選ぶことがたのしいスーパー2。

ずっと気になっていたスーパーの福島屋さんの羽村本店。ピザでお腹いっぱいになった先週に続き、今週はお買い物。まずは業務スーパーの「ファンタス」に行くことにしました。ここがもう、夢の空間で車で来なかったことを公開するラインナップでした。

業務スーパーといっても、大容量の商品が安いだけではない。お店に入るとすぐお酒のコーナーがあり、日本酒やワインなど見たことのない銘柄のものがずらりと並んでいます。その奥にある製菓や製パンに使う小麦粉のコーナーにもときめく。「春よ恋」「ハルユタカ」などの国産小麦の種類も豊富。これは楽しいなぁとだいぶ長い時間小麦粉のコーナーで過ごしたあと。

その横にある鮮魚のコーナーでも、ときめき再発。心の中で「わー」と声が出る。ちょっと市場のような雰囲気で氷にどぶ漬けにされた鮮魚が並ぶ。ひとつぶずつ購入できるハマグリのサイズが立派で感嘆。

その横にあるお肉のコーナーも充実。業務用の大きなかたまり肉や大量のパックというよりは、通常の家庭で人数の多いおうちなら食べきれてしまう量にパックされたおいしそうなお肉たち。店舗の真ん中に鎮座しているお米コーナーは圧巻。シャーシャーと精米機が稼働していて、選び抜かれた全国のお米が白い米袋に入れられて、美しくつみあげられている。

福島屋さんの特徴でもある手書きのPOPを読み込んでしまう野菜コーナーを経て、その向かいにはこれまた心がときめく調味料コーナー。みりん、醤油、油、ソースなどなど。リットル単位の瓶に入った調味料。よく知っているメーカーのものではなく、お初にお目にかかりますなブランドのものがたくさん。なかでも気になったのが「キッコーゴ丸大豆醤油」の大瓶。五日市街道沿い、秋川渓谷の入り口、あきるの市で一世紀近い期間醤油造りを続けているという近藤醸造株式会社の醤油。秋川渓谷といえば、釣り好きの父に連れられて小学生の頃によく行った場所。水の冷たさと清流の美しさは、足先が覚えている。あの近くで醤油が作られているなんて夢にも思わなかった。釣ったばかりのマスを河原で焼いて食べることもあったけれど、その時にかけて食べてみたかった。多摩の山裾、おいしい水のある場所でできるお醤油は、おいしいに違いない。この日に大瓶は買えなかったけれど、後日秋葉原の福島屋さんで近藤醸造さんが作っている「福島屋」オリジナルの醤油を購入しました。

続いてみりん。以前から気になっていた愛知県蟹江町にある甘強酒造のみりんがあったので1.8リットルの瓶を購入しました。甘強酒造は1862年創業。濃尾平野で収穫される豊富なもち米を原料にしてみりんを作ったのがスタートなのだとか。瓶のたたずまいが美しくて、手にとったら連れて帰らないわけにはいけなくなってしまいました。

この調子だとずっとファンタスに居続けてしまいそうなので、そろそろ福島屋さん本店に移動。ハマグリに後ろ髪を引かれながらみりんを持ってレジへ。

ここはまた近いうちに再訪決定。重さを心配せずに購入できるようにかならず車で。

あぁ、楽しかったとすでに目的を果たしたような気持ちになっていますが、ファンタスのお向かいにある本日の主役「福島屋」本店はこれから。平日の午後一の時間だったので、店内は混雑していなくてお買い物がしやすい。

こちらは野菜コーナーがすごい。本来の野菜の旬を大事にしているラインナップ。訪れた日は夏の終わり、秋の入り口を知らせてくれる野菜がぎゅぎゅっと並んでいました。中でもピーマンや万願寺唐辛子、パプリカなどの唐辛子の仲間と、トマトの種類の多さにびっくり。今日のメニューにトマトが必要だからトマトを買いに行くのではなく。福島屋さんが近くにあったら、今日はこのトマトがおいしそうだから、これに合う料理は何かなと、野菜からその日のメニューを考える食卓になりそうだ。たのしくて豊かな食卓。

