ドキドキするってなんて言う?

週に一回行っている友人キヨちゃんとの韓国語の授業。教科書も9課に入って、初級韓国語の1番の壁。動詞、形容詞の요(ヨ)体を学ぶ授業をしています。元々はソウルの方言だった「〇〇요(ヨ)」=「〇〇です・ます」。

「食べる」=먹다(モクタ)を요体にすると?「먹어요」(モゴヨ)。「考える」=생각하다(センガクハダ)を요体にすると?「생각해요」(センガクヘヨ)になる。動詞、形容詞の語幹に陽母音だと「아요」をつける。隠母音だと「어요(オヨ)」をつける。「する」を意味する「하다(ハダ)」がつく動詞、形容詞は「○○해요(ヘヨ)」になる。

自分が学んでいた時も、頭から湯気がシューッと出ているのがわかるほど、最初はこんがらがっていました。

原則がわかったら、たくさん練習するのがいい。요体を練習するオリジナルの問題を作成中、ちょっとでも楽しくなるような言葉がないかなと思って書き出していく。ドキドキする。「두근두근하다」(トゥグントゥグンハダ)を요体にすると「두근두근해요」(トゥグントゥグンヘヨ)。サクサクしている様子、カリカリしている様子を表す「바삭바삭하다」(パサッパサッカダ)を요体にすると「바삭바삭해요」(パサッパサッケヨ)。

問題を作りながら。韓国語はオノマトペが豊かで、改めて美しくたのしい言葉だなぁと思いました。

昨年はまっていたドラマ「RunOn」(邦題:それでも僕らは走り続ける)の製作発表会をYouTubeで見ていた時。司会者から出演者に「どんなドラマか、お一人お一人説明してください」と聞いたところで。助演のカン・テオの口から「말랑말랑하고」(マランマランハゴ)という言葉が出てきました。日本語にすると「ふわふわして」の意味。

自分の韓国語学習時、言葉をただただ詰め込んでいた頃には想像できなかった、生きた場所での表現。パンの柔らかさを表現するくらいしか頭になかったけれど、「말랑말랑하다(マランマランハダ)」はこのドラマの雰囲気を表すのにぴったりでした。

年末コンビニで見つけたビックサイズのプッチンプリン。プッチンの儀。

擬音語、擬態語、擬声語を含むオノマトペ。日本もオノマトペが豊かで美しい言語。日本に存在するオノマトペ。その数を調べてみると、だいぶ幅がありましたがだいたい4000〜5000語。ちなみに英語が3000語程度。勉強していて、極端にオノマトペの登場回数が少ないと感じる中国語(古事成語は豊かで驚きます)は、300語程度だそうです。

で、韓国語。世界で最もオノマトペが多いと言われている言語。その数8000語程度。この全てを網羅することは、自分が生きている間には無理かもしれませんが、少しでも多く新しいオノマトペを知ることができると、言語の学習が楽しいまま。発見に満ちて、新鮮な気持ちで続けられそうです。

お正月仕様のHappyプッチンプリン。このプルプルした様子を韓国語にすると何が一番しっくりくるんだろう。ほっぺたがぷるぷるしているという表現の時に使う「탱글탱글하다」(テングルテングルハダ)。「탱탱하다」(テンテンハダ)もいいかな。でも「탱탱하다」(テンテンハダ)だと、プリンよりパツパツっとした張りのあるイメージもある。プッチンプリンにばちっりはまるオノマトペ。今度ネイティブの友人に聞いてみよう。

中国語だとぷるぷるしている様子はなんていうのだろう。辞書を調べてみましたが、ぷるぷるは出てこず。プッチンプリンを食べる時に、そんな気持ちになることはなかなかありませんが「プリプリ」している様子に当てはまる言葉は出てきました。

愤愤(Fènfèn)プリプリ怒っている様子。

プリプリ腹を立てることを表す古事成語は「愤愤不平」。「フェンフェン」という音。途切れなしにふつふつと怒っている様子が、音からも伝わってくる。

この状態を日本語のオトマトペならどう表すか。ぷるぷるでもいいけれど、ふるふるもあり。ぷるんぷるんもぴったりくるし、つるんつるんもあるかもなぁ。

練習問題に書き出していた「두근두근하다」(ドゥクンドゥクンハダ)。「ドキドキする」を表す中国語はあるんじゃないか。心臓がドキドキするシチュエーションは中国にたくさんあるはず。

出てきた言葉は、怦怦(Pēng pēng)でした。

日本語のドキドキが韓国ではドゥクンドゥクンで、中国ではペンペン。なぜこの音になったのか。

心里怦怦地跳着(Xīnlǐ pēng pēng de tiàozhe)。

心臓がドキドキする。心臓が地面を飛び跳ねているイメージだから「ペンペン」という音になったのかな。中国語の文章になるとこの「ペンペン」は、日本だと「ピョンピョン」のイメージ。

今年最初の紅まどんな。こちらにも「ぷるぷる」という表現がぴったり。ですが、プリンと同じだとつまらないので「みずみずしい」という日本語を当ててみます。韓国語だと新鮮な様子をあらわす「싱싱하다」(シンシンハダ)が近いかな。

さて中国語。調べてみると「水灵灵的」(Shuǐling líng de)という表現が出てきました。

漢字の文字を見ていても瑞々しさは伝わってくる。

日本語だと「ワンワン」がポピュラーな犬の鳴き声。韓国語だと「멍멍」( モンモン)。中国でも犬の鳴き声は「汪汪」(wāng wāng)でした。

日本語、韓国語、中国語。中国からやってきた言葉がたくさん存在する韓国と日本ではありますが。その国その国で独自の発展した固有語の代表でもあるオノマトペは、やっぱり面白い。3つの国の言葉を行ったり来たりする遊びのような学びは、これからも続けていきたいと思います。

このあとは少しゴロゴロ、뒹굴뒹굴(ティングルティングル)しようかな。

今週もおつかれさまでした。皆様、よい週末をお過ごしくださいませ。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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