H-IIA最後の打上げ
ども、カルロスです。
おかげさまで腰は完治しました。いまやシルクドソレイユにも入団可能なくらいの身体能力です<ウソ
28日土曜日の未明(日にち的には29日)H-IIA 最後の打上げがありました。改めて考えてみると、私の社会人人生はH-IIシリーズとともにあったと言っても過言ではありませんでした。今回は私が関係した(掠めたものも含む)H-IIで上げてもらった地球観測衛星を振り返って見たいと思います。
H-II
日本の液体ロケットエンジン技術を磨いたロケット。私が社会人になるタイミング(1993年)は、H-Iロケットで上た衛星が運用中で、H-IIは次世代ロケットとして、そしてこれで上がる衛星の話題でもちきりになります。
H-II F4 1996/08/17 ADEOS (地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」)
とにかくペイロード(センサ)をいっぱい積んで、ありとあらゆる地球環境を観測しようという先駆的な衛星。私が関わったセンサは、OCTS、NSCAT、AVNIRでした。
OCTSは、海の色、温度などを観測するセンサ、NSCATは海上風を計測するNASA/JPLのセンサです。好きな分野です。特に、観測されたデータの確からしさを確認する作業、検証作業が大掛かりにされました。海上のブイや船舶で観測された実測値と、衛星で時と場所を同じく観測された値の比較をするという、言葉にすると原始的な仕事です。その評価結果から、衛星で何が起こっているか、どうすれば改善するか考える訓練ができたことが、現在の私の強い妄想力に繋がっていると自負しています。また、学生時代からお世話になった、海洋学の先生方にここでもとてもお世話になりました。
AVNIRは後々、後継機のAVNIR-2 とも青春をともにすることをこの時は知らず、画質の評価をしていました。
残念ながらADEOSは約8ヶ月という短い期間で、その役目を終えます。名前が悪かったとよく言われるのですが(Adios!)、wikipediaにも運用停止に至る過程が生々しく書いてあります。残念です。
H-II F6 1997/11/28 TRMM (熱帯降雨観測衛星)
実際には、この衛星が飛ぶ前に、次の衛星ミッションの検討をすることをお手伝いしていました。その中で、直近上がる衛星TRMMとも比較をしながら仕事をしました。
TRMMは熱帯域の雨や雲を観測する衛星です。そのため熱帯域を1日に複数回、まばらに観測するのですが、熱帯特有の日中はギラギラ晴れていて、激しい夕立が降るような1日の中の変化(日周変化)をどういう観測頻度なら観測できるかをシミュレーションしました。
ちょうどインターネットが使えるようになり始める頃で、大学の方々とはメールで(当時の環境だと日本語が文字化けしたので何故か英語で)やり取りしていました。ここでの人たちとの関係がまたもや、次期ミッションに繋がります。

写真はH-IIの第一段エンジンLE-7。芸術品です。
案の定、ボリュームいっぱいなので次回に続きます。
気になる音楽のコーナー
Tell me / Groove Theory
巷ではまたNew jack swing が復活している兆しと聞きます。タイミング的にはその少し後くらいに流行った、ゆるーくGroovyな名曲。余裕のある時代を感じる曲です。
では、またまた。