度見回してため息しか出ない世界。

サンピエトロ大聖堂は別料金を払えば天井まで登れます。
階段コースとエレベーターコース、健脚な我々は歩きました。途中からはとんでもなく狭かったけどこれも楽しい。


快晴の午後、バチカンの屋上から見るローマ市内、近代の高層ビルはない。

紀元前の遺跡を日常的に見るローマ人
市内に点在する遺跡群。コロッセオ、凱旋門、ローマ水道、パンテオン、バチカンと歴史的遺産が桁外れ。

古代ローマ帝国の紀元前からの2000年以上古い遺跡や建造物が道路や信号の脇に普通に存在するのだ。


この資産価値は計り知れない。作った古代の人の労力はもちろんだけれど、残した尽力にもまた感謝の気持ちが自然に湧いてくるのが、ローマ。
第二次世界大戦でローマの一部も被害はあったというけれど、それでもこの歴史遺産保護の為に大打撃は避けられた、というのに納得。
戦争はどこだってあってはならない、けれどローマは選ばれた唯一無二の都市。
ここで生まれ育った人は他国に出たら逆カルチャーショックを受けるんだろうな。
「え?なんで何もないの?」なんて。

先週も書いたけれどイタリア人てね、プライド高いと思うんですよ。でも仕方ないですよ、この歴史を持つ国なんだから。

京都人のプライド、我々は許容しちゃうよね、それと一緒だわ、なんて話しながらローマの街をぐるぐる闊歩した夜。

脚はクタクタに疲れるけれど、目も心もお腹も満杯以上に満たしてくれるローマの休日でした。