Mostly earth, sometimes space.

衛星はなぜ落ちて来ないのか

ども、カルロスです。

先ほどマニラにつきました。27度!暖かい!今年はこれが最後の海外出張です(のはず)。

スピード

唐突ですが、あまりこの手の話をしていなかったなと思って。

衛星は、地球をぐるぐる回っていることはなんとなくわかっていただいていると思います。なんで落ちてこないんでしょう?って話。

エンジンで上に上に落ちないように飛んでいるからと思う方も多いでしょうね。半分くらい当たりではあります。

まず、ボールを投げます。いずれ落ちます。もっと遠くに投げます。でも、遠くに飛んで落ちます。もっともっと… ありえないけど、地球をぐるっと回って自分のところまで戻ってくるはずです(理論的には)。そのスピードが約秒速7.9km。すごく早いです。

私が関わっているような地球観測をする衛星は地上400~600kmくらいの高さを飛んでいます。この落ちないスピードは高ければ高いほど、遅くても落ちて来なくなるので、それでも、まー、秒速7.6kmくらい。これだと、地球を一時間半で一周します。

つまり、早いスピードで地球を回ると遠心力が発生します。それが、引力と釣り合うところが落ちないスピード。引力の影響が小さくなる地球から離れた距離では、遅くても釣り合うということです。

もっと遠くへ

気象衛星や通信衛星は、もっと遠くにいます。地球から36,000kmくらいのところ。

遠ければ、遅い速度でも引力と釣り合う… そう、秒速3.8kmくらい。このスピードで36,000km離れた距離で地球を一周するのにかかる時間は24時間です。

つまり、地球の自転と同じスピードで飛ぶことになるので相対的に止まっているのが、静止衛星というわけです。

画像はマニラの空港周辺。空港の少し北に泊まっています。街の中心はもっと北です。明日はマニラからセブ島に渡ります。仕事ですよ、仕事です(二回言うと逆にあやしい)。

なかなかすっきり晴れないマニラ南部は10月20日の画像  produced from ESA remote sensing data

気になる音楽のコーナー

i9 / Jeff Mills

宇宙人DJと呼ばれるジェフミルズ。来日していました。この曲は、重力の小さな軌道上で浮遊しているように見えるが、とてつもなく高速で地球を周回しているというドキュメンタリーからインスピレーションを受けて作った曲だそうです。爆音でどうぞ。

では、またまた。

ほぼほぼ地球 たまたま宇宙

(隔週月曜日更新)
人工衛星で観測される地球のデータをあれこれする仕事をしています。見知らぬ人から、カルロス!と声をかけられることがあります。

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