まぁ、いいか。
4ヶ月ぶりにソウルに来ています。
前回は江陵に行く途中でソウルを通過しただけだったから、ソウルだけで時間を過ごすのはだいぶ久しぶり。
夕方18時20分発の飛行機で成田を出発。23時前にはホテルに到着できるかなと踏んでいたのだけれど、予定は未定。
機体の到着が遅れており、出発が19時20分の予定になりますとアナウンスが流れる。

仕事をしながらのんびり待つかと、成田の第三ターミナル152番のゲート近くにできた三本珈琲店でメニューを眺める。最近ずっと暑かったから、コーヒーはアイスのチョイス一択。行きの成田エクスプレスの車内が冷え冷えだったこともあって、ホットコーヒーを注文をしようとした瞬間に「白いコーヒーソフトクリーム」という文字が目に入る。
ソフトクリームは、いつ口にしてもウェルカムなデザート。そこに加えて白くてコーヒーテイストのソフトクリームですと。出発まで、たっぷり時間があるし、デザートを食べるのも悪くないとコーヒーからコーヒーソフトクリームに注文をチェンジ。写真には、何段にも重なった美しい形のソフトクリームが写っていたのだけれど、やってきたのはちょっとぶさいくな形のソフトクリーム。これもご愛嬌。構えていたカメラのシャッターを切るのをやめて、アイスの味に集中する。
滑走路の見える4人がけのベンチでは、学生だけで旅に出るのか、息子と同い年くらいの男の子たちが楽しそうに会話をしながら飛行機を眺めたり眺めなかったりしている。
そんなのんびりした光景を見ながら、コーヒーソフトを味わう。ソフトクリームは溶解タイムとの戦い。ワッフルコーンのてっぺんに自分の口が達するまで、ひたすら忙しくアイスを体内に運び続ける。
白いソフトクリームは、ほんのりコーヒーの味がして、ワッフルコーンとのマッチングも最高でした。

電源のあるテーブルで40分ほど仕事をして、搭乗口に向かう。本でも読みながら搭乗を待とうと、文庫を手に椅子に座る。最近、運動をすることにハマっていることもあって、目に入る本も変わってくる自分がとても単純だと思うのだけれど、バッグに放り込んできたのは、村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』。本棚に並んだまま、1年ほど開かなかった本が、今朝は一発で目に飛び込んできた。村上さんが小説家になる前の生活のことや小説を書き始めた頃の話に引き込まれながらページをめくっていると、まただいぶ時間が経過していた。
「お客様を機内へご案内できる時間は、もう少しあとになります。ご迷惑をおかけいたしますが、今しばらくお待ちくださいませ」
もうちょっと本が読めるから、まぁいっか。再び本に目を落とし、ページをめくる。しばらくして、グランドスタッフの方々が慌ただしく動き始める。やっと搭乗できるかなと本をとじてリュックを背負い、ゲート前の列に並ぶ。
席について、また本を開く。滑走路の混雑で、再び待機。20時。まぁ、しょうがないか。今日中にホテルに到着できれば御の字。離陸すると、電気が消える。本を読むのを諦めて、イヤホンをつけ音楽を聴く。数分後には眠りについていた。
仁川空港に到着して、入国手続きの列に並ぶ。昨日登録した電子入国申告書(e-Arrival Card)の返信メールを探し、画像を出して、少しずつ列を進む。
各国から到着する飛行機が重なっているのか、今日は列がだいぶ長め。ソウル方面に向かう終電に間に合わない事態は、さっきまで予測をしていなかったのだけれど、このまま行くとどうも怪しい。まぁ、でもしょうがないか。23時54分発のデジタルメディアシティ行きに乗って、そこからタクシーで市内まで移動すればいいやと時計を見ると、終電まで残りあと30分。
地下鉄の乗り場まで走れば間に合うかなと、心でウォーミングアップをして入国審査の順番を待つ間に、時間はどんどん過ぎてゆく。入国審査の扉をぬけ、ロビーに出た時間は23時50分。
これはさすがに無理だなぁ。深夜バスで移動に作戦変更。バスのチケットを販売するボードに向かい、東大門DDP、清涼里など、ホテルからそう遠くない江北地域の行き先ボタンを押すもチケットは売り切れ。ホテルとは逆位置の江南にある高速バスターミナル行きのバスは、かろうじてまだチケットが残っていた。そこからタクシーで移動すれば10分ほどで江北にあるホテルまで到着する。バスの出発は0時50分。50分ほどまた空港で時間をつぶす。

深夜までやっているカフェには、韓国の夏といえば思い出す、スイカジュースが売っていた。リアルスイカがたくさん入ったスイカジュースを注文して、できあがりを待つ間、ふとメニューボードを見てみるとモンスターアメリカーノという飲み物が表示されている。モンスターが1本入っているわけではないと思うのだけれど、モンスター1本355mlのカフェイン量は142g。それにコーヒーがオンされたら、どれだけギンギンに目が覚めるんだろう。長時間運転をしなければいけない時には、いいかも。日本でも高速のサービスエリアで販売したら売れそうだなと、その味よりもカフェインパワーの方が気になった。

スイカジュースを受け取ってベンチに座る。大きくカットされたスイカがごろごろ入ったスイカジュース。おいしい。やっぱりスイカジュースは、韓国にかぎる。ちゅーっとジュースを吸いこんで、カップの蓋を開け、ストローにスイカを刺してしゃくしゃく食べる。思いがけず、空港で日を跨いでしまったけれど、スイカのビタミンCは元気にしてくれる。

深夜バスが到着して、一人席に座る。シートベルトをかちゃっとはめるとバスが出発した。。仁川からソウル市内へ向かう夜の道は、キラキラ光って美しい。iPhoneの充電が切れそうになり、あわてて充電器を差す。音楽を聴きながら寝落ちして、目覚めたのは高速ターミナル駅の直前だった。
飛び起きた拍子に携帯を床におっことし、充電器がしゅるしゅるとどこかに飛んでいく。降車する人が次々と準備を始めて、人が流れてくる。まぁ、いいかと充電器を探すことをあきらめ、バスを降りる。
長い1日だった。とぼとぼ信号を渡るとすぐに空車のタクシーがつかまった。まぁいいかと移動をしてきた数時間の最後に、ちょっといいことがありました。
とっても暑いよと聞いていたソウルは、暑さが和らいで過ごしやすいです。みなさま、どうぞ良い週末、楽しいお盆休みをお過ごしくださいませ。
