走り出したあの頃。

おはこんばんちは。飯塚です。

ハロウィン目前、この一週間はハロウィン休暇です。日曜日には冬時間に変わり日本との時差が9時間になりました。夕方暗くなる時間が早くなり、益々走る時間がなくなる、と言いたいところですが、もう走るスタミナが全然なくて。

庭のカボチャ、超特大サイズに!一番大きいのは28kg、彫りましたよ!ってことでお隣さんの犬ベンジー君と記念撮影。

今週は「走れなくなった今の自分に喝を入れるべく懐古の回」

13年前、10月28日イタリアのベネツィアでフルマラソンを走りました。

元々は私は運動音痴。走るの遅い、身体硬い、球技できない。

体育の授業嫌い。観るのも興味なし。野球もオリンピックもサッカーワールドカップTVもほぼ観たことないくらい。

二十代までは自分は一生スポーツとは縁遠い人間だと思っていてランニングなんてお金貰ってもやらない、と言っていたのに。

そんな人が30歳目前にしてジョギングの虜になるのだから人生何があるかわからない、と当時は自分でも苦笑いしていた。

実家仙台に帰ると家から広瀬川沿いも走ったり。最近この辺りもクマさん出るんですか?芋煮会できてるの?

そもそも、このランニングのきっかけを作ってくれたのは、このsakra 金曜日の千田さんの妹さん。

当時私は29歳。
激務の二十代は何もしなくてもスリムだったのに、急に体重が増え、服を着ても背中やお腹周りが見苦しくなり始め、ウォーキングを始めたのですが。

一時帰国で上野公園近くでマリオカート見たなぁ。この辺だと家から徒歩圏内(45分)昔はよく歩いたり走ったりした。

で、千田妹氏とご飯食べながら
「歩いてるんだけど痩せないんだよね」
とボヤいたところ、

「歩いて痩せるわけないじゃないですか。走らないと痩せないですよ。走るの、気持ちいいですよ。」

なんて言う。

見た感じおっとりしていて100%文化系みたいな彼女が、走るの気持ちいい、と言うのが意外過ぎて騙されたと思って始めてみた。
(後で聞いたら彼女は元陸上部だったらしい、むしろ知らなくてよかった)

で、やってみて、初めの数週間は全然走れないし、苦痛で。
でも、続けると走れる身体になってきてそれに伴い気持ち良いという感覚を得られるように。

飛鳥山公園は毎朝ジョギングしていた。家からここまでで当時往復5km30分。朝は太極拳で大賑わい。

走り始めて、体重は特に激減はしなかったけれど筋肉が全身に程よくつき始め、体型は変わり。

元々酷い猫背も背骨が真っ直ぐになったのか、改善されて身長が1cm伸びた。

肌の調子も目に見えて良くなる。日々の発汗で肌の老廃物が落ちている感じというか。

ランニングを始めた事で家にいる時間の使い方も効率化され、食事も自炊、野菜果物中心になり友人には

「分かり易すぎる三十代」

なんてありがたい称号まで頂き。

モチベーションを上げる「マラソン大会」

日本にいた最後の5年ほどは周りの友人も引く程、走る事にのめり込んでいた。

友達とでた府中の10km大会、ビールと豚汁が最高すぎ。

当時確か東京マラソンも始まった頃で。

この抽選は外れましたが、東京福生の横田基地ハーフマラソンをはじめ、東京近郊のハーフマラソンは結構参加してモチベーション高かった。

「試験」があるから勉強するのと一緒で、なんとなくジョギングも「大会」という目標ができると俄然エンジンかかるわけで更に練習時間が増える。

横田基地のハーフマラソン大会、同僚と取引先の方と一緒に2回くらい出場した。

ただ、フルマラソンは走るチャンスがなかなかなく。
エントリーしていたマラソン大会が三陸沖の地震の影響で中止になり。

一緒に横田を走った人たちと一時帰国で銀座でご飯食べました。楽しかったなーー。

マラソンブームでほとんどの大会になかなかエントリー出来ない中、なぜか簡単にエントリーできた某大会。

なぜエントリーできたのか?
タイムが上級者向きだったから、だというのはエントリー料を払った後で気づき、後悔に苛まれつつもとりあえず自己猛特訓に励みました。

休日、一人東京マラソンと称して山手線を一周走ってみたり。
37キロ、5時間半かかりましたけど。

一人東京マラソン(山手線一周)、実は家を出る時は一周するつもりなくて、走りながら「やっちゃう??」みたいな気分になるという気まぐれ人間。

そして大会当日。

いやはや、もうスタート地点で既に、

ナゼワタシココニイル?

と恥ずかしくなったほど。

ランナーの方々は、それまで私がエントリーしていた大会で見慣れた市民ランナーとは服装も身体も全然違っていました。

彼らの身体や脚の筋肉は目を奪われるほどに美しく、私はサラブレッドのレース場に迷い込んだロバみたいな存在(品種すら違う)。

当時私も自分なりに走り込んでいたはずなのに、もう場違い感が半端ない。

でもこういう人達と走れるなんてむしろ光栄に思わないとな!くらいに気持ちを切り替えて臨んでみました。

しかし、33キロ地点でタイム切れ。
42キロのフルマラソンを走れないまま、終わってしまったのです。

バカな私。
最初にペース無理目に上げて33キロ関門だけパスすりゃ最後まで走れたのに。
頭が悪すぎる自分自身に怒りが収まらず、このままフルマラソンを完走できないままなのは我慢出来なくなりました。

本来なら日本を出るので、ランニング熱は一旦終わりにするつもりだったのに。

世界のどこかでマラソン大会出てみよう。

そうだ、旅をしながらフルマラソン大会に出場しよう。

20㎏、70リットルのバックパックにランニンググッズを追加する事に。

ヨーロッパ滞在中になんらかのマラソン大会に出よう。

候補は

フランスのメドックマラソン、ワイナリーを走り、エイドステーション(給水)でワインも飲めるらしい、とか。

スイスのローザンヌマラソン大会、

自分のスケジュールと合いそうな中で、結果的にイタリアのベニスマラソンに申し込み、入金した。

日本を出てイギリス語学留学中からずっと走り続ける事に。

練習なしにフルマラソンは走れないのだ。(次週に続く)

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。