我慢、よくない

あまり我慢強くならないようにしたいものです。山に行っていると、予期せぬ天候の変化や体調不良にケガ、いろんなアクシデントが起きます。そのほとんどは自分でコントロールできません。

自分で帰れなくなり、救助を呼ぶ場合もあるでしょうが、たいていは受け入れる。その一択です。

大雨が降っても、突然の強風も、足の痛みも、受け入れなくてはいけません。
大小いろんな出来事を耐えているうちに、いつの間にか我慢強くなっていました。

こんな断崖に立つのも我慢強さのたまものでしょうか

多少の痛みがあっても、体は動くから大丈夫。なんとかなる。なんなら痛みは気のせい。そんなふうに考えられると、何針か縫うようなケガをしても、ぐったりしていても、意外と走れたり、動けたりします。

半年前に痛めた腕もはじめは我慢の精神にのっとり、そのうち治るだろうと放置でした。左腕を動かすと、肩の下から肘にかけて鋭い痛みが走りましたが、痛みは気のせいマインドをフル稼働です。その間に季節は秋から冬、冬から春へと移ろいました。春なのに、痛みとお別れできません。むしろ痛みが悪化している節すらありました。

普段のランニングで腕を振るにも痛みが出るようになり、腕が肩より上にあがらなくなっていました。これではラジオ体操の深呼吸の動きもできません。さすがに気のせいではいけない気がする。これはいかん。

腕を痛めているのに山へ。傾山の名前通り、道標も傾いていました

さりとて、状態がよくないと分かっていながら病院に行くのも億劫です。「状態が悪い」と診断されるのは憂鬱でしたが、意を決して病院へ。それが先週末のことでした。

外から診てもよくわからん。ということでMRI検査を受けることに。初めてのMRIです。

ドーナツに吸い込まれていく機械を想像していたら、巨大な複合機のような形のやつでした。

仰向けのまま複合機に突っ込まれます。

ゴンゴン、ピポパポぺぺぺぺー……。
いろんな音が鳴り響き、なんだか検査されている感が満載。ちょっと楽しいかも。からの数分後にはうたた寝。気づくと検査が終わっていました。検査を受け入れすぎていました。

診断はというと、筋挫傷。腕を酷使したのか、ぶつけたのか、炎症が起きているだけでした。

痛いけれど、ランニングや山登りに行く時は動かし、それ以外の時間は腕を使わないようにしていたせいで、肩まわりの筋肉が固まってしまい、そのせいで痛んでいたことも発覚。痛いから動かさないようにして我慢。よけいに筋肉が固まり、痛みが強くなります。

変な我慢はせずに、犬のように素直に生きたいものです

なんという負のサイクル。耐えられるから放置するという方針が根本的に間違っていました。まあ、考えてみると、耐えられるから我慢していると、よけいな負荷がかかるだけです。どうしても我慢が必要という局面はありますが、よほどのことがない限り、あっさり我慢を放棄するのも一手です。

とくに山場もオチもないMRIを受けただけの話ですが、今回もおつかれ山でした。

わかおかの山日記

(隔週水曜日更新)
山を走ったり、歩いたりするのが好きです。よく忘れ物をします。そんな日々を記すライターでランナーです。

HPはこちら