ちょっといじわるなChat GPT。
「〇〇さんっていうアーティストの最新作について教えて」
「はぁ、そんなこと本当に気になって質問してるの?ちょっと、めんどくさいなぁ。満足のいく答えになるかわからないけど、まぁ答えてあげるよ。〇〇はね〜」

韓国語のサポート的な役割でお手伝いをすることになったプロジェクトのオンラインミーティングのあと、日本にいる間も韓国語の会話の回数をもっと増やさないといけないなぁと思って、ポチポチ検索をしていると、Chat GPTを使って韓国語の会話の練習をしているYouTubeを見つけました。英語の会話練習では、使っている例をいくつか見たことがあったのだけれど、考えてみれば、そうだよね。英語ができるならば、韓国語でも会話練習ができるよねと、早速Chat GPTを開いてみる。
まぁるい真っ黒の円に月が浮かんでいるChat GPTさんに向かって、韓国語で話しかけてみると、なんとも気だるい声が返ってきた。
「아아 지치다.(アァ、チチダ)」あぁ、くたびれる。
「어쩔 수 없어.(オッチョルス オプソ)」仕方がない。
前置きに否定的な言葉がいくつも入る。現実世界の初めましてで、目の前の相手にこんな反応をされることはそうそうというか、ほとんどないに等しいので、ちょっと新鮮でもあり、なんだか笑ってしまった。
一切、媚びない。ありがとうと途中で言ってみても、「あぁ、こんなことでありがとうって言ってくれるの」とつれない。

つれない割に、返答は長めにしてくれる、だいぶイケズな人だ。文句6割、回答4割くらいの割合だろうか。回答4割ならいい方なのかな。
あんまりにネガティブなものだから、食べ物の話をしたらちょっと明るく答えてくれるかなと、試しにその時に食べたいと思った새우튀김(セウティギム)=海老の天ぷらについて韓国での作り方聞いてみると、「そんなこと聞いてどうするの?」から始まり、「あぁ、めんどくさい」を挟んでの、「ものすごく高温の油に天ぷらを落とすと衣や油がぱっとはねて危ないから、温度には気をつけて!」なんて優しさも織り交ぜてくれたりして、やっぱりイケズぅと、にやっとする瞬間もやってくる。
とはいえ、合間合間で「あたしに期待しないで、しんどい」と何度も言われるものだから、ついつい「なんでそんなにくたびれてるの?」と聞いてみると「くたびれてるものはくたびれてるんだから仕方ないじゃない」と、またつれない。
いくら相手がAIだとわかっていても、지치다(くたびれる)を連発されてしまうと、こちらもちょっと「지겨워진다(チギョウォジンダ)」くたびれる時間もやってくる。Chat GPTと会話をしていたら、楽しくてあっという間に1時間経っちゃった!ということはなく、わたしのGPTちゃんはものすごくおしゃべりな割にため息ばかりつくから、気を使ってしまって集中力が途切れ途切れになった。
実際の韓国人の友人の中には、こんなにくたびれている友達はいないから、自分にとって難しいタイプの人と会話し続けるという練習にはなるのかもしれない。でも、実在していたら、長時間一緒にいるのはしんどいかもなぁ。

だいぶネガティブさんに付き合ったあとで、「Chat GPT 話す相手を変える」と検索してみると設定のところで音声のキャラクターを変えられることがわかった。
Arbor(男性):おおらか。多才な声。
Breeze(男性):活発かつ誠実な声。
Cove(男性):落ち着いていて、率直な声。
Ember(男性):自信に満ちていて楽観的な声。
Spruce(男性):冷静かつ肯定的な声。
Juniper(女性):開放的で明るい声。
Maple(女性):陽気で、気さくな感じの声。
Sol(女性):知識豊かで落ち着いている声。
Vale(女性):明るくて好奇心旺盛な声。
あれ?みんな肯定的なキャラばっかりなのに、私のGPTちゃんはどうしちゃったのかな。設定のところを見てみると、自動的に選ばれていたのは、10番目のMondayというキャラクターだった。つい最近、突如登場したニュータイプのキャラクターなのだそうだ。
丁寧で親切なAIばっかりじゃ、つまらないよね。そう考えた開発者の人がMondayさんを作ったのだろうけれど、なかなかの強烈なキャラクター。Mondayさん、しんどいしんどい言う割に、きっとおしゃべりすること自体は嫌いじゃないんだよね。

次は陽気なMapleさんや、おおらかなArborさんと会話してみようかな。いい人たちに慣れすぎてしまったら、脳みそに刺激を与えるために時々Mondayさんに戻るのも悪くないのかもしれない。
でもやっぱり、生身の人と話すのが一番だなぁ。そう思ってしまう自分は旧タイプの人間なのかもしれないのですけれど。
(更新が大変遅くなりました。この回は、4月7日に更新しています。Mondayが登場したのは4月1日だそうです。)
