ぎゅっと詰まってる。

先週、土曜日。SAKRA.JPの更新が終わったあと、中学校の部活説明会がありました。説明会が終わり、母友のあやちゃんと合流。二人ともそのまま仕事に行かなければいけなかったけれど、ちょっとお茶しようと近所のコーヒー屋さんに入りました。

今は代々木上原に住む我らですが。以前は梅ヶ丘に住んでいて、そこで出会って仲良くなりました。互いの息子たちが0歳の時。代田にある保育園に入園して、毎日のお迎えの時間。門のところで数分間、最近どう?って話をするのが日々の大事な息抜きタイムでした。

当時、会社勤めだったあやちゃん。あるお迎えの日、門の前でばったり会っていつものように雑談。「わたし、会社をやめてオーダーのケーキ屋さんやりたいなって思ってお菓子の学校に通い始めた」と話してくれました。いつもお迎えの最終ギリギリに保育園に到着することの多かった私たち。慌ただしく話した数分間。あの時間を、今でも時々思い出します。途中、保育園の2年間だけ離れていたけれど、その後小学校、中学校まで子供たちはずっと一緒。

あの日から、新しい夢に向かって、どんどん行動に移すあやちゃん。現在は、代々木八幡でtemps des coloris(タンデコロリ)というオーダースイーツのお店をやっています。

子供に感謝したくなるひとつが、あやちゃんと出会ったこと。とても尊敬する、お互いにほんわか刺激しあえる大事な友達です。

そんなあやちゃんと束の間のコーヒータイム。近況を話し合って、忙しいね、息抜きしたいね、旅に行きたいね。という話の流れで、お互いに気になっていた経堂にある雑貨屋さんの話になりました。思い立ったら吉日組。土曜日に話が出てから数日後。月曜日にこじ開けた数時間で行ってきました。だいぶ久しぶりの経堂。子供たちが保育園の時、時々に一緒に遊びに来た経堂。

お目当ての雑貨屋さん「stock」はすずらん通りにあります。すずらん通り、歩くのは何年ぶりだろう。

すずらんのついた街頭を写真に撮りながら、ふと思い出しました。そういえ神保町にもすずらん通りってなかったっけな。あれ?荻窪にもあった気がするぞ。

すずらん通り。調べてみると、銀座や立川にもあるんですね。

すずらん通りの元祖は神田神保町。大正時代、神保町の商店街がすずらんの街頭をつけてから、商売が繁盛したことにあやかって、他の街の商店街にもすずらんの街頭がつけられるようになったという説が有力なようです。

SAKRA.JPで東京都内のすずらん通り巡り、いつかやろう。街ごとにカラーが違っておもしろそうだ。

あやちゃんと二人で旅に出ると珍道中になる確率が高く、二人で笑い転げている瞬間が多数。おしゃべりをしながら歩いていると、お店を見逃していることも多数。今日はそうならないように、二人で左右を目視しながら歩く。

Google マップによると、stockがあるのは道の左側。商店街を赤堤通りに向かって数分歩いたところにあるようです。

「あそこ、雑貨がいっぱい並んでるよ」

「本当だ!見落としてなかったね」

「あっ、看板。ハルカゼ舎」

「あっ…。まだ先だ。アボカドのイラストが入ったカードかわいい。ここもちょっと気になる。帰りに寄ってみよう」

上原、西原のあたりは、バラが咲いているのをよく目にするのですが、経堂ではたくさんのお店の前で、早咲きの紫陽花がきれいに咲いていました。

「まだ先かな」

「あ、見て。s ・t・o・c・k!見逃してなかった!」

一人でお目当てのお店を探して歩く時より、二人だと見つけた時の喜びも大きいように感じるのは、互いの嬉しいが足されるからでしょうか。わーっと二人で盛り上がって足踏み。

旅に行けないこの時期の私たちにとって、宝箱のようなお店が目の前に現れました。

オギハラナオミさんが営むstock。オギハラさんが旅で出会った雑貨や包装用品、マスキングテープなどを販売しているこのお店。インスタグラムにあがってくる鮮やかな色のタイのポンポンが、最近ずっと気になっておりました。

水色のポンポンにピンクのふさふさ、グリーンのポンポンにショッキングピンクのふさふさ。バックにつけるのもいいのだけれど、毎日愛用しているクイックルワイパーの取手にこのポンポンをつけたら、掃除が楽しくなるなぁと妄想しておりました。

グレーの木枠の網戸をカタンと開けてお店に入ると、圧倒的な色の量。こんなたくさんの色が一つの空間の中に収まっているのに、ぎゅっと一個にまとまっている。無秩序なようで秩序のある配置。お店に入った時の感じが、何かに似てる。

あぁ、これはふきよせの缶を開けたときの嬉しさだ。丸いあられも、星形の塩味の煎餅も、正方形の醤油味の軽いおかきも、全部嬉しい。何から食べようか、悩む前に手が出てしまう。脳みそからの指令と手の動きが高速で繋がって、どんどん手が伸びて止まらなくなるあの感じ。

全部欲しくなっちゃうなぁ。散財決定。

そう思ったのはわたしだけではなかったようで。目の前のあやちゃんの手には、カラフルなネット。籠の中にもどんどん雑貨が積み重なっていきます。

店内には、タイのWAXCORDもたくさん並んでいます。タイではアクセサリーを作る紐。オギハラさんの手によるラッピングでは、WAXCORDが大活躍していました。ラッピングのサンプルが商品の間にところどころ紛れ込んでいて、それを見るのも楽しいし、とっても参考になる。

タイのプラスチックのお皿やパキスタンのホーロー。ベトナムのスプーンも柄のところが魅力的で購入。とても小さなお菓子の型にはピアスを入れよう。そしてお目当てのポンポン。どの組み合わせにするか、迷いに迷う。

ひとつ選ぶと、それ以外の全部がよく見えて、もうひとつ選ぶとやっぱりこっちかなとキリがない。我が家のクイックルワイパーを愉しくグレードアップさせてくれるポンポンは、水色のポンポンにピンクのふさふさに決めた。

でも、他もとてもとても捨て難く。結局3色選んで、連れて帰ってまいりました。

タイのリス族の方たちがひとつひとつ作っているという小さなポンポンも購入。何につけようか迷う時間も、ずっと嬉しい。

店内では、こんな使い方も。ピンチョスの串の頭にポンポンをつけるのもいいかもしれない!

カゴいっぱいの雑貨。オギハラさんがメモにひとつずつ、雑貨名と値段を高速で書いて行く。1枚、2枚、3枚。それを見ていて思わず出た言葉が「何だか、すみません。」

「いや、わたしはもっと書いても構いませんよ」

こまごました紐や包装紙を透明な袋にまとめ、オギハラさんがコラージュされた紙で挟んで、ホチキスでパチンと留めてくれる。この何気ないパッケージがまた他にないもので、かわいい。オギハラさんの好きがぎゅっと詰まったお店。ぎゅうぎゅうに詰まったお店。また何度も来たいお店。

今日はいくらまでは使ってよし、と自分の中で上限を決めていたのですが。本日作ってもらったスタンプカードには、14個のスタンプが付きました。(1000円で1スタンプ也)

あやちゃんと経堂散歩。来週も続きます。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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