リベンジのご褒美。

おはこんばんちは。飯塚です。

ハロウィンが終わり、11月になりました!

トリックorトリート行きましたよ!

今日は先週の続きです。

日本のタイム制限が厳しいマラソン大会に出場し、33km関門で閉められ完走出来ず。

ハーフマラソンによく出ていた時にたまにフルマラソン出場者に言われた

「マラソン大会?あ、ハーフマラソンですか、ハーフはマラソンじゃないけどね、フルマラソンは全然違うし」

ってね、これマウント取られてますけど、でも真実だとは思うわけです。

35kmの壁とか。

だから、マラソン好きとか言うならやっぱりフルマラソン完走しないといけない気がしたのですよ。

もう意地なんだけど。

世界旅の荷物にランニングシューズ、帽子、ユニフォーム追加して走り始めました。

10月末のヴェニスマラソンに向けて。

荷物が増えた事に始めは不満があったのが、走り始めたら

「なんだ、めちゃくちゃ楽しいではないか」となる。

春から初夏、留学先のイギリスの日没は夜10時、夜の9時でもジョギングできる。飽き性な私は毎日ルートを変えて四方八方距離を伸ばした。

スコットランドの田舎でジョギングしていたら釣りしている人達が。夜10時くらい。

留学が終わり行く先々でジョギングをする日々。朝だったり、夕方、とりあえず日没前に終わらせる。

アイルランドのジョギングは日没時、夜10時くらい。
ブタペストは街中だから夜走った。

フィンランドのヘルシンキは夜11時でもまだ太陽は傾き始めたくらいで道に迷っても焦りはなかった。

ヘルシンキの海沿いのマーケットで腹ごしらえ。サーモンが美味しい。

スイス、オーストリア、プラハ、ブルガリア、バルカン半島、イタリアが近くなるに連れてトレーニング距離を増やした。

スイスのレマン湖沿い走ってそのまま泳いで気持ちよかった。

走りながら街の景色が記憶に刻まれる。ああ、どこも美しいな。なんて楽しいんだろう。

アルバニアで朝ジョギングしていたらマーケットに出くわす。

ジョギングじゃなくて歩いたらこんなにたくさんの景色を見ることはなかったんだ、最高じゃないか。

ブルガリアのヴェルコタルノボ、古いのんびりした街をひたすら走る日々。

日本でマラソン大会走りそびれたの、あれは世界を走るために必要だったんじゃない?

バルカン半島のコトル、日中は観光客ばかりだけど朝ランだと静か。

とすら思えたくらいにジョギングが旅に彩りを与えてくれたのだ。

ボスニアヘルツォゴビナ、朝はお店の準備中。

大会前はイタリアで強化練習。

イタリアに入ると強化練習。たまに1日30km走る事も。アマルフィ海岸近くに宿を取り、ひたすらに海岸沿いを走る。歩道がなくて危ないジョギングだった、と後から思い返し反省している。

アマルフィ海岸沿いで出会った猫さん

途中の景色は圧巻だったし、行く道中に見つけたレストラン。気になって夜に一人で行ったら英語は通じなくてイタリア語のメニューしかない。

そこのペスカトーレがイタリアで一番美味しかったパスタだった。(写真とってないの、なんで?)

