スイッチ。

スイッチが入るきっかけは些細なこと。毎日気温が高すぎて、どんな服を着ていても「だめだ、暑い」の繰り返しになるので、着心地がよさそうなパイル地のタンクトップを買いました。肌触りは最高。丈は少し短めで、ジーンズと合わせるとちょっとタックボタンにかかるくらい。久しぶりに水色の服を買って、気分もさわやか。いい。いい買い物をした。

と、思った矢先。タンクトップといえば、にょっきり袖からこんにちわをするプルプルの二の腕、短めなのはとてもかわいいのだけれど、下っ腹が隠れない着丈。夏。運動するか。語学にしろ、運動にしろ、何度スイッチが入って、フェイドアウトして、また入れ直しているかわからないのだけれど、再びスイッチが入る時の理由はとても単純なことばかりだ。

運動!と思いつつ、いただいたおいしいチーズケーキはぺろり。

今回も例外ではなく水色のタンクトップがスイッチを入れてくれた。毎朝できるだけ歩くのに加えて、YouTubeで簡単にできるホームエクササイズを実践。仰向けになって、足を90度に曲げて片方ずつ、押したり引いたり。あぁ、この運動、前にスイッチが入った時にもやったやつ。また会えたね〇〇さん。ひとつエクササイズの動画を見始めるとアルゴリズムは親切に大量の様々な運動動画を流し続けてくれる。4つほどエクササイズを試して、お腹いっぱいに。

次にインスタをオープンすると、今度はピラティスの宣伝がたくさん流れ込んできた。駅から2分。30分で1ターム終了。これなら続けられるかも?体験レッスンを申し込み、早速行ってまいりました。ビルの2階。真っ白な空間にはK-POPがガンガンかかっている。推しの最新曲がかかって、少し気分があがる。ピラティス専用の器具を使って体を伸ばしたり縮めたり。「骨盤を正しい位置に戻します」運動関連で「骨盤」は、これは効くんじゃないかと信用してしまう魔法のような呪文だ。

ヨガに似ているけれど、そもそもピラティスって何が違うのだろう。体幹を鍛える、体のバランスを整えるなど謳い文句がいくつかあるけれど、もともとはドイツの看護師ジョセフ・H・ピラティスさんが、第一次大戦時に負傷をした兵士のリハビリのために開発したエクササイズだということを、今回初めて知りました。近年「コア」という言葉をたくさん聞くようになったけれど、ピラティスはコア、インナーマッスルを強化して、体全体のバランスを整え、美しい姿勢や自由自在に動く肉体を作る運動なのだそうです。

日によって、今日はお腹の日、今日は下半身の日と鍛える場所が変わっていくようで、お腹を鍛えたい私はなるべくお腹の日に当たりますようにとスケジュールとにらめっこしながら、今のところ順調に通い出しました。運動器具を2周する1回30分というプログラムが、なんとか継続をさせてくれています。これが1時間だと足が遠のいてしまう日が早かったかもしれない。

ピラティスを初めてから、背中が丸まっていたら伸ばすと、姿勢に気をつけるようになったのと、明らかに代謝がよくなって、朝の散歩でもじんわり汗が出てくるタイミングが早くなりました。五月雨のように食べるものと食べる量にも気を使うようになって、水もたくさん飲むようになりました。

タンクトップで入った運動のスイッチが、姿勢のスイッチを押して、空き時間にちょこちょこストレッチをするスイッチが入って、食事をちょっと気をつけるスイッチまで押してくれた。

このまま、ドミノのようにスイッチを押し続けて、今年の終わりに水色のタンクトップに感謝ができる夏でありますように。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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