まだまだと思っていたら、終わってる。
先週は六本木アートナイトに関わる一週間を過ごし、担当の作家さんの作品だけでなく、たくさんのパフォーマンスや作品に触れながら、何かを見るためにその場所に直接足を運ぶということは、忘れていた自分の中の感情を見つけたり、もう一度出会ったりするいい時間になるのだなと思っていたのですが、今週もそんな場所に足を運んできました。
マネージャーをしている写真家幡野広志さんが鎌倉市と行った企画の写真展「のとのなつやすみ」初日にお邪魔してきました。今年の8月、9月鎌倉に何度も足を運び、鎌倉の小学生と共に能登に赴き、子どもたちの目から見た能登、その子どもたちを見る幡野さん目線がたっぷり写った写真を見てきました。
とにかく、写真がいい。そして、写真に添えられた子どもたちの正直な感想もとてもいいのです。

中間中間で旅でのエピソードを伺ったり、写真のデータを見てはいたのですが、実際にプリントされ、展示された写真と子供たちの言葉を見てみると、湧き上がってくる感情が全く違います。
2024年の1月1日に地震が発生したあと、私自身はなかなか能登に足を運ぶことができずにいることがずっと頭の片隅にあったのですが、写真を見ながら、能登への旅を具体的な計画にしようという気持ちになりました。

「のとのなつやすみ」に関するお話を幡野さんから伺う中で、とても印象的だったことがあります。「写真を現像しながら気がついたのですが、今回の旅でとても良かったことがありました。子どもたちが能登にいる大人のひとたちにカメラを向けると、その向こうに写っている大人たちの顔がみんな笑っていたり、とにかく優しいんです。僕や違う大人がカメラを向けても、絶対に見ることができない表情を見ることができました。」自分が能登にいる大人だったら、子どもたちがカメラを持って訪れてくれたら、カメラを向けていることに気づいたら、自然と顔がゆるむに違いない。まだまだ緊張や疲労感のある日々を過ごされている中で、自分がこんな顔をしていたんだなと、写真を見た能登のみなさんもはっとしたり、ほっとしたりするのではないか。幡野さんのお話を聞きながら、そんなことを思いました。

会場には大きなプリントと共に、幡野さんが直接プリントをされた写真がテーブルの上にたっぷりと置いてあります。実際に写真を手に取って、プリントの用紙の質感を感じながら、写真をじっくりご覧いただくことができます。
そのテーブルには「もしのと」というメモも置いてあります。能登に行ってやりたいことを書いて、壁に貼る。
DOYACOOFEEでアイスコーヒーを飲んで、マルガージェラートで塩入のジェラートを食べたい。ニューフルカワのイカの塩辛パンを食べて、チェコビールの製法で作った日本海倶楽部のクラフトビールを飲みたい。わたしの頭に浮かぶのは、食べて飲むことばかりですが、幡野さんと子どもたちの写真を見たあとで、能登のおいしいものを検索しながら、旅でしたいことがいろいろと浮かびました。


能登のことがずっと頭にあるけれど、まだ訪れることができていない方々。単純に写真を見たい方もぜひ「のとのなつやすみ」写真展に足を運んでいただけると嬉しいです。まだまだ開催しているなと思っていると、いつの間にか終わっていて、見逃したと後悔するのが、美術や写真の展示の常でございます。
幡野広志×鎌倉の小学生8人の写真展
「のとのなつやすみ」
〜東アジア文化都市2025鎌倉 アート&フェスタ〜
① MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉 10/1(水)~10/7(火) 10:00〜19:00
② gallery Karden 10/10(金)~11/3(月) 10:00〜18:00
③石川県立図書館 12月9日(火)〜12月17日(水)
原宿にありますGR SPACE TOKYOでも12月末〜2月に「のとのなつやすみ」写真展を開催の予定ですが、海を見たり、おいしいものを食べることとセットで、まずは鎌倉に訪れていただけると幸いです。
秋の鎌倉、とってもいいです!
今週も一週間おつかれさまでした。もう10月、今年もあと3ヶ月ですね。