夏を迎えるために

春だなあと思っていたら、駆け足で季節が過ぎ去っていました。
まだ春を愛でていたかったのに、早すぎます。ティーン向け恋愛ドラマの急展開のごときスピード感です。恋と季節の変化はいつだって突然なのかもしれません。知らんけど。

春らしいことをしていなかったせいで、四季の移ろいを感じられなかったのかもしれません。それは、しっかりフラれないと次の恋に進めない的な思考に似ているのではないでしょうか。

やはり、春と決別して新たに夏を迎え入れる準備をしなくてはいけません。

というわけで、夏山開き直前の白山へ行ってきました。

別当出合の登山口にある吊り橋。

寝坊して行動開始が遅れてしまいました。これはマイナスポイントではありません。

気負いなく普段通りに、新しい季節を迎えいれようとする自然体の振る舞いに他ならないからです。

別当出合の登山口をスタートして動き出したら後は登るだけ。物心つくか、つかないかの頃から来ているので、実家のような安心感。標高2,000mくらいまでは何も考えずに登るのみです。

雪渓が出てきたところで慎重に進みます。それはテストの点数が悪かったことを悟られないように、注意深く話題をそらす時の緊張感さながらです。雪渓を越えれば後は問題なし。

山頂とは目と鼻の先にある室堂ビジターセンターに到着。いつもは、ここが山頂でいいやという気持ちになります。頂上を目指すだけが山じゃないのです。

と、言いつつ、この日はもう少し行きたくなり、室堂の鳥居をくぐって山頂部へ。

誰が運んだのだろうと気になる鳥居

鳥居をくぐると、そこは雪渓だった。ここは転んでも安全なので散歩気分。標高2,400mオーバーなので涼しい。

振り返ると、ビジターセンター。白い花がいいアクセント。

山頂部をうろうろして池をめぐってみたり、花をめでてみたり。溶けかけた残雪や花々を眺め、季節は確実に変わっているのだなあと実感。ぼんやりと夏の訪れを受け入れたのでした。

わかおかの山日記

(隔週水曜日更新)
山を走ったり、歩いたりするのが好きです。よく忘れ物をします。そんな日々を記すライターでランナーです。

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