このあとお肉のコーナーと鮮魚のコーナーへ。この日には気づけなかったのですが、今週訪れた福島屋さんの秋葉原店で、豚肉が岩手県一ノ関市にある「アーク牧場」さんからやってきていることがわかって、とても嬉しくなりました。前職で東北にツリーハウスを作り始めた時、参加したいと手をあげてくださったのがアーク牧場さんでした。牧場に遊びに行くこともできるし、中にレストランもあって、通販サイトではソーセージなどの加工食品はもちろん、おいしい豚肉も購入ができます。が、東京にいらっしゃる方なら福島屋さんでぜひ。

続いてまた見てしまう調味料のコーナー。こちらで心惹かれたのは赤いパッケージに「木桶熟成、大正13年」という文字の書かれたトリイソースのウスターソースでした。

大正13年創業の静岡県浜松市にあるトリイソース。購入した日にウスターソースに合うものをと、トンカツを揚げたのですが食感にびっくりでした。醤油のようにサラッとしていて、スパイスの粉の入ったとろっとした感じが一切ないんです。でも食べるとしっかりスパイスを感じる深みのある味。さらっとした見た目と味のギャップに驚くエンターテイメントなソース。トリイソースさんのホームページでその製造方法を見て納得。通常、ソースを作る際には、パウダー状の香辛料をソースに混ぜる場合がほとんど。トリイソースさんは香辛料を原料の形状のままソースに漬け込んで風味をつける。そのおかげで、スパイスのピリピリした味は滲み出さずに風味はしっかりソースに移るのだとか。創業時から、醤油などに使われる木の桶で熟成を行っているためまろやかで深みのあるソースになっている。味はもちろんのこと、このさらっとしたソースは楽しい。

他にもお酢や砂糖のコーナーでも今まで出会ったことのない銘柄の調味料がたくさんで、福島屋さんに来たら新しい調味料をちょっとずつ試していく楽しみができました。

福島屋さんで作っているお弁当やデザートもおいしいと記事で読んでいたので冷蔵コーナーへ。チーズやヨーグルトもはじめましてのブランドがたくさん。北海道江別市の町村農場さんのクリームチーズ、ブルーベリーと黒コショウを迷って、おつまみにもいいかなと黒コショウを購入。原材料はクリームチーズ、黒コショウ、塩。添加物は入っていないので賞味期限が長くはないけれど、心配なし。ペロリと食べ終わってしまいそうだから。

ピザでお腹がいっぱいだったので、惣菜やお弁当ではなくデザートをいろいろ物色。お彼岸が近かったこともあってたくさん積まれていたおはぎを手に取る。2個入りのおはぎ。自宅についてからちょっとだけ味見とパックをあけたら最後。甘みをおさえたあんこ、逆に甘みをしっかり感じるもち米にノックアウト。おはぎはあっという間にパックから消えていきました。

カラメルが別添えになった島根県わたなべ牧場のプリンはこども用。一口ちょうだいという間もなく、こどものおなかにおさまってしまったので、味の詳細を自分で確かめることはできず。「おいしかった!」という感想は言ってくれたけれど、どんな風においしかったのかは、また購入して味わってみなければ。

おはぎ以外にも福島屋さんオリジナルのデザートや調味料などのあれこれがたくさん。たぶん羽村の本店でも買うことができたのだけれど、この日は気がつかなかったマヨネーズ。秋葉原店にて購入したのですが、これがおいしいかった。酸味がやさしくて、つんとこないマヨネーズ。旬の野菜とこのマヨネーズだけでごちそうに。

週末はこれでサンドウィッチを作る予定です。

興味をそそられる調味料が多くてカゴがずしっと重くなってきたので、今日はこれにてお買い物終了。大満足の羽村福島屋さんツアーでした。

また新たな台風が来ているようですが、被害がでませんように。お天気はいまいちですが、9月最後の連休もたのしくお過ごしくださいませ。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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