サクラとサウナのこととか

こんにちわー、ムトーです。

桜が咲きました。もう今年はほとんどのところが既に満開になり、まだギリギリ見頃、という感じ。

桜咲く

「入学式に桜」という景色って、僕の子どもの頃には常識だった気がするんですけど、あれは記憶違いかな。刷り込まれたオメージなんだろうか。実際は入学式のときには桜が散ってしまっています。

桜って、好きなんだけど。大学生になった最初の年、一人暮らしを始めた東京で初めて見た桜以上の桜をまだ知りません。あの年の桜がよかったのか。タイミングか。心理状態か。

東京の新宿に中井というところがあります。西武新宿線中井駅。いまは都営地下鉄大江戸線の駅もあるのか。その駅で下車して数分歩くと「林芙美子記念館」にたどり着きます。林芙美子は「放浪記」などで知られる作家で、その屋敷が新宿区営の記念館となっています。

上京してすぐに、付き添って来た両親が東京見物の一番最初に行きたがったのがこの施設。その建物と記念館までの坂に咲いている桜がとても美しくて。僕は東京にいる間、毎年そこに桜を見に行っていました。

桜って、去年と同じ桜並木なのに「今年はそんなだな」みたいなことありません?僕だけ?今年はちょっと、センチメンタルな春だからか、散りはじめた今の桜がとても綺麗に思えて、ひとり車でたくさんの桜を見て回りました。

「世の中にたへて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」

古今和歌集に収められている在原業平の歌です。この季節、よく目や耳にします。

この世に桜の花がなかったら、春の心は平穏なのになあ、っていうような歌。

ずっと「わかるわ」って共感してきた歌。たぶん、これからもそう。

桜ってやつはね。

サウナ知る

サウナ流行ってますよね。

大分県って温泉がたくさん湧き出てて。別府とか湯布院とか有名な温泉観光地もあって。大分県は数年前から「おんせん県」として売り出してたり。ほんと、どこ行っても温泉がある。

大分県の自治体は平成17年に大規模な市町村合併を行って、現在全部で18市町村。この18市町村で温泉が出ないのは2つの市だけ。そのひとつが僕の地元、豊後大野市(ぶんごおおのし)。

なにせ「おんせん県」だから肩身が狭い。だから、いろいろと温泉意外の手を打たなきゃ、と観光関係者は試行錯誤してきたと思うんです。

で、2年くらい前かな。

移住してきた人と、地元の人たちが自然ゆたかな豊後大野市を楽しむ方法のひとつとして「アウトドアサウナ」を始めたんです。豊後大野市は川が綺麗なので、水風呂が川だったり、水中の鍾乳洞だったり。

僕はサウナに興味がなかったし、その話を聞いても「へー。」くらいの反応しかしてなくて。正直、期待もそんなに高くなかった。ただ、友人たちがやっているので、「うまくいくといいなあ」って思ってたくらい。

そしたらさ。

全国的なサウナブームもあって(それを見越して彼らが始めたのか、すでにその予兆があったのか)、めちゃくちゃ有名になってんじゃん、豊後大野市。

豊後大野市のサウナの取り組みが連日全国のメディアで取り上げられているんです。

市が「サウナのまち宣言」をしたり。本気。

ぱっと見、注目されているのは絶景だったり、山奥だったり、綺麗な水だったり、そういう環境の中でサウナを楽しめる、というビジュアルの部分が大きいと思うんですけど、サウナを展開してる当事者たちが楽しそうにみんなでやっていることが魅力的に見える一番の理由ではないかと思っています。

僕も豊後大野市出身の人間としてサウナのことについて少しでも語れた方がいいのでは、と今更ながら気付き、こっそり近所のサウナでサウナの練習を始めたのです。サウナのコソ練習。

「ととのう」ってやつ?語れたほうがいいかな、とか。

サウナの何が苦手って、水風呂。さっきまで熱波の中に居たのに、そのあと冷たい水につかる。足先を水に入れて、ぐっとこらえてフクラハギくらいまで沈めるのが精一杯。肩までつかるなんて絶対無理だ、と思い続けて約20年。

1ヶ月くらい前かなあ、頑張って入ってみたんですよ。

あー、、なんとかいけた。

で、ベンチに座ってボーっとする。

それを何回か繰り返して。

その日はわからなかったんです。

でも、家に帰って、眠りにつこうとした時、その水風呂の感覚を思い出す。その日の一連のサウナでの感覚を反芻する。

「ああ、サウナいきたい」

そう思うようになってしまいました。

知らない人が座ったタオルの上に座るの嫌だな、と思ってサウナ用のマットを買って。

どこかのサウナの脱衣場の鏡台に置いてあった化粧水と乳液を見て、つけてみたいと思い、友人に「化粧水と乳液どっちが先?」ってメールで教えてもらってバシャバシャ顔に叩き込んでみたら、これまで全くケアをしたことのない肌(何もしなくても美肌の俺でも)が潤ったのがわかったのです。その後、僕はひとにみつからないように乳液やらを買いに行きました。

なるほど、これらの行動全てひっくるめて、今、僕はサウナにハマってしまっているのではないでしょうか。どうでしょうか。

妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー

ムトーツアーズ

(隔週月曜日更新)
大分県に住んでいます。大分に遊びや仕事に来た人を案内することにヨロコビを覚える男です。