地図とか。いろいろ読んだ週末

スポーツは先が分からないから面白いものです。すぐに結果が見えてしまうと、なんだか興が削がれてしまいます。先日参加した大会は、最後まで勝敗が読めなくて、とてもスリリングでした。

いろんなバックグラウンドを持った参加者がずらり。なぜかラウンドガールもいます。

というわけで行ってきました第0回PMM(パーゴワークス・マウンテンマラソン)です。野山を駆けて地図を読み、テントで泊まり、また地図を読んで走るという充実の2日間。主催のパーゴワークスは、愛してやまないザックを展開しているメーカーです。

山を走るのが好き、地図読みが好き、キャンプが好き。参加者の個性はさまざまでした。多種多様なひとが遊べるというだけで面白そう。実は、主催者枠があるからと誘われ、内容をよく確認せずに参加したのですが、この時点で楽しくなりそうな予感はしていました。

肝心の大会内容は、2人1組のチームで4つの種目を競います。各競技で順位ごとに得点が与えられ、合計点数が多かったチームが優勝します。ちなみに、主催者枠で出場するわがチームはというと、当日に相棒(バディ)と顔を合わせるという即席ぶり。なので、先行きはまったく読めません。

ロゲイニングのスタート前には作戦タイム。地図読みは得意ではなく苦笑い。

地図を読む

最初の種目ロゲイニング。地図を読んでチェックポイント(CP)を回ります。CPは見つけやすさや距離などで得点がつけられていて、その合計で競います。どの順番でCPを狙うかは自由。制限時間の中で、効率的に動き回るためにも、地図に書かれた情報から、最短ルートを導き出します。体力と知力の総合力がないとできません。

2人で地図を読みますが、ぼくは体力担当として、先に走って偵察するようにしていました。2人の考え方が違う時は、どちらの案がいいかを検討して選択。雰囲気が悪くならないように、お互いに空気を読みます。

CPでは写真を撮って、2人がそろっていることを証明します。

グラビアアイドルの撮影をイメージ。むだなポージングです、はい。

バディが撮って、ぼくが映ることに。数十箇所で撮影した写真は、スタッフが1枚ずつ確認します。どうせ見てもらうなら、楽しげな写真の方が確認する側も楽しいはず。そう思い、途中からはポージングを考えるのが仕事になっていました。

そんな調子で走り回っていたせいで、真剣にやればやるほど、体力押し、ゆるさが際立つこと結果になりました。知的なゲームのはずなのに。。。

戦国時代にスパイをしていた小六さんが、連絡係との待ち合わせに使っていたとされる小六石。小六さんの警戒心を再現。
ほかのチームとコラボ。せっかく土俵があるなら立ち合わないと損です。

流れも読む

制限時間内に、スタート地点に戻ってゴール。合計得点による順位は真ん中くらいでした。オリエンテーリングの日本代表も出場している中ではまずまずです。

一息つきながらスタッフと話していると「写真が面白かったです」と意外な好評価!競技ではかなわなくとも、大会を楽しんでいることにかけては負けていません。

これはチャンスと、いかに苦労して撮影したかということを語り、ボーナス得点をゲットすることに成功。ま、まさか加点してもらえるとは。会話の流れを読んだ結果です。

自分でアピールしておいてなんですが、とても驚きました。誕生日を迎える選手のいるチームも祝福&加点され、尋常ならざるイベントだということが分かってきました。

地蔵を増やしてみました。

この大会の特異さは、次の種目「チャッカ&ゴー」にも現れていました。

メタルマッチで火花を起こし、燃えやすいティッシュに引火させ、小枝に火を移して大きくしていきます。焚き火でお湯を沸かし、沸騰させるまでの時間を争うという競技でした。

こんな感じでお湯を沸かします。容器はパーゴワークスの試作品。

空気は読まない

地図読みが主だと思っていたら、こんなアウトドアの技術も求められるとは。こんな組み合わせの大会はみんな初めてです。戸惑いつつも、ほのぼのとした雰囲気が漂っていました。

そんな空気を読むことなく、開始前からハートに火がついておりました。事前に燃えやすい小さな木片を大量に仕込み、スタートダッシュをかけて次々に燃え上がらせていきます。火力を大きくすることに集中しすぎたせいか、薪の使用量がほかのチームより3割増しでした。

燃料となる木片を選んだら
火打ち石の要領で、メタルマッチを使って火をつけます。

真っ白な灰になるまで情熱と薪や木片を燃やした結果、この種目はなんとトップ。キャンプ慣れしたスタッフが試しにやってみた時の半分ほどのタイムでした。

初日の2種目を終えて、謎の加点もあり、総合成績はトップに浮上しました。むだにポージングをしていた甲斐があったというものです。

焚き火をそのまま流用して、夕食を調理します。肉の焼ける匂いを漂わせ、羨ましがらせるチームも。

夕方からは宴会。翌日も競技はありますが、持ち寄ったビールにワイン、日本酒を飲む、飲む、飲む。愉快な夜のせいで、二日酔いが多数誕生したのもよき思い出です。翌朝はテントから出てくる顔がキツそうでした。

差し入れや大会側からの配給もあり、早い時間からできあがる人がちらほら。
夜が更けてくると、火を囲んでしっぽり。

結末も読めない

2日目は朝からオリエンテーリング。設置されたポイントを回るのはロゲイニングと同じですが、使用する地図の精度が大きく異なります。その縮尺は10,000 : 1で、ロゲは25,000 : 1です。

数字だけ見ると差は2.5倍ですが、難度はそれ以上の差があります。地図が原寸に近くなり、詳細になっている分、ポイントを探すのが難しくなるからです。

競技中に遭遇したオリエンテーリングの日本代表ともなると、地図を見ながらも余裕のある走りです。風のように駆け抜けていました。対照的に、ぼくはフィールドを回りながら、地図の情報量の多さに目が回ってしまいました。

こいつを探します。オレンジ色の花と見間違えることも。
カモシカのよう。

途中経過は省き、最終種目へ。テントと寝袋などを撤収して、ザックに収めてゴールへと走ります。わりとスムーズにパッキングして走り出したのですが、ゴール後にテントを固定していたペグを回収できていなかったことが発覚。ゴールが認められないため、ペグを拾って再びフィニッシュすることに。思わぬ忘れ物で順位を落としたのが勝負の分かれ目でした。

タイムを競うのでパッキングの美しさにはこだわらず、とにかく詰め込みます。

順位が発表され、3位に入賞することができました。トップ選手たちに割って入れたことに満足でしたが、「最後の忘れ物がなければ1位でした」とのこと。惜しい。小さな忘れ物が勝敗を大きく左右するとは。最後まで結末の読めない大会なのでした。

パーゴワークスのマガジンに、ちゃんとした記事が書かれてました。こちらをお読みください。

わかおかの山日記

(隔週水曜日更新)
山を走ったり、歩いたりするのが好きです。よく忘れ物をします。そんな日々を記すライターでランナーです。

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