忘れない。なめるべきは苦汁ではない

梅雨入りしても相変わらず山を走っております。

先週は静岡まで出張して、企業研修の様子を動画撮影してきました。研修といっても、座学ではなく、なんと2日間にわたるレース。社員3人でチームをつくり、地図を片手に山や町などでチェックポイントを回ります。素晴らしい研修です。

その直後に自分もレースが控えていたので、あまり走らないようにしよう。と思っていたのも忘れて、しっかり走ってきた次第です。というのも、社長自らが勝負にこだわって走っていたからです。え、社長も出場するんだと驚いていたら、一番元気!聞くと、昔は山を走っていたそうで、すっかり感化されました。

毎度おなじみの忘れ物

仕事を終えたら、地元に移動。向かった先は石川・加賀市の山中温泉。ここで開催される山中温泉トレイルレースが目当てです。

この時点で、バタバタした日程での出場だったため、忘れ物をしないように、しっかりチェックしていたはずでした。とはいえ、どれだけ準備をしていようとも、発生してしまうのが忘れ物です。はい、毎度おなじみの忘れ物は今回もありました。

まずは、水を入れる予備のボトル。レース当日の最高気温は30℃、湿度の高い北陸では数字以上にキツい気温です。念のため、予備を持っていこうと思っていたのに、荷物に入っておらずでした。スタート前に、ペットボトルを拾ってきて解決。なんとかするのがランナーです。

続いては、あぁ、塩熱サプリがない。気づいた時にはもう手遅れ。すでにスタートしていました。こんな時に限って、塩分を取れそうな行動食もありません。

なんとかなるはず。そんな願望まじりで走ること4時間。徐々にやられてきました。ペースが落ちて、上位陣についていけず。

まだ元気だったレース前半。(撮影:Katsumi Motomuraさん、トップ画像も)


苦汁をなめる展開の始まりです。倦怠感、軽い吐き気、脚のつり。どうも熱中症っぽい。間が悪いことに、調子を崩したのは山の深いところでした。

レースを続けるには、塩分が不可欠。さりとて手元にはない。と思っていましたが、ありました。若干衛生面は気になるものの、やむなし。

先を急ぎながらも補給するには、これしかない。自分の腕を舐めることに。4時間分の汗が濃縮されており、なかなかの塩分濃度でした。後味に苦味はあるものの、わりと美味。苦汁なぞよりも、なめるべきは自分の腕です。

塩分不足で途方に暮れつつ、白山を眺める

右腕から塩分チャージした後は、左腕に。その間に右腕から塩が湧いてきます。あれ、これって循環型の補給? 流行りのSDGs? いずれにせよ画期的な方法です。このサイクルによって、それまでの症状が収まったのですから。

とはいえ、汗から無限に塩分を取り続けることはできません。あぁ、資源というのは有限なのだと痛感させられます。外部から補給できない以上は、いつか絶えてしまいます。

どうしたものか。悩んでいたら、途中のエイドで、うどんが振る舞われていました。最後の1滴まで飲み干して補給完了。と思ったものの、レースはまだ半分近く残っており、若干の不安がありました。ここで閃きます。朝拾ったペットボトルにつゆを補充。3杯分ほど入れてもらい、10kmごとに1杯という、よく分からない計算のもと、最後までつゆを飲み続けたのでした。

なんとも、しょっぱく、ほろ苦いレースとなりました。

わかおかの山日記

(隔週水曜日更新)
山を走ったり、歩いたりするのが好きです。よく忘れ物をします。そんな日々を記すライターでランナーです。

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