やっぱり観光客相手じゃなくてイタリア人が納得する店が本物なんだ、と実感できたり。あの店にまたいつか行きたい。

トスカーナの路地。

大会近くにはまた北イタリアに戻る。

私のコンディションは良くても。

大会前日は大雨が続いた。

アクアアルタ、と呼ばれる水位が高い日。

本当に街が水の中に。まぁ日常茶飯事ということですよね、あちこちで橋を作られる。

ヴェニスはこんな感じ。長靴必要だよね。

そんな雨の中、大会のゼッケンを取りに行く。翌日の大会も予報は雨だった。

大会前日に受付などしてゼッケンをもらいに行きます。

朝のスタート地点ではまだ晴れていたのが走り出した時には雨が降り出す。

雨の中で「よーい、スタート」

ヴェニスマラソン大会、とはいえヴェニス島は最後の数キロだけで殆どの距離は普通の街中を走る。

雨の中、走る私は寒さはあまり感じないけれど、給水のボランティアさんや沿道の応援している人達が全身ずぶ濡れで震えているのがわかる。

「あぁー、ボランティアさん、なんかほんっとうにすみません!!」としか思えない超悪天候。

一箇所、沿道の応援のお爺さんがマイクで

「セクシー、セクシー」と歌っていたのはさすがイタリア⁈

なんだよ、セクシーって?

思わず吹き出したら、私が笑っているのに気付いた沿道の人も笑っていた。

本当に雨の中、お疲れ様です。

彼らのおかげで私たちは楽しく走れた。

給水所では水と一緒に切ったオレンジやバナナ、リンゴなども用意されていて、終盤はわたしもフルーツを少しいただいた。

ありがたい限りです。

雨風は止むどころか、強さを増す一方。汗は吹き出ず鼻水が雨と混ざって顔を濡らした。

ヴェニス島に入る橋、天気が良ければクライマックスな場所はヒョウが身体を打ち付ける。

ヴェニスマラソン、といいつつコースのほとんどはヴェニス島ではなくて本土で走る。クライマックスは島に続く長い橋。

え〜と、これは罰ゲームですか?ただただ辛いんだけど。脚が、ではなくて強風と豪雨、ヒョウ、こんな日になんで走ってんの?

一応、過去に膝を痛めたのでペースはかなり抑えていた。42.195kmを走り終える直前にラストスパートかけられるくらいに余力があり、ゴールに着いてもむしろまだまだ走れるくらいに。

距離なんか全然大丈夫だったのに、一番の敵は天気だった。

終了後に預けた荷物がなかなか受け取れず、次はバス待ち。ブルブル震えながらイライラ待つ。「うわー、ゴールした!」みたいな喜び皆無。

やり切った、良かった、完走した、はずなんだけど。

ずぶ濡れで宿に戻り、温かいシャワーを浴びて一息つく。

帰りに何も買って来ず、土砂降りの雨で外に出るのが億劫でホテルで空腹のまま眠った。

フルマラソン翌朝は、憎らしいほどの青空だった。

マラソン大会の翌日、ヴェニス綺麗なところだな、と初めて実感。

なんだよ、1日早く晴れてくれたら良かったのに。

若い時に頑張らなかった負い目

一応これからマウント取れるな、

「ハーフマラソンなんてマラソンじゃないよ、」なんてね。

言わないけど。

でも、それは本当。

タイムは4時間54分、あのね!始まってすぐトイレに行きたくて10分待ったのですよ。

あと、だいぶ余力あったからもっとガッツいて走り終える時点で倒れ込むくらいな全力走なら4時間半くらいいけたのかなー、なんてほんの少し悔やんだり。

フルマラソンの2か月後のキリマンジャロ登山は楽勝で、「歩く速度が速すぎるけどなんで?」と別のツアー客に言われたほどに脚は鍛えられた。

キリマンジャロの山頂で2012年のクリスマスを迎えました。

なぜあんなに意地になったか、それは私が人に言えないコンプレックスを抱えていたからに他ならない。

勉強も運動も一生懸命にしたことがない人生。飽きっぽくて努力できない。何かを成し遂げたことがない、という過去の自分を恥じて後悔もある。

マラソンごときで過去の自分を帳消しにできないのはわかっている。それでも、私は何かをきちんとしたい、と思った。

たまたま出会ったジョギング。

走ることは苦しいどころか楽しく気持ちが良かった。

マラソン繋がりで出来た友人もいた。

走りながら、世界の景色を堪能した。

キューバの街並み

知らない感情を得られた。

あれから13年、今は5kmも走れない。

来年はフルは無理でもハーフマラソンくらいはできる身体をつくりたい。

スタミナをまた取り戻さないと、と思う昨今です。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。