卒業まであと2回

僕のお店nibuが年内で閉店、こちらの【nibuの2.5部】も年内で卒業いたします
今回の投稿とあと一回、お付き合いくださいませ!

先日とある常連様に言われました。
『お客様も沢山ついてるし、いつも繁盛してるし、そんなタイミングで閉店。絶頂で…ロックスターみたいですね…』
たしかに…そうだ(笑)
絶頂とまではいかないが、頂を目指して、それなりに良い位置には登ってこれた自負もある。

ここで一旦、客観的にnibuがそれぞれの業界に貢献できた事をざっくりと振り返ってみます。

【①/極薄生ハム】

2年前の盛り付け動画ですけど撮影用とはいえ、動作がおっそいな~。日々成長してました!

同じ流派の仲間も増え、お互い頑張り。
必然と様々な東京エリアに極薄のとろける生ハムが認知され始めた。
スライサーは自宅保管するので、いつかまた!きっと!皆様の前でスライスしたいです!

※極薄生ハムどこで買えばよいんだ~ってお問い合わせが多いので僕が認める生ハム屋さんをご紹介

同じ師匠を持ちnibuと同じ流派の生ハムテイクアウトのお店
SALUMIILAND TOKYO(築地/旧店名 COCOLE)

僕の尊敬する師匠のお店
SALUMERIA 69

あとは銀座シックスEATALYの生ハムパック売り(サンダニエーレ)も、とっても美味しかったです!

【②/自然派ワイン】

2012年のボジョレーから酒屋として自然派ワインの取り扱いが始まった。取引先の第一号はヴァンクゥール様

2012年からnibuでも取り扱い始めた自然派ワイン
約10年間このカテゴリーは本当に本当に売るのが難しかった…
しかし今は景色が変わった、呼び名はナチュールやナチュラルワインへ変わり、完全に外食市場に認知された。

オレンジワインなんて言葉がこんなにも広がるとは思ってなかった…
当時は醸し発酵なんて呼んでた記憶が…

僕らは足立区に残るのでこのお店行きたいなぁ~なんて自然派ワインを取り扱う飲食店がどんどん増えると良いな~

【③/日本のワイン】

当時:四恩醸造小林さんとルミエール小山田さん。2013年nibuはこのカリスマ醸造家を山梨から招いてイベント開催。
二階にもお客様がびっしり。この動員数は超える事はないと思ったけど、数年後に生ハムイベントで80名超えを達成。

2011年7月2日 日本のワインと日本酒の角打ち『酒屋バル nibu』でスタートした。
志半ばで努力が足りず日本のワインをやめてしまったが…今、それなりの認知をされている『日本ワイン』。nibuは日本のワインを飲まなかった層に微力ながらボディブローのような働きかけは出来ていたと思う。ブームで終わらず定着してくれる事を心から願う。あっ!醸造家の持つグラスに注目!nibuは日本のワインには脚付きグラスはちょっとあわないので、開業当初からうすはりを採用してました!うすはりを飲食店に導入したのは東京でもかなり早かった!軽すぎて、『これはプラスティックですよね?』なんて事は数百回言われました!
いまじゃ当たり前のうすはりグラス、間違いなくnibuはパイオニアです!

【④/純米燗酒】

あらかじめ抜栓して、空気を取り込み、それから数週間から数か月、納得の味になるまで放置してました。
すべてが手のかかる子で…その分可愛いんですけどね。


開業当初から徹底して守り抜いた、温めてこそ本領を発揮するちょっと手のかかる美酒(日本酒)の魅力を伝える事。こちらも冷たい日本酒しか飲まなかった層に魅力を伝え、その方たちが魅力を伝播して下さり、燗酒シェア拡大にnibuは貢献できたと思う。

燗酒に関しては僕の技法がダイレクトにお酒に表現されるので、10年間本当に本当に真摯に向き合った。
僕の燗酒に心打たれたお客様が沢山いたと思う。でもネタバレしちゃいますけど、
衝撃を与える燗酒を影ながら支えたのは妻の料理だったり、極薄生ハムだった訳ですw
(君たちがいて、僕がいるbyチャーリー浜)

【⑤/にごり酒の強炭酸割orにごり酒のお燗】

奈良県 久保本家酒造 生酛のどぶ

ごく少数ですが熱烈なファンをつくった『どぶハイ』(生酛のどぶという、にごり純米酒の炭酸割り)
どぶハイGPなんて大会があればnibuは絶対優勝だろうな~なんせnibuの強炭酸のガス圧はハンパないですから!
※近隣で生酛のどぶを購入できるお店は文京区 リカーズのだやさんと北区 三益酒店さん

【⑥/国産レモンサワー】

国産レモン!!!!

国産レモンを半玉使うレモンサワー。
僕自身、これが飲めなくなるのがとっても悲しい…
果たして今後農家さんと交渉し、レモンの大きさまで揃えて10kg程
ドかーっと仕入れるそんなお店があらわれるか?
個人的に色々なレモンサワーを外で飲みますが、やっぱりnibuのが一番うまい!

【⑦/本格焼酎の強炭酸割り】

宮崎県 黒木本店の本格焼酎の皆様

nibu最後の貢献は『本格焼酎』の美味しい飲み方。
世界に誇れるくらい美味しいのに、飲食店の提供方法もスタイリッシュではなかったし、
とにかく全てがなんとなくの目分量で片付けられていた本格焼酎。
宮崎県 黒木本店とnibuの強炭酸との出会いで、とんでもない究極の食中酒が誕生した。
難しい事はしていない、丁度良い割合を徹底的に探して提供していただけ。

生ハムやnibuのお料理と、とっても相性が良かった。
これからも我が家には黒木本店の㐂六や山猫は常時ストック決定!

また、炭酸で割ると美味しい事をお客様が知って下さり、レシピも公開したので
コロナ禍のおうち呑みなどでは皆様の癒しになったとも思う。
※近隣で黒木本店の本格焼酎が買えるお店は
足立区 かき沼(江北)もしくは北千住店でも購入できます

10年間を簡単には振り返れないけど、こんなところかなぁ~
なにより、とっても良いお客様に恵まれていたな~

誰もがびっくりしたであろうニブ閉店…

あらためてもう一度。
年内を持ちましてニブは幕をおろします
2011年7月2日~2021年12月31日
10年間かぁ~

我ながら本当に良いお店だったなぁ~
またやりたいなぁ~
とはいえ『約束無しのお別れですよ~』『今度はいつとは言えませんよ~』

https://ameblo.jp/ma2ya-nibu/entry-11567454425.html2周年のブログ、なんか泣けちゃう…

nibuの2.5部

(連載終了ー隔週月曜日更新)
東京西新井で、「nibu」というバルをやっています。薄さにこだわった生ハムをはじめ、美味しいご飯とお酒を。夫と妻と猫の日常をお届けします。

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