どっちも良き!
おはこんばんちは。飯塚です。
こちらは絶賛夏休み中です。二ヶ月みっちり、宿題なし。
ヨーロッパもアメリカも夏休み、宿題ないんではないかな。夏休み明けは進級しますしね。
日本の夏休みは宿題たくさん出て夏休みの最終日はそれと格闘するんだよ。なんて話をすると「え〜!日本人じゃなくてよかった」と必ず言われます。
もちろん我が子達も例外ではなく。

もう夏だけど春の回顧録して良いですか。今回で最終回だから許してください。
それでも、息子は日本の小学校が大好き。
先日やっと日本の小学校宛に手紙を子供達に書いた。運動会で先生と撮影した写真も同封して投函。
二年生で初めて「体験入学」をし、日本の学校大好きになり三年生は半年間お世話になった息子。
たまに
「また日本で半年間学校行くの?」
と聞いてくる人もいるけれど、それはしばらくはないかな、というのが私たちの見解。

というのも半年間日本にいる間、日本語は確かに飛躍的に上達したけれどそれと引き換えに英語とアイルランド語(普段全く話しませんが授業では習わなければならない)はかなり頭から消えてしまい、帰ってきてから授業についていくのが大変だったからだ。
お互いの国を半々行き来などしたらどっちでも「落ちこぼれ感」を味わう事になる。残念ながら凡人に二兎は追えない。
小学校四年生は日本には行かず、約一年ぶりの日本。友達や先生に会うのは心の底から楽しみなのだけど、勉強は不安。
一応、漢字のドリルやってはいても普段全く本も読まないのでインプットされてるとは言い難い。
日本行きが近づき、LINEでたまに連絡していたママ友さん達には
「新学期の二週目から行きます」とは伝えていた。
4月になると担任の先生が発表され、クラス分けも。ママ友さんがLINEで報告してくれる。
仲良しの二人はクラスが分かれてしまったらしい。という事は息子はどちらかに行っても大好きなお友達がいるのだ。
担任の先生、二年生、三年生の先生がとにかく良くて息子は大好きだったからその二人だといいなぁと願っていたけれど、新しい先生だ。
一年ぶりに会う友達と三週間限定の再会。
初登校日、「お腹いたい」と緊張ストレスMAXな弟とは対照的に楽しみMAXな長男。
学校に着き教頭先生に挨拶し、すぐに担任の先生が昇降口まで迎えにきた。
長男の担任の先生は長男の親友のH君と女の子を従え、やや苦笑いで
「初めまして。S君大人気ですね、クラスの子達がいつ来るんだ、いつ来るんだ、って始業式から毎日聞かれてどう答えていいのかわからなくて大変でした」
なんて嬉しい言葉で歓迎してくださる。
親友のH君は弾けそうな笑顔で息子の肩に手を回している。
「S久しぶり!あれ、もうメガネしてないの?」
嬉しい再会に息子の緊張がスッと溶けていくのは表情をみれば一目瞭然だった。
初日から放課後は友達が押し寄せる日々。
五年生ともなれば自分達で友達の家に行く。自転車に乗って、スマホも持っている子もいるし親御さんとも連絡取れるのだろう。
毎日、ではなくともわりと連日クラスの男の子が日替わりで来た。Nintendo SwitchはTVに繋げ、優しいお友達は一年生の弟にも気を配り仲間に入れてくれたり。
3歳の物怖じしない妹も「お兄ちゃんの友達=私の友達」とばかりに英語を捲し立ててガンガン入っていく。
「やべぇ!妹の英語の発音良すぎて何言ってるか全然わかんねー」
なるほど、小学校五年生の生の感想はなかなか面白くて私もついつい聞き耳立てちゃう。そんな妹も毎回構ってもらえる訳でもなく、ほったらかしにされると部屋の隅で頬を膨らませて体育座りをし拗ねていたり。
「どうしたの?」
と聞くと
「No one wants to play with me. They are so rude!!」誰も私と遊んでくれない。本当に失礼な人達!
なんて生意気に文句を言うものだから母も同情するどころか吹き出してしまったり。
毎日誰かが来てくれる、会いたいと思ってくれる。ありがたいことだ。
三週間限定だから、今は会えるだけ会おう。
日本の学校のイベントはまた特別です。
休みは親友のママさんや兄弟と科学館や動物園、水族館にも行けて、とても良い時間を過ごした。

我が子達の兄弟間の英語で会話をする事に友達は見入りながら
「ねぇ、なんの話をしてたの?」
と聞く。そんな様子も微笑ましかった。
でも、そうか。お友達だけれど彼らは息子が英語を話す姿を見たことなかったのか、などと改めて思い知ったり。
三年生の時に彼を可愛がってくれた親御さんと初めて会い一緒に過ごす休日。男の子達はお土産屋さんでお揃いのぬいぐるみを買った。
半年間お世話になったバスケにも挨拶ができた。息子はいつも最初は緊張している。再会が嬉しいのになぜか笑顔を隠している。照れているのか、そんな年頃なのか。
最終日は運動会。
息子はスポーツ委員会でラジオ体操を全校生徒の前で見本になってやらなければならない。
運動会の数日前におばあちゃん(私の母)に
「そういえば、ラジオ体操ちゃんと覚えた?みんなの前で出来るの?」
と聞かれて言葉に窮していた事から我が家でラジオ体操特訓が始まる。朝晩ラジオ体操をして本番に備える。
また五、六年生合同の出し物は「ソーラン節」ママ友さん情報によると四年生の後半から始まっていたらしい練習。
今まで見たことも聞いた事もない「ソーラン節」の踊りをいきなり他の子同様に出来る訳もなく個別レッスンもしていまだいたらしい。
運動会当日、練習の甲斐ありラジオ体操もソーラン節も、スポーツ委員会の任務もやりとげ無事に終了。
お世話になった先生と初めて記念写真も撮れご挨拶も出来た。

友達を作るために「体験入学」をしています。
友達とはメールアドレスも交換し、日本語でメールも送れば日本語の勉強にもなる。
お友達からすれば「英語を勉強しよう」というモチベーションになっているよう。お互いそうなんだよね。
また会いたい。
それだけで充分。
小学校二年生の体験入学で蒔いた種は確実に育っている。
それは三年生の時に半年間面倒を見てくれたおじいちゃんおばあちゃん(私の両親)や、学校の先生、お友達とお友達のママさん達、バスケでお世話になったコーチ、美容室のスタッフさん、彼の世界は温かく見守ってくれる優しい大人だったからに他ならない。
クラスではお別れ会をしてもらい、また寄せ書きメッセージをいただく。
毎回宝物が増える「体験入学」
仙台を出る前日も友達は遊びに来てくれた。
またしばらくさよならだね。寂しいけれど、また来るよ。
握手してお別れ。
ありがとう。
日本の小学校のお友達に、どこか分からないアイルランドがほんの少し近い距離感になってもらえたら嬉しい。
日本にいた時は
「アイルランドの学校にもう行きたくない。ずっと日本にいたい」
などと毎日の様に言っていた息子はアイルランドに戻り、セーリングやボート旅行をする日々で
「やっぱりこっちの生活の方が楽しい」
と前向きに考えられるようになった事に私はとてもホッとしている。

感謝できる環境にいる事はどれだけ幸せなんだろうとここ数年よく思う。
私自身、そのありがたみを何かの形で還元していきたい。